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弱者と強者

しばらく真っ赤な道を歩いて行くと広い草原に出た。だがやはりそこは紅黒く染まり返っていた。そして、大柄な男が小柄な女に絡んでいた。けれども私はヒーローなわけじゃない。だがきっと...

「おいそこの女ぁ」

そうら来た。私は首だけそっちを向ける。

「手、貸せよ。山分けにしようぜぇー?」

私はそっちに歩いて行った、そして手を男の前に出した。女は険しい顔をしているが私の目的はこいつと手を組むことじゃない...[グシャァ]

「ぁぁぁぁぁ」

こいつの手を握り潰す事...男は声にならない声を上げて地面に膝をつく。そして女は驚いた顔をして動かない。

「って、てめぇ死にてぇーのかぁー」

男は叫びながら潰されてない左手で斧を持って振りかぶる、私は静かに血染刀を抜いて斧を砕き男の首を落とす。返り血が足や腕、隣の女にかかる。私はその女性の方を向くと女はやはり驚いた顔をして動かないので私は血染刀をさやに収め歩き出す。

「あっ、あの」

私は再度首だけそっちに向けると

「ありがとうございます。あと名前を教えてください」

「弱者に教えるような名は無いわ」

「っで、でもっっ」

私は彼女が言い終わる前に

「ユウナ...私の名前よ」

前を向くとすぐ見える町には人間は沢山いるだろうか、私は口元を歪めて歩き出す。


紅黒く汚れたこの世界で私はこの手を紅黒くする。

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