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紅黒く汚れたこの世界

瞼を上げるとちょうど日の出ぐらいだった。私が寝ていた部屋から刀身を紅黒く染めた剣だけを持って出るとコーヒーを持ってきてくれようとしていたミネルスさんにあった。流石に昨日会った人を呼び捨てには出来ない、ん?昨日、初めて会った?まーいいか。

「よく眠れたか?」

この人は本当にいい人だ。だがその前にいろいろと話を聞かなくてはならない。

「話を聞いてもよろしいでしょうか?」

ミネルスさんは椅子に座って私にコーヒーを指し出しながら[座って]と促して来る。私は潔く座って話を切り出し始める。

「私の名前はユウナ。まずは助けてくれてありがとうございます。この汚れた世界にまだこんな人がいたとは驚きです。まず、なぜミネルスさんは私を助けてくれたのですか?」

彼女はそれに静かに答える

「神のお告げ?あなたはこの世界を変えてくれると神がおっしゃったから」

「...それだけですか?」

「そうそれだけ」

彼女は笑ってそう告げる。私もハハハと乾いた笑いが口から漏れる。

「あなたはもう出るの?」

私は静かに頷く。

「そう。何かあったらまた来なさい」

私は立ち上がって剣を左腰につける。

「行ってきます」

小さく口を開いてドアを開け放つ。レンガの道は紅く染まり生々しい嗅ぎなれた匂いがする。


紅黒く汚れたこの世界で私はこの手を紅黒くする。

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