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小沛 政略の名士の悩み

下邳城下の市場、そこに身なりのいい細身の男が商売人達や客の喧噪に一切の気を取られる事も無く、目を細め顎に手を当て、なにやら熟慮していた。 


この男、氏名を陳羣 字を長文 (チングン チョウブン)

後に魏で政略面において活躍、九品官人法を制定した名士でる。

曹操の側近である郭嘉の品行の悪さを度々咎めた・・・学級委員長的な感じのする人である。


*九品官人法・・・長い間使われた官吏の登用方法 


この能士は、今は劉備のもとにいる。

呂布が劉備に助けを求め小沛にいるのだが、呂布の今までの行い評判を考え小沛の視察ついでに、様子を見に来て呂布に対しての考察を整理していた。


『・・・呂布 奉先、フムまさしく剛勇、猛勇、蛮勇、まさに飛将。

正しく、人中の呂布とは言い得て妙、しかし不義たるものとしか思えぬ丁原・董卓の義父殺し。

丁原・董卓・献帝・袁術・袁紹・張楊と主君がすぐにかわっているのも問題だ。

兵は、粗暴。有能な配下もいるが疑心暗鬼、精神面において不安定としか言えぬ。

何を起こすかわからぬな。』

「・・・ふむ、考えれば考えるほど碌な事にはなるまい。

・・・玄徳殿には注意していただかなければ。」


呟くようにだが確りと、呂布の今の状況を鑑みた感想を、まさしくズタボロの評を考える陳羣。

気が重いのだろうか、考える人のポーズの陳羣の周りの空気が心なしか濁って見える。それこそ近くを通った人が、陳羣を避けて通る程に。


『陶恭祖様から玄徳殿に徐州牧が譲られてから混乱はなく、徐州は平穏だ。

これを崩すことだけは何としてでも阻止せねば。

さて、あの様な虐殺まで行い、徐州を得る事のできなかった曹操は何を仕掛けてくるか・・・。』

「・・・懸念が絶えんな。」


相も変わらず濁った空気をまといながら、宿に向かう陳羣だった。


「母上〜あのおじちゃん変〜。」

「コラ、見たらいけません。」


通りすがりの親子にこんな事を言われながら・・・。

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