エーーーーーーーー・・・コレが俗に言う訳わからん
とりあえず人を捜して川沿いを歩いていた良だが、森を抜けた途中、道を見つけたので、そちらを歩いていた。
「さて、いい加減に人出てこいや。こんなだだっ広い荒野三時間以上ソロで歩くって地獄かチクショウ。」
「ガウ」
一人というところに怒ったのかデコを引っ掻いてくる白。
「ああ、スマン・・・じゃねーよ、白テメー歩いてねーじゃねえ「グウ」
ポフポフ
「あ!?・・・ちょいオメ人が喋ってる時に・・・ん?
人ダァーーーーーー、でかしたぜ白。
コーラ、コーラ飲みてぇ。ういぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「ガアゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・・。」
どれほど喉が渇いていたのか、奇声を発し両手を頭上に上げ、Vサインをしながらまさしく風のごとく走っていく良。
そして、それにつられて良のオデコを、ペチペチしながら雄叫びをあげる白。
なんと言うか似た一人と一匹である。
「・・・・・ぃぃぃいいいいい・・・い?」
「・・・・・グウ?」
人を見つけスーパーハイテンションになっていたが、妙な状況になっていた。
やっと見つけた相手は、160くらいの身長で、四十前後ほどの男達で、1人は馬車に乗り、三国志に出てくるような服を着ていた。
さらにその周りに、6人の武器を持ったオッサンがいたのである。
それだけでもツッコミどころ満載なのだが、全員が死ぬんじゃないかというほど震えながら、頭を深々とさげていたのだ。
「オッサン達大丈夫か?つか、どったの?」
「ヒッ・・・び、白虎をお連れになった偉丈夫・・・あなた様は、天上人で有らせられますか?」
真ん中にいた、一寸いい着物を着たオッサンが、聞いてきた。
『このオッサン頭でも湧いてんのか・・・?』
「いやチゲーけど
・・・つか此所何所?つか町とかない?
あと、喋りにくいから頭あげてくれ。」
「では、失礼して・・・私たちは、呂将軍に、正確には奥方様に届ける荷を、沛城に届けに行っているところです。此所はその道中にございます。」
『・・・え?呂将軍?小沛?・・・三国志!?
でも言葉は通じる。何で???
いやいやいやいや嘘ン嘘でしょコレ、タイムス・・・・・・・』
*混乱中
「・・・嘘やん!!!!!!!!!!!!!!」
「グウ!?」
「!?どうなされました!?」
「オッサン、急にゴメン!!今の年号何?」
「今、でございますか?
今は、興平(194〜195)にございますよ。」
「・・・興平?
最近起きた事を教えてくんない?」
「なにをおっしゃりますか、この激動の時代に。
黄巾の乱から董卓の暴政、群雄割拠。
この辺りでは呂将軍が曹操に負け、劉玄徳様を頼り小沛に入っておりますが・・・。」
商人は、何を思ったのか、心底不思議そうに答えた。
『董卓・・・曹操・・・呂布・・・下邳・・・劉備・・・。
こんだけ歩いて家一つねぇ、それにこのオッサンの服も三国志くらいのだし、オッサンの周りの人たちはそれこそ槍・剣・弓
俺ガチで、タイムスリップでもしちまったのか!!!?』
急に黙り込んだ良を商人達は、不思議そうに、そして心配そうに見ていた。