…何コレ何所此所何コイツ
鬱蒼と木々がお生い茂る森の中、一際巨大な大木の前に、轟音とともに雷が落ちた。
だが不思議と、周りに焦げ跡などはなく、妙な格好をした男が、1人いるだけであった。
「・・・風ニャンコ、略してハッシュド・ニャンコにすんぞどらぁぁぁ・・・・・・・・・・・何コレ・・・。」
周りを見ても、木、木、木、木巨、木、木、木。
しばし動画を停止したかの様に、走っている途中の格好で、硬直する良。
「え?木デッカ・・・森?アレ俺学・・・校アレ?
俺学校でニャンコ追っかけて・・・。
コレ、アレか・・・ニャンコか?ニャンコの祟りか?
はっ!!?ニャンコオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォ、お前も居るのかぁぁぁぁぁぁ。」
*パニック中
ー30分後ー
「・・・さて、落ち着いた超落ち着いた・・・たぶん。
つか何此所・・・樹海?んな訳ねぇしなぁ、山でソロか。
なんで、ここ焦げてんだ?
とりあえず川を探さねぇと。
えーと水の匂い・・・しねぇ、水の音・・・しねぇ、詰んだぁ!!。」
とりあえず何もしないでいると不安なので、あまり動くべきではないと理解しつつも、周りを散策していると、薮の中から物音がした。
そろそろと近づき、藪の中を覗く。
「ん?なんだ何コイツ・・・猫にしてしてはでけぇ。虎?いやでも虎て、日本に虎て。
それよりコイツ怪我してやがるな。」
そこには、血を流したホワイトタイガーが居たのである。
血の流れている後ろ右足をシャツで止血してやり少し休むことにしたのだった。
「グウ」
背中からよじ登ろうとしているのか、前足で背中を、引っ掻いて来る。
「何だおい?頭乗せろってか、よしよしかわぇぇなおい。
落ちんなよ。」
「ガウ!!」
「つかその傷は、擦り傷なんか・・・じゃあねえな。そういやお前仲間とか親は・・・」
「・・・グウ」
「・・・そうかスマン」
「ガウ」
気にするなと言いたいのかポンポンしてくる、虎の子供。
「そうか、つかお前頭いいな」
カプッ
「噛むな・・・ちょ、思った三倍痛テェ。とりあえず川探そう」
ペシペシ
「おぉ、道わかるのか、こっちか?
・・・そういやお前の事何て呼ぼうか・・・
虎す・・・ガブッ いでぇだめか、チビす・・・ガブッッ おぐぅ
じゃそのまま虎白・・・ポン 気に入ったか?」
「グウゥ!!!」
「おぉ川キタよっしゃー」
子虎の白を仲間に加え、待望の川を見つけた良は、頭から血を流しながら人を探すのだった。