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2 切なさの始まり

僕の事を話して無かったね僕の名前は

「山之内遊馬」

20歳の大学生で勉強もスポーツもルックスもごく平凡、恋愛経験も人並み

多分皆の周りにも一人はいるタイプと思う

で、その僕が最近悩んでいる事と言うと…好きな娘が自分の親友と付き合う様になったって事

その女の子の名前は

「浜田美咲」

僕の所属しているテニスサークルの新入生で一目みた瞬間に好きになった

夏が終わるまでには告白したいって思ってたんだけど結局告白する事にはならなかった

僕には大学に入って親友とも言える存在が出来た

「広沢達矢」

良い言い方をすると健全な青年、悪い様に言うと真面目すぎる堅物

なんていうか決まり事とか法律にちょっと厳しい

でも本当にいいヤツだ美咲がサークルに入って数ヶ月僕は悩んでいた

「いつ告白するべきか」

その事ばかり考えていた

そんなある日の事珍しく達矢から俺を誘ってきた

酒と煙草が大嫌いなヤツから飲みに誘ってくるのは本当に珍しい事で少し驚いた

いつもの居酒屋に着き二人ともちょっと酔いが回ってきたときヤツは本題を口にした

「俺…浜田の事好きなんだ…今まで恋愛なんてした事ないのに、どうしたらいいと思う?」

完全に不意打ちだった

あの真面目超人の達矢が恋愛!?

しかも相手は美咲…

一瞬世界が真っ白になった

「なぁ…どうしたらいい?お前の方がそんな事には詳しいだろ?」

どうしましょう

どうやら僕の親友は僕と好きな人が被っちゃったみたいです

「と、とにかく二人になる機会をふやしたらいいんじゃない?で仲良くなったら二人で遊びに誘うとかさ…」

「そうだよな、実は来週の日曜に映画に誘ってるんだ、バイトが休みだったら大丈夫だから夜にメールするって言ってたんだけど」

その時ヤツの携帯が鳴った最近流行ってるJ-POPの着メロ、俺的にはヤツにはもう少し大人っぽい着メロにして欲しい…

とか現実から逃げ出そうとしてる俺に達矢は満面の笑みで携帯を見せてきた

液晶画面には

「日曜OKですよ〜(>ω<)」

と表示されていた

「…良かったじゃん、ちなみに何見に行くの?」

「『戦場のララバイ』ってやってるだろ?あれを見に行こうと思ってる」

「他のにしておけ…」

このアフォは初デートで3時間半もあるのドキュメンタリー映画を見せてなにがしたいんだ?

「どうしてだ?面白そうじゃないか」

「初デートでそんなもの見てみろ、映画館でた後で会話がなくなるぞ」

「…確に、でもチャラついて中身の無い映画は好きじゃない」

「じゃあとりあえずその着メロ変えろ」

と言いたかったけど疲れそうなので辞めておいた

家に帰りつくとどっと疲れが押し寄せてきた

達矢とはゼミもサークルも一緒更に同じアパート

ヘラヘラしてる俺とクソ真面目な達矢

対照的だけど不思議とウマが合う相手だった

寝る前の一服をすい終わり布団に入ろうとすると携帯にメールが届いた

美咲からだった

「夜遅くにすいませんm(_ _)m日曜日に広沢先輩と映画に行く事になったんですけど広沢先輩ってどんな女の子がタイプなんですかね(・ω・)ノ山之内先輩なら広沢先輩の好み分かるって思って…」

あらま…

この娘さんも堅物の事を好きなら両思いじゃないですか…

「達矢も美咲ちゃんの事気になってるみたい( ̄ω ̄;)だから普段通りでいいんじゃない?」

とだけ返信しておいた

「何でよりによってあの二人が両思いになるんだよ…」

親友に彼女が出来て嫌な気がする

そんな自分が凄く醜くて嫌なヤツに思えて気が付くと僕は泣いていた




そして達矢と美咲はそのデートをきっかけに付き合う事になった

告白はやはり達矢からだったらしい

これ以上の詳しい事は僕も知らないし知りたくもない

でもね今だから言える事だけどその時期僕は毎日みたいに夜になると独りで泣いていたんだ


これが僕の絶望の一年間の始まり


中々酷い話じゃないかな?

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