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あとがき

 このたびは、拙作「カシオペア・レールウェイ」をお読み頂き、まことにありがとうございました。このような、お目汚しの作品まで、目を通していただきましたこと、感謝しても感謝しきれない思いです。


 随分前から、書きたいと思っていた小説です。自分の想いとかメッセージをすべて込めたもので、おおぐま座からいて座へと、季節の星の海を渡るというコンセプションはモチーフと差別化するためではなく、物語の推移としてあらかじめ予定していました。

 本作は、タイトルだけでも、すでにモチーフが宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」であることは、明白だと思います。くれぐれも、「銀河鉄道999」ではありません。

 端々に、銀河鉄道の夜へのオマージュを込めながらも、二次創作としなかったのは、本作のテーマは、「銀河鉄道の夜」となんら関係がないからです。

「銀河鉄道の夜」は、ご存知の通り、ジョバンニがカムパネルラとともに銀河鉄道の旅を越えて、過去の自分と訣別して終わります。しかし、本作はそういう前向きな終わり方はしていません。また、「銀河鉄道の夜」には、宗教的な観念が反映された会話などが登場しますが、わたしは生来信心深くないため、そういったものには疎く、もちろん、高尚さの欠片もありません。また、天体の知識があまり豊富でないことも、お詫びいたしたいと思います。

 それでも、雪宮が「わたし」の口を介して、登場人物の口を介して、読まれた方に伝えたいメッセージは、そもそも高尚さとは関係のない、もっと地べたを這ったものであり、それらをきちんと文章や会話の中に込めました。果たして、それが何であるかは、読まれた方のご想像にお任せしたほうが良いと思っています。

 もしも、どのような形でも、この物語を読んだ方が、メッセージを受け取っていただけたなら、この物語を書き残した甲斐があったと思います。


 本作はこれまで書いた物語と違い、アキラを除く登場人物に名前をつけていません。これは、下手に名前をつけて、物語性を強くするよりも、フィクションでありながら、メッセージを強く押し出すためにあえて選んだ方法です。もし、詰まらないと思われたなら、登場人物に、ご自由に名前を付けてあげてください。

 また、アキラについては、文章的技術の面から、「同い年の男の子」とすると「ブルーの瞳の男の子」と区別がつきにくくなるため、やむを得ず光明の明をとって、その名前にしています。死後の世界というキーワードと、アキラのキャラクター性から、拙作「リフレイン 第五話 鏡の国」のアキラと同じ名前なのは、ただの偶然で、関係は一切ないことを、ここに付記しておきます。

 ちなみに余談ではありますが、「わたし」のキャラクターはわたし自身をモデルとして造形しました。


 ひとまず、ひとつの書きたかった小説を書き上げることが出来て、ほっとしています。まだまだ、技術的には、何の進歩も見られないため、精進が必要ですが、ここを新たな起点に出来たら、素晴らしいことではないか、と思っております。

 最後に今一度、本作をお読み頂き、本当にありがとうございました。また、お気に入り登録していただいた皆様も、本当にありがとうございました。


雪宮鉄馬 2011/1

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