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内気になったギャル

 幼い頃、内気だったのが嫌で高校デビューした。ギャルになってから日常は変わると思ってた。毎日が楽しかった。でも、その日常は音もなく崩れ去った。


 最初は友人たちの軽い冗談のつもりだったらしい。日増しにエスカレートして学校に居場所がなくなった。


 居場所がなくなった私は、生きる気力もなく過ごしていたが、とあるコメディアンを見て日常全てが変わった。まるで劇場の観客席にいる気分で彼らを見ていた。次第に憧れに変わり何かが心のど真ん中で産声をあげた。


______私もステージに立って劇場の、いや、世界の元気のない奴らを笑顔にさせたいと!!


『腕の中の笑顔を見るのは日常にある些細なことなのかも知れないけどさ? 一番大切にしなきゃいけない笑顔なんだ!! なのに、なのに、どうして大切な笑顔を守れないのさ!?』


『夢ってのは原典が必要。原典を支柱に夢は大きくなり広がっていく。原典ってのは希望の種なんだよ? 目標までも届かせていく成長するために必要な力となるの。だから、過去の私を嗤わないで!?』


『今のネタは、ネタ帳にネタを書いて書いてかきまくって、表現力を鍛えたから出来た希望の光なんだ!? 粘りに粘り、粘り続けて育てた光なのに、このバカの笑いをバカにするならお前らが言う笑いを見せてみろよ!?』


『涙を取り戻すために努力を続ける。その情熱がなければ夢と語ったあの日々はなんのためにあったの? そう思うから私はへし折られようがバカにされようが立ち上がる!! 報われたいとかじゃなくて自分が向かう道に嘘は吐きたくないから。諦めたときほど言い訳ばかりする私が嫌いだからこの道を信じてまっすぐに歩いていく!!』


『理想だと言葉を吐いたあの日から、理想という枠組みから一歩飛び出した表現者になると決めたの。私は表現者だけでは収まらない本物になるの!! 必ずね? 見ていなさい? 本物の力を見せてあげる!!』


『正義感なきゃ誰かの笑顔を守る表現者にはなっていない!!』


『忙しいときほど飯はゆっくり楽しんで心を落ち着かせた方がええ。人間は寿命が短いからこそ忙しくても温かい飯に心を踊らせて楽しむ時間を作れ。一品増えるごとに笑顔が増える。よく食べて歯を磨き目を閉じるだけでも少しは心は落ち着くから目だけでも閉じて休めよ? 食事ほど楽しめる時間にしろよ、心配性のジジイの独り言だ。気に食わねえなら気にするな? 兄ちゃん? 明日が来るのを恐れるな、歩みは焦らずにしっかりと刻むんだ? ときは、焦らずとも来るからな、しっかりと力は身に付けた方が効率がよい』


『間違いと被害を量でなく過去の傷を癒し、これからの未来を歩いていけばエエ。誰だってたくさんの傷をつけて生きているんだ。過去のことを恥と想わず、前を向いて歩いていけばええ。この世界で一番見たくないのは、痛むのにひきつった顔で、なんでもないよと無理をした笑顔なんや、ワシはそんな笑顔をみとうない。勘弁や』


『一緒にケーキ食べる人いるんだね? 私はいないよ』


『奪った未来でさえも仕方がないで済ますんだねあんた? 将来有望だな』


『大切な人に愛していると言える距離がどれだけ幸せで特別なことか、あなたに分かる?』


『当然のように、当たり前のように笑って生きてきたお前らには笑顔の価値が分からないだろう? 笑顔の価値が分かってるから漫才師やってんだ私たちは!!』


『命に対して軽視する言動は相手の価値を低く見積もる愚劣な行いだと分かった方がいい。笑顔は明日に命を残すための希望だ。笑顔なくしては明日生き残れない可能性があることを理解した方がいい。だからこそ、誹謗中傷を行うアンチの命は軽く見られる』


『票の数で正義と判断されるなら正しさなど下らぬ妄想にすぎん』


『悔し涙には感情が籠っている。悔し涙は一滴ずつに重みを増すからこそ努力の宝石なんだよ。泣き虫じゃないんだよ。頑張ったからこそ泣いたんだよ。それだけは分かってあげて』


『皆が笑顔を失った雨の日だって漫才師はお客さんを笑顔にしてきたんだから笑顔が好きだと言ってるあんたが夢諦めてどうするのよ!! 皆を笑顔にさせる未来を置き去りにするほど笑顔を大切にしていない訳じゃないでしょ!!』



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