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執事なんかやってられるか!!! 生きたいように生きる転生者のスローライフ?  作者: Gai


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第15話 雰囲気で解る

「バトムス、一本どうだ?」


「良い匂いだね、おっちゃん。んじゃ、一本貰おうかな」


「あいよ!!!」


あれよこれよと、七歳になったバトムス。


元々妙に大人っぽいところもあって、子供ではあるが……一人で街に出ることを許可された。


それまでの間、何度も何度も今まで通りルチアとぶつかって来た。

そして……モンスターへ挑む為に、バトムスとの模擬戦で勝利する。

このやり取りもまた、何度も何度も行われており、既に数十回は戦っていた。


ルールは変っておらず、両足裏以外の部分が地面に付いたら負けという変則ルールもそのまま。

当然ながら……ルチアはまだ一勝も出来ていないため、モンスターと戦う権利を得られていない。


「うん、美味いね、おっちゃん」


「当たり前よ!! 串が喉に刺さんねぇようにしろよ」


「分かってるよ」


そして約二年間の間……バトムスは定期的に懐に入ってくる大金を使い、チーズやバターなどを定期的に手に入れられるように、そういった分野に投資していた。


土地の問題などもあるが、そこは金銭面でバトムス様様と感謝しているアブルシオが何とかしていた。


「さてさて、何か放り出し物はねぇかな~~」


そういった部分に大金を投資しても、手元にはそれなりの金が残る。


バトムスの両親は息子が偶々大金を手に入れたのではなく、頭の中から捻りだしたアイデアで大金を得ていることを解っている。


その為、子供が稼いだ大金を我が物顔で使う様な屑親のような真似をすることはなく、下手に管理するとも言わなかった。

ただ……一言、「後悔しないような使い方をするんだぞ」とだけ伝えた。


(ん~~~…………………まっ、そう簡単に見つからないよな~~)


現在、バトムスは露店で売られている商品の中で、掘り出し物はないかと探していた。


ボードゲームなどはアイデアを出して作ってもらったものの、ゲームや漫画がないこの世界では、掘り出し物探しもバトムスの楽しみの一つである。


(ん??? あの人たち…………もしかして、お忍びの貴族さんと、その護衛さん、か?????)


バトムスの視界には、自分と同じ年齢ぐらいの子供と祖父であるゼペルと同じぐらいの年齢の爺さん……そして綺麗な黒髪を持つ女性が映っていた。


不思議な組み合わせではあるが、パッと見では貴族には見えない。

しかし、近くに貴族がいる環境で育っているバトムスは雰囲気の差で目の前の人物が平民なのか、それとも貴族なのか気付けるようになっていた。


(あっ、やべ。がっつり目が合っちまった)


育ちの良さそうな少年目がガッツリ合ってしまい、慌てて目を逸らしたバトムス。


だが……何故か、その少年はバトムスの方に向かってきた。


「やぁ、初めまして」


「っ!!?? は、初めまして……えっと」


まさか声を掛けられるとは思っておらず、どう対応すれば良いのか分からずテンパってしまう。


「僕はアルって言うんだ」


「そ、そっか。俺はバトムスだ。アルは…………そちらの人たちと、初めてこの街に来たのか?」


「……凄いね。なんで、僕たちが初めて来たって解ったの?」


「えっと…………あれだ、アルがきょろきょろしてたから、かな」


「そっか。バトムス君の言う通り、今日初めてこの街に来たんだけど……良かったらさ、この街を案内してくれないかな」


「っ!!!!!?????」


バトムスは速攻で老紳士と、どう視ても戦えるであろう付き添いの女性に目を向けた。


「バトムス君、もしよろしければ案内してくれないかな」


「わ、分かりました」


保護者であろう、老紳士の許可が出たという訳で……一度大きく深呼吸をし、バトムスは胸を張って三人を案内し始めた。


貴族であるのは間違いない。

貴族でなければ、おそらく豪商である。


そして初めて街に来たとなれば……おそらく、どこかで自分の親の雇い主であるギデオンに会う可能性があるのでは?

そう思うと、寧ろ立派に案内してみせるぞという気持ちが溢れ出した。



「……バトムス君は、もしかして家が商会だったりするのかな」


「いや、違うよ。なんて言えば良いかな…………立派な仕事をしてると思う」


「そっか」


何故か……バトムスは普段通り、素の自分で……しっかりと会話が出来ていた。


(この子、俺とあまり歳……変わらないよな? なのに、こう……お嬢よりしっかり会話が出来る…………もしかして、実家が侯爵家や公爵家だったりする、のか?)


貴族のあれこれに関して、両親が執事とメイドとはいえあまり詳しくない。

そのため、バトムスの中で爵位が高い家であればあるほど、教育のレベルが高いという勝手なイメージが染みついている。


「アル、少しお腹すいたりしてないか?」


「うん、そうだね。ちょっと……いや、そこそこお腹が空いてきたかな」


「よし。それじゃあ、良いところを紹介するよ」


バトムスは先日、アブルシオ辺境伯家に仕える魔術師に連れて行ってもらったカフェにアルたちを案内した。

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