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第十四話 街観光で昼食

すいません!超ひっさしぶりです!

「「「お帰りなさいませ」」」

 

 俺たちは王城から帰って来たところだった。


「皆様、お疲れ様でございました。朝湯と朝食はいかがでしょうか?お望みとあらば甘味などもごよういできますが・・・」


 リテージィは前に進みでる。


「そうですねでは朝湯と朝食をいただきたいですね」


「それはええですねぇ。俺もらってもよろしいですか?」


「ええ!もちろんですよ。菊様はどうしますか?」


「・・・あっ、私のことですか?すみません、少し考え事をしていました。朝湯と朝食をもらうか、でしたね。私は部屋の湯をお借りしますし、思ったより空いていないので大丈夫です。二人はのんびりとくつろいで下さい」

 

 ギベアは心配そうにしたが、ヤンカーと先に進んだ。申し訳ないが一人でゆっくりしたかった。


「リック」


「はい。こちらに」


「すみませんがエレットベリーのケーキはありますか?」


「はい、ございます。ご用意いたしましょうか?」


「お願いします」


 エリットベリーのケーキは妹の好物だからな。


 俺はただ寡黙に部屋に帰った。


 そこで俺は結界を張って声が漏れないようにしながら大声で怒りをぶつけた。


「何で!!何で!!何で!!!・・・どうして親父がそんな風に言われなければならない!!!」


 あれだけ優しい人を、俺は知らない。


「全部奪ったあいつらに、絶対報いを受けさせてやる!国民も貴族も、王も!・・・神さえも」


 その時ノックがなりリックが「上雲玲様、エリットベリーのケーキをお持ちいたしました」という声が聞こえた。


 俺は結界を解いた。


「ああ、ありがとうございます。今扉を開けるので、待っていて下さい」


 俺は急いで扉を開けた。


「失礼いたします。こちらがお頼まれいたしましたエリットベリーのケーキを私共のシェフが作らせていただきました。中に置かせていただいてもよろしいでしょうか?」


「ええ、お願いします」


 リックを礼をして机にケーキと紅茶もよういしてくれた。


「それでは失礼いたしました」


「ありがとうございます。あと、昼食も結構です。夕食の時にまた声をかけてもらえないでしょうか?」


「かしこまりました。シェフにそうお伝えいたしますので、ごゆっくりどうぞ」


扉が閉まる音が聞こえると、俺は紅茶を飲んだ。とてもスッとする優しい紅茶だったが、俺には初めての味だった。


「美味しい。これならエヴァも好きになるなぁ・・・。一緒に、飲みたいな」


 俺は分かっていた、この世に生まれ落ちた瞬間に俺の身に落ちたもう一人の魂から。これから起こってゆくであろう未来が、エヴァと笑えることではないことを、それでもエヴァだけは幸せになるであろうことを。


「ごめんな、お兄ちゃんが上手くできないからエヴァがあんな目にあったんだ・・・、ごめん」


 俺は俯きながらケーキに手を伸ばした。


◇◇◇


「はぁ」


 俺とキークは扉に耳を傾けた。


「キーク、俺の部屋へ」


「はっ」


 カイは辛く苦しい道を生きている。そしてこれからもそれは変わらないのだろうか。


「キークは、カイをどう思う」


「そう、ですね。あの方はの人生は、とてもじゃないですが甘ったるいものではなく、血と涙で埋めつくされるような気がします。ギベア様が初めてあの方の素性をお話しになった時、私はカイ様が不憫でならなかった。・・・ギベア様、ギベア様には七欠片の方々が、ご兄弟がおられます。しかしカイ様にはもう何もないのですよ」


「・・・御前失礼いたします」


 キークは、それだけ言って部屋に戻った。


「カイには、何もないのか・・・。ならばその開いた心の穴は、何で埋めるのか」


 憎しみか?それとも怒りか?


「カイ、頼むから俺のところまで落ちぶれてくれるな」


 俺は昼食の呼びかけまで眠ることにした。


◇◇◇

 

 俺は地味に体に『地力』を流し続ける練習をしていた。ギベアも気づかないくらごくわずかに。そうすることで自分の体を細部まで認識することができる。これは、リコールヴィアにいた時に交流会(クラブ)を1つ選んで学ぶときに「魔力身道」という護身術を学んでいたときに教えてもっらたことだ。


「まさかホルデライデに来て、こんな訓練をすることになるなんてな」


 もう昼の鐘は鳴ったからギベアたちは昼食か。


「ちょっとホルデライデを見に行こうかな?」


 俺は身代わりの人形をいちよう置いて精神を除かれない結界を張った。こうすれば戻って来たタイミングでその事については思っても読めないようになる。


「よし!準備万端、お金もこの宿で両替したし。じゃっ行って来ます」


 俺は窓を開けてローブを被って外に降りた。


「裏道に降りたから誰も見てないっしょ」


 俺はフードを取り大通りへでた。


「わぁ!」


 思わず感嘆してしまうほど美しくにぎやかな街並みは、俺にとってとてもきれいな宝石に見えた。


「よってらっしゃい!!」「そこのお嬢さん、このベネット産の衣はどうだい?」「見てけ!見てけ!いいもん()たくさんあるよー!」


 すごくいい国だ。人がたくさんいるが治安も良く、貿易で輸入した様々な物が舞い込む国!


「取りあえず、今日は腹が減ったし屋台で何か食べるか!」


 俺は屋台を見て回った。


「おい!そこの兄ちゃん!わしんとこのさざめ串食ってかないかい?」


「さざめ串?」


「ああ!家畜用魔獣「さざめ」の肉を使った串さ!柔らかくていい甘みもあるうめぇ串だ!」


 家畜用魔獣は聞いたことがあるがリディニア王国ではそういうのはなかったしなぁ。


「よし!親父さん串2ついただくよ!」


「そうこなくちゃな!!ほいよ!今回は初顔のお客だ!一本まけてやるよ!」


「ありがとう」


 さざめ串は見た目はただの豚串だけど・・・。モグッ・・・


「う、うめぇ!」


「そうだろうよ!わしが早朝から輸入品市場にいって競り落としたかいがあるぜ!」


「お、親父!これまた食べに来るよ!今度は別の魔獣の肉も食わせてくれよ!」


「おう!また来いよぉ!」


 俺はしばらく街を観察した。


「もうすぐ夕飯前だな、帰るか」


 俺はフードを被って降りてきた裏道から飛んで部屋に戻った。


「ローブを消さないとな」


 元から『地力』で作ったローブだ。消すのは簡単だった。


 するとノックが聞こえると同時に7の鐘が鳴った。夕飯だ。


「失礼いたします。菊様、ご夕食のお時間になりましたので、お呼び申し上げさせていただきました」


 ノックの主はリックだった。


「わかりました。少し待ってもらえますか?」


「かしこまりました」


 服を着替えてラフな服に。


「お待たせしてすみません。準備が整いましたので、案内をお願いします」


「滅相もないことでございます。ではご案内させていただきます」


 そう言ってリックは案内してくれた。その道すがらリックは先に飲み物を聞いてくれた。


「んー。今日のおすすめのお酒は何かありますか?」


「そうですね。それではホルデライデ産の果物を使ったワイン三種を飲み比べるのはいかがでしょうか?」


 地酒の飲み比べ!最高だな!


「それでお願いします!」


「かしこまりました」


 しばらくして大きな広間についた。


「この先を真っ直ぐお進みいただければ係の者がおりますので、菊池様の卓へと仰って下さい。私は先にお飲み物を伝えて参りますので」


 言われた通り俺は進み、係に言われた事をまるまんま喋れば、ギベアの方に連れていってくれた。


「おお!菊様、待っとりましたで!」


 二人は先に飲んでいた。


「すみません。遅くなりました」


「いいえ構いません。そうそう!菊様、明日は今日言ってた王立学園を見学されてはどうでしょうか?」


「・・・分かりました。行きましょうか」


 少し悩んだものの俺は返事をした。


「では!兎にも角にも!・・・乾杯!!」


 俺はただただ明日が恐ろしいものにならないよう祈るのみだった。

ご拝読ありがとうございます。

今回はカイのホルぶらでしたね~!私も食べたいなぁ、さざめ串・・・(ゴクリ・・・)

カイも思うところがたくさんあるように、ギベアにもたくさん思うところがあるでしょう。

どうぞ皆様!二人を見守ってあげて下さいませ!

次回は少しスカッとする話もいれようかなぁ?

では!

最後にもう一度、読んで下さりありがとうございます!!

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