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第一話 救われた孤児

 今から260年前ー

 

 今は亡き王国リディニア王国は、大天使ミカエルを信仰する事で《天力》わかりやすく言えば「ミカエルの魔力」を生まれながらに体に宿すことができた。しかし、その《天力》は数多の国に狙われ、戦争が起こっていたが、8年の歳月をかけ、戦争が終結した。だが、国政は不安定ゆえに盗みや殺しが多発してしまい、人々は恐怖と隣り合わせで生活していた。


 そんな時、スラム街で小規模のマフィア同士が抗争を起こしていた。そして、王国の命令により、国の治安を維持する五大マフィアが一つ『ガルシア家』のボスにして当主「イデワルド・ガルシア」が訪れていた。


「まったく、この時によくもまぁやってくれるな〜」


 イデワルドは、めんどくさそうに頭を掻いた。


 こんな時に限ってなんなんだよ。俺の面倒ごとばかり積もりまくる!ボスって、何かと面倒ごとが降って来まくって大変だし、他のボス共は、何かと癖が強ぇ奴らだから協力しろと言っても断るだろうし。あああー、疲れる。


 ぼーっとしていたら、部下の一人が報告に来た。


「ボス、抗争はあらかたおさまりました。しかし、スラム街のやつらが集まって来てしまっています。」


 まっ、そうなるわな。 


「はぁー、今行く、、いやっ、その前に少し出かける。幹部の、、、そうだな、ガイルに統括を頼んでおけ。俺は、少し見て回る」

 

 そう言ってどこかに行った。


 最近のここら辺の環境、治安を見ときたいし。嘘だけど。(いっつも統括してばっかで疲れたからな)


 少し歩けば、スラムの廃れた環境が嫌でも見える。まったくな事だな、早く国政を動かさねえとな。


 イデワルドが、少し歩いていると、ある兄妹に目が止まった。その兄妹の兄は、髪が黄緑でボリュームのある髪を乱雑に留めていた。


 中でもイデワルドが驚いたのは、妹だった。フードを被っていたが、純白の髪に宝石みたいな瞳を持った子だった。そして、稀に見る莫大な《天力》の持ち主だった。

 

 俺は、思わず話しかけてた。


「やぁ、君達。君らは孤児かい?名前は?」


 兄が顔をゆっくりと上げた。そして、凛とした声で言った。


「そうだ。ところで、あんたは誰だ?まず、お前から名乗れよ」


 俺は、思わず笑ってしまった。珍しいな、俺をしらねえとは、しっかし、こいつ威勢がいいな。そして、こいつの首に剣による致命傷に近かったであろう傷痕がある。多分、体中そんなかかんじなんだろうな。まっ、とりあえず。


「それもそうだな、では俺から。初めまして、俺は五大マフィアが一つ『ガルシア家』のボス、イデワルド・ガルシアだ。以後お見知り置きを。威勢がいいガキよ。」


 兄は、イデワルドの紹介を聞いた途端に驚いた表情はしたが、すぐに戻った。

 

「ああ、そうか。あんたがガルシア家のボスか、、、で、そんなお貴族様の影であるボスのあんたが俺たちに何のようだ」


「いや、お前とそこの嬢ちゃんが気になってよ。まぁ、結果的でいやぁ見込みのあるやつを見つけたしな。お前、嬢ちゃんのその容姿だ。狙われそうになったのも一度や二度じゃないはずだ」


 兄の顔が少し歪んだのをイデワルドは、見逃さなかった。


「お前、俺と取引しねえか?」

「・・・?どう言う事だ?まさか!?エヴァを連れて行く気か!!」

「カ、カイお兄ちゃん・・・」


 なるほど、このガキの名前はカイ、妹の名前はエヴァか。連れて行く気、か、まぁそう思われても仕方ないんだろう。こいつ、見えにくいが体中に、無数の剣による切り傷、殴られたであろう青あざ、首を絞められた痕。致命傷になりそうなほどの傷もある。ずっと守り続けて来たんだろうな。・・・しかし、だとしたら今まで何故死ななかった?


「ああ連れて行く」

 

 俺が言った途端、カイとエヴァはビクッと肩を振るわせた。


「っ!渡さねえ!!ぜってぇエヴァは連れて行かせない!」


 そう言って、殴りかかって来るカイを手ではたいて気絶させた。はずだった。


「こいつ!格闘技出来るのかっ」

 

 カイは、イデワルドの手を避け内側に詰めようとした、しかしイデワルドは隙をつき何とか動きを封じた。


「カイ!人の話は最後まで聞け!・・・はぁ〜、いいか。俺が連れて行くのはお前らだ。エヴァ、カイ、お前ら俺の養子になれ」


 二人は、言われたことが理解出来ずポカーンとなっていた。


「・・・は?どういう事だ!」


 俺はカイを離し、ゆっくりと説明した。


「いいか。カイ、お前もうエヴァを一人で守り続けるのに限界が来てるのわかってるんじゃねえのか?」


 カイは、拳をぎゅと握り俯いた。エヴァが悲しそうな顔をしているのを見る限り、二人とも限界を感じてるのは明らかだった。 


「そこでだ。お前らが俺の養子になれば、エヴァ、お前に手を出す奴らから守ってやれる。それに、学校に行けるぞ『ガルシア家』は、マフィアだがこれでも高位の貴族だ。お前らは、やんごとなき血筋の人間としてリコールブィア王立学校に通える」


「ほっ本当か、あの名門リコールブィアに通えるのか!それならエヴァにも友達が出来るし学べるし、生きて行く術が分かる」


「カイお兄ちゃん、エヴァにもお友達できるの?」


「ああ!できるよ、・・・今まで大変な思いさせてごめんなエヴァ」


 二人が初めて笑顔を見せた瞬間だった。俺はこの時、心の底から「助けるが遅くなってごめんな」と罪悪感と喜びに溢れていた。


「よしっ、んじゃ取引成立だ。よろしくな、エヴァ、カイ。おっと、それから名前はこれからこう名乗れ。親子の証として、守られる証として、な」

◇◇◇

 舞踏会のシャンデリアが美しい光を放ち、眩しくドレスやスーツに身を包む彼、彼女らを照らしている。この舞踏会は、『ガルシア家』の子供達のお披露目である。


 その一角で大臣達が話をしているところに兄妹が歩み寄った。


「ご機嫌よう、イガルフォン大臣。この度は、私達兄妹のお披露目にお越しいただきありがとうございます。私、カイ・ガルシア、妹のエヴァ・ガルシアともども皆様を歓迎いたします」


 カイとエヴァは、女神のように微笑んだ。

読んでいただきありがとうございます!

初めて書いたので、「えっ」という部分だらけだったかと思います。

でも、少しだけでも面白かったと思っていただけたなら幸いです。どうぞ、これからも温かい目で見ていただきたいです、よろしくお願いします♪

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