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悪魔の園  作者: 霧雨剣義
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実験体たち

皆さんこんにちは。

霧雨剣義です。

今回は、やっと悪魔が登場します。

個性豊かな悪魔たち、今後ともよろしくお願い致します。

それでは本編どうぞ

扉の先には、先程の白い部屋と同じような間取りの、同じように白い部屋があり、そこに2人の男性と、1人の女性がいた。


1人の男性は銀にところどころ青いメッシュの入った長い髪を三つ編みにして前に流して、もう1人は方くらいの長さの深緑色の髪をしていて、口元に傷がある。



女性は、ハイネックのようなもので口を隠し、和装にを身を包んでいる。



そして、3人の共通項としては、どことなく、人間らしくない、というところ。



「さて、困惑しているだろうから、私から説明をさせていただくよ。」



デルタが、恭しく礼をした。



その後ろで、三つ編みの男性が、軽く溜息をつき、低く、だがよく通る声で「そうしてやれ」と呟いた。




デルタは、左手を、ジャック、カイ、新の3人に差し出した。




「君たちは、とある実験の実験体に選ばれた。」





「悪魔と人間との、関わりの実験。」





その、世界共通の不穏な響きを持った言葉に、3人は困惑と恐怖を顕にした。



「悪魔、だと?」

カイが、2人を庇うように前に立ち、デルタと正体不明の3人を睨む。

「まあ、確かに人ではなさそうだけど」




異様な雰囲気。

目の前に、猟奇的な殺人鬼がいるような。

そんな緊張感。



「ン、」

ふと、三つ編みの男性が天井を見上げた。

三つ編みの男性は、3人を見た。否、3人を見たのでは無い。

3人の前に立ち、ひたすら愉快そうに微笑を浮かべている、この使い猫を見ている。

「……デルタ」




否、男は、その遥か遠くを見据えていた。



虚空だ。




「おや、」




デルタも、何かに気がついた様子を見せた。





三つ編みの男性は、デルタに何か話していたが、デルタは微笑をたたえたまま、動こうとはしなかった。




未だ状況を掴めていない3人は、何が起きているのか確認するため1歩前に出た。




最初に異変に気づいたのは、新だった。




「……ん?音……?」




何か鋭いものが、空を切る音がする。それもかなりの数。




「なっ……!?」




音の方向を追って3人が目にしたものは、「矢」だった。

光り輝く神秘的な矢だ。それが、かなりの数、どこからともなく上空から、確実に3人の方へ降り注ごうとしていた。



咄嗟に、カイが2人を庇って前に立つ。




3人とも、死を覚悟した。




だが、次に3人が感じたのは、痛みではなく、何かが矢を叩き落とす、軽い音だった。




恐る恐る目を開けると、先程まで遠くにたっていた男女が、3人を庇って前に立っていた。

光の矢が、その3人の前に落ちている。


まさか、矢を叩き落としたと言うのか。


女性が、唸るように言った。

「アポロンとアルテミスか。相変わらず勤勉な事だ。」


3人に届くことなく叩き落とされた矢を、拾い、女性は、呆れたように首を振った。

男性二人も、同意するように頷いた。

アポロンとアルテミス、というとギリシャ神話における弓の名手の神2柱のことだろう。


「……え、」

「なになに!?なにこれ!?何事!?」

「怖い……」


3人はそれぞれに混乱を見せたが、デルタが何とか落ち着けてくれた。


デルタは、三つ編みの男性が、メフィストフェレス、傷の男性がベルゼブブ、女性がリヴァィアサンだと紹介してくれた。世界の神話、あらゆる昔話や戯曲に登場する悪魔だ。


「新さんはメフィストさんと、カイさんはベルゼブブさんと、ジャックくんはリヴァィアサンと









一緒に暮らしてもらう」









「は?」

「え?」

「え……?」

デルタは、一歩後ろに下がった。


メフィストフェレスが1歩前に出て、



指を鳴らした。




大きな、破裂音とも取れる軽快な音が響いた。





これが、彼ら人間──────……【実験体たち】の、悪魔との共同生活の始まりだった。

如何だったでしょうか。

メフィストフェレス(以下メフィスト)、ベルゼブブ(以下ベルゼ)、リヴァィアサン(以下ヴァイア)の初登場回。

悪魔の中では紅一点のヴァイア、それと魔王の忠実な下僕とされるベルゼ、ゲーテの戯曲に登場するメフィスト。

彼らは今後、どのように動いてくれるのか、!楽しみです。


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