悪魔の園
こんにちは。初めまして、霧雨剣義と申します。
基本的にX、プリ小説で活動していたのですが、こちらでも活動するよう勧められましたので、少し試しに、自分の代表作を綴ってみようと思います。
お気軽にサメさん、など呼んでいただけると嬉しいです。
基本的にいじめ、人間関係などを題材とした作品となります。予めご了承ください。
プリ小説にも、一応投稿している作品ではありますが、一部修正の上投稿しております。プリ小説に投稿したものと改変してあります。
アメリカ・ロサンゼルス郊外。
とある少年が、昼間にも関わらず、自室で街並みを眺めていた。
仕事と、学校の空気感。
澄んでいて、しかし、緊張感のある空気。
それを大きく吸い込んで、少年───「ジャック・キャンベル」は、大きく吐き出した。
ジャックがなぜ学校に行っていないのか。
一言で言うのならばいじめだ。
理由はどうであれ、いじめられ、ジャックは学校に通えなくなった。
ジャック自身も、いじめられ始めた理由を忘れてしまった。
ふと手に取った旧約聖書を、ペラペラとめくっただけの今日の朝。
「……エデンの園、」
嘗て、原初の人類であるアダムとイヴが追放された秘密の楽園。
「どうなったんだろう」
エデンの園について、ふたりが追放されたあとの描写は無い。
「知りたいか?少年」
低く冷たい声が、謳うように言った。
頬杖をついていた窓の縁に、珍しい毛並みの猫が座っていた。
間違いなく、猫の方から声がした。
疲弊しきった心が少し動いた気がした。
ジャックは、若干体を後ろに仰け反らせ、驚いた表情を見せた。
猫は、ゆっくりと前足をジャックに差し出し、また男の声で行った。
「君は招待されたんだ。
歓迎するよ。ようこそ、"悪魔の園"へ。」
空虚で、つまらない、暇でしかないジャックの人生が、波風の立たぬ凪の海だった水面に、一粒の雫が落ちた。
これが、この物語の始まりである。
ご覧いただきありがとうございます。
本作主人公・ジャック・キャンベルと、キーパーソン(キーキャット?)である謎の猫との出会いと、この物語の始まりをご覧頂きました。
これから、ジャックがどういうことに巻き込まれていくのか。
ぜひ楽しみにお待ちください。