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第六話 選択
「ご主人様はこの子を普通の人間として育てたいのですよね?」
ルリが心配そうに言った。
ボクは少し悩んだ末に口を開いた。そして、自分の正直な気持ちを伝えることにした。
「シュンは本当に可愛いよ?でもそれだけじゃないんだよ。ボクの心の中に『神』になることを恐れているもう一人の自分がいるような気がするんだ。」
ルリはボクの言葉を聞いてハッとした表情を浮かべた後、ゆっくりと語り始めた。
それはまるで自分に言い聞かせているようだった。(彼女の中で何か葛藤があったのかもしれないな。)
「私も同じ感覚なんだけどじゃあシュンを森で見殺しにするつもり!!?」
「誰もそんなこと一言も言ってないでしょ!?」
「まあまあ二人とも落ち着いて。」
この後3人で冷静になって、話をしよう。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
こうして、いろいろ話し合った結果、シュンは正式にボクの子供となった。
だけど、この選択が正しいのかは誰にも分からない。それでも僕たちは前に進むしかないんだ。そう決意して、新たな一歩を踏み出すことにしたのだった。