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第九話 グラハム・ベルは此処にはいない

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 クエストを完了しました。


 (1)クエスト:ワイルドボア討伐

 結果:達成

 納品量:2頭

 AHT:120分

 本クエストの目標AHT:300分

 減点要素:無し

 

 目標AHTを上回ったため、経験値とSPにボーナスが加算されます。

 レベル:13→14

 SP:130→160


 (2)クエスト:薬草採取

 結果:達成

 納品量:規定量の2倍

 AHT:120分

 本クエストの目標AHT:180分

 減点要素:無し


 目標AHTを上回ったため、経験値とSPにボーナスが加算されます。

 レベル:14→15

 SP:160→175

 ----------------------


 クエスト報酬を受け取ったとき、ステータスを自分で見るときと同じように、システムメッセージのようなものが脳内に浮かんだ。

 ジョブ【コールセンター・オペレーター】の効果として、コールセンターに関わる行動とあったときにいくつかパターンを予想していた。

 実際にコールセンターで電話を取らないと発動しないパターン。何かしらで電話をすれば発動するパターン。接客業などで問い合わせやクレーム対応をすると発動するパターン。そしていわゆる『コールセンターの指標』に基づいて発動するパターン。想定していたなかで最良のパターンを引くことが出来たと言える。

 メタ的な読みになるが電話の開発からしなければいけないというのは割に合わない。そのため最良を引ける可能性はそこそこあった。

 

 コールセンターは電話対応を誠実にすれば良い、というイメージを持っている人が多いかもしれない。

 しかし現実はそうではない。

 お客様対応をミスなく誠実に行うことは標準。一定の満足率やミス率の数値目標はあるが、そこを重視するときとそこまで重きを置かないときに分かれる。しかし生産性に関しては別だ。どんなコールセンターでも厳しく数値目標を設定される。

 働いている人間、特に管理者としては生産性の追求がコールセンターでの一番のタスクであり、難しさだ。だからこそ俺の今までの行動から発生したジョブ【コールセンター】では生産性に意味がある可能性を考え、今日のクエストを行った。

 考え込んでいる俺に父が声を掛ける。


「どうした、ヨナタン。初報酬だが何かあったか?」


「うん、ちょっとね。あとで話すよ」


「あら、私には教えてくれないんですかー?」


「うん、モモさん。もっと仲良くなったらね」


「あら、ヨナタンくんはプレイボーイですね。

 なにはともあれ、初クエストお疲れ様でした。規定によりG級からのスタートとなりますが、受付に相談していただければそれより上のクエストも受注可能です。上位クエストをいくつか成功すればサクッとランクアップすると思いますので、これからもがんばってくださいね」


「ありがとう。これからよろしくお願いします」


 モモさんに挨拶してギルドを出る。人気の無いところへ移動する。


「さて、ジョブに関して何か進展があったな?話せるか?」


 ここに来ても無理に聞き出そうとしない。父さんは優しいなぁ。

 

「うん。クエスト報酬を受け取ったときにジョブの効果が発動したよ。

 簡単に言うと、一般的な冒険者より効率的にクエストを達成すると、経験値とBPの報酬がもらえるみたい」


「なんだと。レベルとSPはどうなった?」


「初めての魔物討伐だからワイルドボア討伐時点で上がっていたけど、ジョブ効果で更にレベルが上がったよ。SPに限ってはレベルアップの10以外で合計25増えた」


「ワイルドボアを一体多く、薬草2倍で25か。……破格、だな」


 そう、破格である。レベルアップペースが通常の人より早くなるジョブはたまにある。料理人がより美味しい料理を作ると経験値アップとか、それこそ勇者は取得経験値2倍らしい。しかしSPにボーナスというのは聞いたことが無い。おそらく相当珍しい。

 経験値に関しては、高レベルになるほどレベルは上がりにくくなるため努力でなんとかなると言える。しかし各ステータスに好きに振れるSPボーナスはかなり大きい。レベルの割にやたらステータスが強い、という状況が早々に訪れるだろう。


「偉い人に目をつけられるかな?」


 うーむ……と瞑目して考える父。


「適職の儀の結果は領主と国に報告が行っている。聖女や勇者、聖騎士や賢者ではないが聞いたことのないジョブが出たときは聞き取り調査が来る可能性は高い。しかし、誰も聞いたことのないジョブだ。『コールセンターに関わる行動』というのがよく分からない、と申告すれば、分かったら教えてくれと引き下がる可能性はある」


「それならなんとかなるかな。実際父さんや母さんだけでなくギルドの受付嬢も知らないみたいだったから、偉い人も知らないだろうし」


「そうだな……しかし」


「しかし?」


「何故誰も知らないジョブの効果にお前は検討がついている?今日一日、ワイルドボアを2頭狩って同時に薬草採取も2倍行ったということは、効率的に行えばジョブ効果が発動するかもしれないと考えていたんだろう?」


 あー、流石に怪しかったか。結果的に最適な行動を取りすぎてしまった。

 どうしよう、前世のことは言っていない。あえて言う必要は無いと思ったからだ。初代国王と同じように前世の記憶がある、なんて言ったら面倒事になるかもしれない。だから誤魔化すのであれば、たまたま本で読んだ覚えがある、で誤魔化せると思う。優しい父だ、誤魔化されてくれると思う。

 でも。孤独の身で死んだ前世、温かい家族の元へ生まれた今生。果たして秘密を抱えたまま、誤魔化したまま生きるのが家族を大切にするということなのだろうか。面倒事になる可能性があっても、秘密を共有して一緒に考える方がいいのだろうか。どちらが正解か分からない。どちらを選んでも正解、不正解だと言う人もいると思う。でももし俺が父さんの立場だったら……話してほしいな。じゃないと寂しい。よし、決めた。


「そうだね、それについては大事な話だから、帰ってから家族みんなに話すよ。聞いてくれる?」

18時更新としておりましたが、次回より20時更新となります。

18時は具合が悪い日が多いです

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