第五話 長々と幼少期をやる案もあったけど飛ばしました
時が経ち、12歳になった。
身長はおそらく平均くらいには伸び、訓練は順調だ。
この9年間いろんなことがあった。タイミングを見てエピソードも話していこうと思うが、修行編が長いのも退屈だろう。
まずはステータスだな。
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名前:ヨナタン
年齢:12
レベル:12
ジョブ:無し
HP:50
MP:489
力:42
魔:98
速:65
耐:56
知:321
技:89
SP:120
スキル 火魔法(3)、水魔法(4)、風魔法(4)、土魔法(2)、治癒魔法(2)、空間魔法(3)、鑑定(2)、剣術(4)、氷魔法(1)、雷魔法(2)、身体強化(2)
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SPはジョブによっても使い道が変わるだろうから取っておいている。どうやらジョブ補正がない12歳までは、まんべんなく育つようになっている気がしている。父と剣術、母と魔法の訓練を等倍で行ってきたが、それ以外にラノベでよくある『幼少期に寝る前MP使い切るとMP増える説』が有効だったため魔法関連の伸びが増えている。MPが500近いのはかなり多いと思う。
魔法に関してもまんべんなく育つ特性を活かして一通り習得した。スキルにある()の中の数字がスキルレベルだ。魔法と身体強化は最大レベルが10、それ以外は5が最大らしい。
レベルの上昇は緩やかだ。これは両親との約束を守ってモンスター退治をしていないからである。戦闘に関する行動は影響が大きいらしく、剣術や魔法の訓練中にレベルがいくつか上がった。しかし色んな行動で上がるというのは本当だったようで、お手伝いをしている最中に上がったこともあるし、妹のオムツを替えたときに上がったこともある。
なお何故か「オムツを替えるという行為は経験値量が大きいのでは?」と仮説を立てた幼き俺は、妹のオムツを嬉々として率先的に替えるお兄ちゃんというちょっと危ない存在になった。それ以降オムツの取り替えでレベルが上がることはなかった。
「にーちゃん、またステータス見てるのー?」
その妹のビティアが声をかける。
ビティアはなんというか……ずいぶんとそう、お転婆な娘に育った。3歳くらいまではおとなしかったのだが、俺が父と訓練しているのを見て「わたしもやる!!」と言い始めたあたりからお転婆の兆候はあった。
綺麗な茶髪はボブくらいにカットし、父譲りのはっきりした目鼻立ちは美人と言っても良いのだが、いかんせん行動がやんちゃだ。
近所の子どもたちを遊んで泥だらけで帰ってくるのは当たり前、取っ組み合いの喧嘩をして泣きながら帰って来ることも幾度かあった。
途中までは父も「どうしてこうなった……」と頭を抱えていたが、最近はもう「これはこれでかわいいし、構ってくれるからヨシ!」と思っているようである。まあ確かに、どんなにやんちゃでも妹というのはかわいいものである。
「ジョブ無しのステータスも今日で見納めだと思ってな」
「おかーさんが呼んでたよ、出発だってー」
「おう、いま行く」
今日は待ちに待ったジョブ付与の日、通称『適職の儀』の日である。
このジョブによって今後のステータス伸び率が変わる。どんな職業になっても、冒険者を目指すことは確定しているが、せっかくだから良いジョブを引き当てたい。
12歳までに行った行動によってジョブが左右される、という通説の基づいて、まんべんなく技能を伸ばしてきた。特定のジョブ一点狙いの場合は、そのことばかりやれば良かったのかもしれない。しかし聖女や勇者、賢者といったレアジョブも存在する以上、火魔法使い一点狙いというのは夢がない。
もちろん、前世の知識を活かして料理のお手伝いをしていたから料理人になるとか、妹に勉強を教えていたから教師になるとか、親について行った買い物で舌足らずなまま食料品を値切ったから商人のジョブになる可能性だってある。
それでも良いのだ。あくまでジョブとは適職。必ずその職業に就職する必要はないし、そのジョブ特有のスキルやステータス伸長が案外戦闘に向いているかもしれない。
どんなジョブになろうとも、冒険者になる。その決意を、俺はこの数年間で改めて固めていた。
家族で徒歩で移動し、教会へ。
この町は王国の中では中くらいの大きさらしい。人口6万人くらい、建物は石造りで2~3階建ての建物が多い。道路も整備されており、下水道もある。転生直後は衛生面が心配だったが、そこまで悪くはない。なんでも勇者のジョブを持ち魔王を倒してこの国を興した初代国王は、異世界からの転生者だったらしい。国王となってからはインフラの整備と技術の発展に力を注ぎ数百年続く国の基盤を整えた。機械や技術についての専門知識はなかったが、おそらく地球だと考えられる異世界のアイデアをたくさん残していった。存命中に全ては実現出来なかったが、この世界特有の魔法も利用して未だに初代国王の残したアイデアノートから開発を続けているそうだ。自宅に冷蔵庫があったのもこの影響だな。もしもしもこの人から来ているのかもしれない。やっぱり電話はまだなかったし。
そんなことを考えながら教会のドアをくぐる。12歳になった子どもは最寄りの教会で、ひと月に一回行われている適職の儀に無料で参加出来る。この仕組みを整えたのも初代国王だ。すごいな初代国王。
今日集まった子どもは10人ほど。顔なじみの子どももいる。前の子どもから儀式を受けていく。水晶に手をかざすと水晶が光り、ジョブを授かる。プライバシーの問題か、立会いの司祭と本人以外にはジョブは分からないようになっている。
前の子が呼ばれ手をかざし、緊張の面持ちで手をかざす。水晶が緑に光る。なんとなく属性ごとの色で光るようになっているらしい。火や料理人なら赤、木こりや風なら緑といった感じだ。だがジョブの多くはそう単純に色分け出来ないため、系統無しの無色になることがほとんどだ。あ、呼ばれた。
優しげな微笑みを携えた40歳くらいの男性司祭に呼ばれ水晶へ。
さあ、緊張の瞬間だ。合図に沿って手をかざす。
手から全身があたたかくなる感じがする。水晶が黒く光る。黒?
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ジョブを獲得しました。あなたのジョブは【コールセンター:オペレーター】です。
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はい?
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