27話 日常は忙しい
ライブが終わり楽屋に帰って来たピリオドはアルファと抱き合う
「アルファ終わったよー」
「よしよしよくがんばった」
そこにコンマを持ったマネ子も入って来る
「皆さんお疲れ様でした、とても素晴らしかったですよ」
「先輩のデビューをバッチリ撮影しときましたからね」
「そうだコンマ、拙者とマスターとバンマスが居たのお礼を言いたいんだけど連絡つく?」
「変態さん経由になりますが連絡できると思いますよ」
「じゃお願い。アルファここに呼んでもいい?」
「ピリオドの知り合いならいいよ。拙者さんは顔見知りだしね」
コンマにお願いして拙者とマスターとバンマスに連絡を取ってもらう
話を聞いていたマネ子ちゃんが気を効かせてくれて関係者パスコードを取ってくれてここまで案内する為に迎えに行ってくれた
拙者達が来るのを待ちながらアルファの褒め殺しを受けているとドアがノックされてマスターとバンマスを連れたマネ子が戻って来る
3人を迎え入れるがそこには拙者の姿がなかった
「あれ拙者は?」
マネ子ちゃんが迎えに行った時には一緒に居たらしいがピリオドのファンクラブの会長の為2次会に行ったとの事だった、拙者からの伝言も預かったらしく
「拙者は同志とピリたんの今日の活躍称え新しい同志の歓迎会と布教活動の為に語り合ってくるでござる」
ということで拙者はこなかったらしい。喜んで来るかと思っていたピリオドは少し意外だった、この場に居ない拙者には後日お礼を言う事にして、来てくれたマスターとバンマスにお礼を言う
「二人とも来てくれてありがとう」
「ついでだ」
ぶっきら棒に言ういつも通りのマスターとは対照的にバンマスは今日も明るく答えてくれる
「ピリちゃん姫ちゃん久しぶりだねー。今日のライブよかったよ、それとピリちゃんなんか雰囲気変わったね今のピリちゃんもいい感じよ」
「アルファと関わってからかも、それと前は歌の途中で逃げてごめんなさい」
「このライブ見せられたらあんなはした金でやってくれってほうが無理な注文だったよね」
「今度はちゃんと最後までバンマスの所で歌うよ」
「これはラッキーな提案だな」
「そういえば二人はどこからライブの事聞いたの?」
「拙者から聞いた。娘に会いに第6まで来くる予定があったからな、こっちはついでだ」
「娘さんも一緒に来ればよかったのに」
「親父と一緒にライブなんて嫌なんだろう」
「そっか残念、それとライブは楽しかった?」
「あぁ」
そう言ってマスターはピリオドの頭をグシャグシャと撫でてくれた、初めてそんな事をされたピリオドは驚いて一瞬固まるが嫌な気はしなかった
「すまん、娘に会って来たか後だからついな」
「ううんいいよ、嫌じゃないし」
「歌に行きたかったら早めに言えよ」
「ううん、ちゃんと帰るよ」
「そうか、それじゃ仕事を山のように用意しといてやる」
「久しぶりなんでお手柔らかに…」
それから少ししてからマスターとバンマスはそれぞれ第6と地上に戻る為の搭乗時間があるらしく帰っていった
その後着替えたピリオドはブースに立っていた。今回のライブは20周年記念で1日だけなのでピリオドは自分の立ったステージが解体されていくのを眺めていたそこにアルファがやってくる
「今日はどうだった?」
「ドキドキしたし楽しかったアルファの言葉にも勇気づけられたよ。楽しみなさい、今日のステージはあなたの物よって」
「あれはね最初のマネージャーが私が舞台に立つ度に言ってた言葉なの、妙に残ってるんだよね100年以上前なのに、だから今回は真似してみたの」
「そういいマネージャーさんだったんだね」
「そうだね、でもマネ子には内緒にしといてねマネ子にとっては気分のいい事ではないと思うから」
「了解、でもマネ子ちゃんなら受け入れそうだけどね、アルファのマネージャーするくらい器大きいし」
「それはどういう意味かな?」
そのまま二人で笑い合いながら解体が終わるまで会場を眺めていた、その後お疲れ様会もあったがアルファの体を理由に断った
その日はアルファとマネ子と空が明るくなるまでコンマが撮影してくれた映像を見ながら反省会という名の女子会をした
翌日の昼すぎに起きたがマネ子はもう起きていて皆の出発の準備をしてくれていた、人なのに一番時間に正確だった
地上行きのランチリニアにアルファと乗る、長い間アルファと一緒に居たが今日でお別れだ、地上へ着くとアルファは修理をするために病院へピリオドは久しぶりの家に帰る事になる
「今回は結構長い間一緒だったね」
「うえーん、寂しくなるよー」
アルファは昨日の夜からピリオドにこれからも一緒にやっていかないかと言うがピリオドはそれを断っている、その度アルファが大泣きをしていた
「歌も楽しいけど運び屋もやりたいんだ今はどっちか決めれないから運び屋やりながらたまに何処かで歌も歌えればって思ってるよ」
「よし決めたピリオドの近くでずっとライブしてれば一緒にできる」
「ダメです」
マネ子が即否定する
「いーやーだーピリオドの近くにいるんだ」
「近くにくれば顔だすよ」
「本当に?約束だよ?」
「うん」
しばらくするとまた同じような会話が繰り返されランチリニアが地上へ着くまでずっと愚図っていたアルファだった
「それじゃアルファまたね、マネ子ちゃんもありがとう」
「ピリオドさんコンマさんありがとうございました」
「すぐに近くでライブするからね」
マネ子と固い握手をしてまだ諦めきれてないアルファが抱きついて来て最後の抵抗として抱きついたまま中々離してくれなかった。マネ子に無理矢理剥がされる形になったがそこはアイドルのマネージャー剥がしの技術もちゃんと持っていた
久しぶりに帰宅したピリオドはベッドに横になり今回の事を思い出す、ライブは大変だったが思い返せば練習も楽しかったし歌もうまくなった気がする、このまま歌わなくなればまた元に戻るだろう。襲撃主も解ったので客前に立つ事も以前ほど嫌ではない、そう思うと近場のライブハウスで歌える場所があれば歌ってみようと思えた
その日の深夜にオヤジさんに預けていたバイクを迎えに行くとオヤジさんにもう少しバイクを労われと軽いお小言を貰った
「バイクに関しては以上だ、次にライブに関してだが面白かったぞ俺はあぁいった事に興味はなかったが嬢ちゃんの歌はよかったぞ」
「見てくれたんだ」
「あぁ録画だけどな」
「ありがとう」
そう言って思わず抱きつくがオヤジさんの服はベタベタに汚れていた、それに気づきすぐに離れると
「嬢ちゃんキャラ変わったか?」
「たぶんライブを一緒にした子に影響されたのかもしれない」
自分でも今までしなかった反応をして少し赤くなったピリオドだった
オヤジさんにお礼を言って久しぶりのバーへ向かう
そんなに時間は経っていないはずなのにバーの雰囲気が懐かしく感じた
中へ入るといつもの様にマスターがグラスを磨いている
「来たか、仕事溜まってるぞ」
そのマスターの一言で日常に戻って来た感じがして嬉しくなった
ただその感情は1日も持たなかった仕事が溜まってるという言葉の通りそこから2週間は怒涛の仕事ラッシュだった1日3件は当たり前、多い日は夕暮れから始めて終わる頃には明け方になるという事もあった。裏の仕事なのにこれだけ仕事が来るというのはマスターの営業努力があっての事だろう
そしてある日バーへ行くとカウンターから一番離れた場所が改装中になっていた
「マスター改装するの?」
「あぁ」
「そんなお金はあったんだ、どんな風にするの?」
「出来きるまで待ってろ、金は半分拙者に出させた」
それから昼に徐々に改装されていき1週間ほどで改装は終わった
改装された所は小さいながらステージのようになっていた
「マスターあれってステージ?」
「たまにはあそこで歌え」
マスターが自分の為に作ってくれたであろうステージが嬉しくてそこに立って歌ってみる歌い終わるとマスターが一言
「悪くない」
そう言って遠回しに褒めてくれる
激しい踊りなどは出来ないがそのこじんまりとしたステージがピリオドにはしっくりきた
1曲歌い終わるとドタバタと拙者が入って来る
「間に合わなかったでござる」
「遅かったなもう一曲終わったぞ」
「くぅーピリたんファンクラブ会長としてなんたる失態…コンマ殿録画はあるでござるよな」
「いくら出します?」
「こらコンマ」
その後さっき歌った曲を横で聞かれて少し恥ずかしくなったピリオドだった
拙者の感想会が終わり拙者が向き直りピリオドに言う
「ピリたん自我の始まりを変えろの意味が分かったかもしれないでござるよ?」
「それなんだっけ?」
最近の忙しさもありアクトリアスに聞いたその情報をすっかり忘れていたピリオドだった




