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24話 人類解放連合



 昨夜も夜遅くまで騒いだ為、翌日の昼過ぎに二人は目を覚す


 アルファが自由に出来るのは今日と明日だけという事でその間は全力で遊ぶという約束をした


 出かける支度をしながらアルファが聞く


「今日は何を見に行く?」


「昨日の事があってコンマが張り切ってたからちょっと怖いな」


「信用してくださいよ先輩、今日は完璧にお二人に楽しんで頂けるようにしてますよ」


 話しをしながら準備をしていると拙者からも今日の予定のリストが送られてくる


「拙者からのリストも届いたよ」


「そんなものは無視でいいです」


「見せて見せて」


 アルファが送られて来たリスト横から覗き込んで来る


「ほうほう、どっちも悩むリストですなぁ」


「なら今日は半分拙者で半分コンマのおすすめを回る事にしよう、コンマそれでいい?」


「不本意ですが絶対私の方が満足させますよ、あの変態に違いを見せつけてやりますよ」


 最近のコンマは拙者へのライバル心が激しい。本当にいつかは愛に変わるのではと思うピリオドだった


 ホテルから出てショーを見て回っているとあっと言う間に日が暮れた


「面白いショーだったね」


「拙者もコンマも今の所イーブンって所かなどっちのオススメも面白いね」


「そう言ってもらえると苦労して探した甲斐があるでござる」


《私のは後半がすごいですからね、今までのはまだ序の口ですよ》


 そんな風に歩きながら話していると真っ赤な長いリムジンが横に止まる、嫌な予感がしたピリオドだったが中から出てきたのは予想通りアクトリアスだった。その顔を見たピリオドは思わずため息がでる


 リムジンから降りて来たアクトリアスは真っすぐこちらへ向かって歩いて来る


「ごきげんよう」


「私はごきげんよろしくないよ、ストーカーが毎日顔を見せに来るんだもの」


「あらワタクシはアルファのストーカーなんて低俗な事はしませんよ、それに今はアルファの本当のストーカーの人類解放連合を清掃してきた所なんですよ」


「それはご苦労様」


「けれどまだ全部のお掃除が終わってはいないので油断しないでくださいね、このお掃除が終わったらまた遊びましょうねピリオドさん」


 最後にウィンクをしてリムジンに戻っていった、足取りはいつもの優雅な歩き方ではなく若干早歩きだったので忙しいのだろう


「私のストーカーじゃなくてピリオドのストーカーだったか」


「やめてよ…」


《変なのに絡まれた後なので次は私の一番のおすすめで気分を切り替えましょう》


 コンマのメッセージで気を取り直しコンマのおすすめに行く


 そのショーが終わった後に拙者がげっそりとして、ピリオドは顔を真っ赤にしていた


「うぅ…悪夢でござる…」


「私もあんなの見たの初めて」


《先輩にはまだ早かったですか》


 コンマのおすすめのショーと言うのは男性と男性型のアンドロイドがパンツ一枚でその肉体美を使って踊るショーだった、その中でも拙者は男性型アンドロイドに目の前で腰振りダンスをされて表情が消えていた、ピリオドも手で顔を隠してはいたが指の間からばっちり見ていた


「私は面白かったけどね、見せ方も変わってて勉強になったよ」


「たしかにショーとしてはおもしろかったね、半裸の男性だけある必要は感じなかったけど」


「手で顔を隠してても見えたんだー」


 アルファがピリオドを揶揄(からか)


「少し見ただけだからほら最初の方は服着てたでしょ、脱ぎ始めてからは見てない」


「脱いでるのがいい所の一つなのに、話題性と興奮を煽るいい演出だよ」


「拙者はもう勘弁願いたいでござる…いくらアンドロイドが好きといっても同性の拙者にあれはキツイでござる」


 気分の悪そうな拙者を見てコンマは勝ち誇ったように回っていた


 結局この日のコンマ対拙者の勝負は見事な策略により拙者をKOしたコンマに軍配が上がった?


 次の日はアルファの休みが最後の為、ゆっくりと街を眺めようと3機+1人は路上で行われているパフォーマンスを中心に見ていた


 路上でも様々なパフォーマンスが行われていた、噴水の前に建てられた野外ステージを見ながら腰を下ろして拙者がおすすめしてくれたホットドックとオニオンリングのセットを食べていた時だった


「はぁ今日で休みも終わりか」


「次はどこに行くの?」


「次はどこだっけなー」


「次は第8ステーションで竣工20周年記念ライブでござるな」


 ライブの予定を忘れていたアルファに変わり拙者が答えてくれた


「私達のマネージャーみたいねぇ」


「なんで私も入ってるの、一般人にマネージャーなんてものは付きません」


「ほう、あのライブをやってまだ一般人で居れると思っているのかねピリオド君」


「そうでござるなあれだけやらかすと中々一般人とは言えないでござるよ、それと拙者はマネージャーはしないでござるよ」


「なんで好きそうなのに」


 ピリオドは喜んでやると思っていた拙者の意外な反応に聞き返した


「マネージャーをやるとライブの本番を客席から見れなくなるでござる、推しの事を全て知りたいと思う反面そこは我慢して推しが輝いてる姿だけを見て裏の苦労を想像して楽しむ、これも推し活の醍醐味でござるよ」


《変態は変態だから変態なんですよ》


 もうコンマは変態と言いたいだけじゃないかと思った


 拙者の推し活の話は聞き流すことにしたピリオドはアルファの活躍の舞台が地球圏である事を改めて認識した


「今度は宇宙か改めて思うとすごいね私の友達は」


「ピリオドならいつでも来てくれていいよ?私の方は常に受け入れ準備は整ってるから」


「どうだろうね、誰が狙ってきてるかは分かったしそんなに悪い人でもなさそうだから人混みにいるほうが安全かも、でもそうしたらバイクでドライブをしにくくなるんだよね、うーん」


「バイクのドライブと悩むのか…とりあえず今からあの女優モドキの所へ行って鉄拳制裁してピリオドにちょっかい掛けないように〆るか」


 腕まくりをしてアクトリアスへの敵意を剥き出しにしたアルファだった


 そんなアルファに後ろから声がかかる


「デーヴァだな?」


 その言葉に振り向くアルファとピリオド、まだ日も登っているのにフードを深めに被りポケットに手を突っ込んでいる人物が話しかけて来た


「違いますよ人違いでは?」


 その惚けた返答とは裏腹に一気に警戒態勢に入るアルファとピリオド。次の瞬間男がポケットから手を出すとその手に卵型の爆弾が握られていた、その爆弾は宇宙での掘削用に使われる非常に強力な物で卵くらいの大きさと言えど、ここで爆発してしまえば半径80m弱は巻き込んでしまう


「動くな、もう一度聞くデーヴァで間違いないな?」


「そうよ、あなたは何者?って聞かなくても人類解放連合よね?」


「そうだお前を破壊しに来た。我々としても人を無駄に巻き込むのは本望ではない。大人しく着いて来てもらおうか」


 男に指示され拙者を先頭にピリオドアルファが横に並びその後ろを男が歩き車道へ向かうと見た事のある真っ赤なリムジンが止まる


 中から降りて来たアクトリアスはリムジンから無数の警察用ドローンを発射しピリオド達を囲むのと同時に周辺の人たちを近づけないように規制線を張った


「少し遅かったですね、他の虫の処理に時間を掛け過ぎましたね」


 アクトリアスはそう言うとこちらへ近づいてくる


「あなたのやっていることは無駄になりましたよ、大人しく投降してはいかがでしょう?」


 その言葉を聞くと男は豹変し語彙を荒くして吠える


「我々は人類解放の為、機械に支配されたこの間違った世界を正す為に動いているそこをどけぇ女」


「ここはワタクシの街です、危ない物を持った殿方に自由にされては困ります」


「何故この大義がわからぬ、今の機械に支配されたままの世界では人は堕落していくばかり、毎日遊び呆けただ飯を貪り食うそれが人としてあるべき姿だと言うのか」


 そこに拙者がボソリと言う


「働いたら負けでござるよ」


「黙れブタが貴様の様な無能でも出来ることを探し人の為に額に汗を流し働く事こそ、人の尊厳という物だろうが、機械に支配される前の、人が自由で喜びに満ちていた世界に戻す事こそ我々の使命だ」


「化石でござるな」


「あらあなたお勉強不足ですね、今も労働の自由はありますし人が必要な場所ももちろんあります。それに人が労働だけしていた時間を自由に使う事で知能と健康と寿命の向上はデータではっきりとでていますよ、それに今の人口でAI・アンドロイドを排除すると食料供給のバランスが崩れものすごい貧富の差ができます、それでも人が労働だけに時間を使っていた時代に戻りたいと? あなたがそう教育されただけの哀れな人だという事はわかりますが」


 アクトリアスに反論されて男は激昂した


「黙れぇぇ、人を信じ少しでも改心を期待したがその毒された価値観正すためにここでデーヴァを破壊し人の目を覚まされるそれが私の命の使い道だ。人類よ尊厳を取り戻せ」

 

 男はそう言うと爆弾を振り上げ地面に叩きつけようとしたがその一瞬の隙をアルファが見逃すはずは無く爆弾を飛び上がるようにして蹴り上げる


「ピリオド」


 アルファの声でピリオドはアルファの足の裏に目掛けて蹴りを入れアルファが爆弾を追えるように蹴り上げた


 ピリオドはそのまま拙者を抱えて目の前にいたアクトリアスも抱えて規制線の外に向かって駆け出した


 蹴り上げられたアルファは自分で蹴り上げた爆弾に追いつくと更に高くまで蹴り上げる


 アルファが空中で爆弾を蹴ってから1秒もかからずに爆弾は爆発した


 地面には轟音と衝撃波が伝わる、ピリオドは拙者とアクトリアスに覆い被さり爆風をやり過ごした、周りに居た殆どの人は規制線の外に居たため酷くても尻餅をつく程度の被害しか出ていない


 ピリオドは衝撃波が去った後に爆風で飛ばされたアルファの落下地点へ駆け寄ると飛び上がりアルファの落下速度を相殺するように空中でアルファを受け止めた


 着地すると震えているアルファが抱きついて来くる


「ピリオドありがとう。ちょっと失敗しちゃった」


 抱きかかえていたアルファの足は膝から先が吹き飛んで無くなっていた


デーヴァ=歌姫

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