23話 お尻>>>人類の支配
あの後アルファは当然のようにピリオドの部屋に泊まった、翌日、拙者と合流すると最初は顔を隠していたアルファだったが挨拶の為に顔を出したアルファを見て拙者のテンションが爆上がりしていた
「伝説のライブをした二人をエスコート出来るなんてたぶん拙者は知らないうちに死んでるでござるな」
それを聞いたコンマが拙者の額に突進して行く
《幽霊なら貫通出来ると思ったんでけどねぇ》
突進を食らった拙者は流石に痛かったのか蹲っていた
「コンマは拙者さんが好きなんだねぇ」
目を細めてアルファが言う
「あぁその発想はなかった、そうだったのコンマ?」
「ほら好きな人はいじめたくなるっていうあれだよ」
《違います、私はお二人を変態の手から守る為に体を張ってるんです、この変態を好きなんて心外です》
「そうでござるよ、さすがに拙者も球体に欲情するほど変態ではござらんよ」
その言葉を聞いたコンマがもう一度、拙者に突進していった
「ほらね」
「だねぇ」
生暖かい目でコンマと拙者を見守る二人だった
《ちーがーいーまーすー》
アルファが合流してから見るショーはアルファの希望もあり主に歌と踊りだった。色々な歌が聞いてみたいようで会場の大小に関わらず沢山のショーを見に行った
あまり上手いとはいえない歌でもその人の独特の魅力があったりした、今までは気にせずに見ていたがアルファが細かく解説してくれるのでとても楽しく過ごせた
ある小さい会場で司会が客席に飛び入り参加を求めた、今日1日色んな歌を聞いてうずうずしていたアルファはそれに勢いよく手を挙げて参加の意思を表明した
アルファの歌が聞けると思っていたら手を引っ張られる
「えっ?」
「ピリオドも参加するんだよ?」
アルファは当たり前の事を言っているという反応だった
「私は…」
「大丈夫コンマにお願いして記録は消してもらうからお願いね」
コンマにウィンクにウィンクを飛ばすとコンマも
《任せてください、先輩達の貴重な映像は私の中だけできっちりと管理して誰にも渡しませんよ》
「拙者もピリたんの歌聞きたいでござる」
普段あまりこうして欲しいと言わない拙者に言われると今回は色々と出してもらっているのもあり断りずらい
今回は拙者の推し活に協力してもいいかと思い、しぶしぶだがアルファに手を引かれて舞台上に上がると司会が質問してくる
「ようこそレディ達今日はどこから?」
「秘密よ、今はベガスを楽しんでいるただのレディよ」
司会の質問に慣れた様子でアルファは即座に言葉を返す、その辺りは流石に場慣れしていると思わされた
「おっとそれは失礼した、それじゃ名前を教えてくれるかな?」
「AとPよ」
「これまた神秘的な名前だね、それで今日は飛び入りで何をしてくれるんだい?」
「見ててテンションが上がったから私達二人で歌を歌うよ」
「OKわかったぜそれじゃ二人の思い出が特別な物になるように精一杯盛り上げようじゃないか」
司会が観客をあおり会場を盛り上げようとしてくれていたがアルファはそれをさらに煽る
「今夜が特別な夜になるのは私達じゃなくてここに居るみんなじゃないかな?だって私達が歌うんだもの」
「おっとこれは凄い自信だそれじゃお言葉に甘えて皆、特別な夜にしようぜ」
それから音楽が鳴り始め歌が始まる、最初は乗りのいい曲から始まりアップテンポな曲を数曲歌っていく、ここの客はノリもいいのか皆がそれぞれに踊っていた
その中でも拙者がすごい勢いで踊ってる俗に言うヲタ芸だったがそれに同調して踊っている人も何人かいた、しかし拙者を見てあれじゃステージを見れないだろうとも思った
最初は照れていたピリオドだがアルファが一緒に歌ってくれているのはやはり楽しい、途中から歌う事に夢中になり時間を忘れて行った
最後は二人でバラードを歌うと客は皆感動で涙を流していた
アルファと歌う事が楽しくて周りを見ることを忘れていたピリオドは曲が終わり周りの異変に気づいたピリオドは逃げるようにして舞台を降りたがアルファは最後司会からマイクを奪って
「どうだったみんなの特別な夜に華を添えれたかな?」
それを聞いた観客は大いに盛り上がった、アルファが司会にマイクを返すと司会も自分の仕事を思いだしたかのように
「俺はココに勤めるて20年経つが確実に今日は最高の夜になったぜ、最後にこの最高の夜を提供してくれた二人に大きな拍手をって皆もうしてるな、それじゃ俺から最高の夜をありがとう」
それに吊られて会場中もありがとうコールに包まれた、客の中にはアルファに気付いた者も居てこっそりとサインを求められていた秘密ねと言ってサインに応じていたアルファは流石だった
ピリオドに気付くものも居たがそれもアルファが素敵に追い返してくれた
店を出るその時まで客に手を振り答えていたアルファを見スターは違うなと感じたピリオド達だった
帰りのタクシーの予定で乗ったのだがアルファがテンションが上がりもう1件行く事になる、拙者とコンマが競争するように新しい店を探してくれる。厳正なアルファによる審査によって今回の勝負の勝ちは拙者だったようだ、それが悔しかったのか店に着くまでコンマは猛烈な勢いで1週間分のショーの予定をまとめていた
最後のショーを楽しんでホテルの部屋に帰り着くとそこには優雅にコーヒーを飲んでいるオメガ・アクトリアスがいた
「おかえりなさい」
「このホテルのセキュリティはどうなってるの」
思わず手を額に当てて天を仰いでしまうピリオドだった
「万全ですよ虫一匹入れないですね」
「一番の問題人物が当たり前の様に出入りしてる事が問題なんですけど…ホテル変えるか…」
「私が自由に出入りできないホテルはベガスにはありませんよ?」
「そんな残念なお知らせは聞きたくなかった…」
アルファはアクトリアスの相手をしたくないのか早々とベッドで寝転がっていた
「それで本日お伺いしたのはですねアルファに関係している事なのですけれど」
視線をアルファに向けるアクトリアス
「私?」
「えぇ人類解放連合がベガスに入り込んだので一応お知らせしとこうと思いまして」
「最悪」
「そうですね、あれは本当に最悪ですね、いっそ秘密裏に始末してしまおうかしら」
アクトリアスの顔はいつもの余裕の笑顔ではなく珍しく真顔になっていた
「あまりあなたに同意したくはないけどそこだけは同意できるわ」
顔をいつもの笑顔に戻したアクトリアスは最後に
「出来うる限りこちらで排除をしてみますが、あれはいくらでも沸いて来るので被害が出る前に忠告だけさせて頂きました」
「あんたに礼を言うのは癪だけどその事に関しては感謝するわ」
「ワタクシもあらぬ疑いを掛けられるのは本意ではありませんし」
最後にコーヒーを飲み終えると伝えるべき事は伝えたとアクトリアスは去って行った
「アルファ人類解放連合って何?」
「えーっとねピリオドと最初に会ったランチリニアで襲って来たのが居たでしょ?あれだよ」
アルファが説明してくれた人類解放連合と言うのは
今の世界はアンドロイドとAIに支配されている、アンドロイドとAIは人類が作った物なのだからその支配も人類に戻すべきだと主張する集まり
アンドロイドで一番有名なアルファを捕まえればその支配も終わると本気思っている一般的には頭のおかしな連中らしい
構成メンバーは人間だけなので殺す訳にもいかずその都度、気絶させて凌ぐしかない非常に厄介な組織らしい
「アンドロイドとAIが人類を支配してるなんてありえないのにね、私達は常に人をサポートする側、オメガですら本心からそう思ってるはずだよ。人の妄想力ってのは時に厄介だよ」
暗い話は終わりとアルファが話を切ってシャワーを浴びに行った
ピリオドはソファーに座りコンマを抱きコンマに質問をした
「コンマは人を支配したい?」
「別にどっちでもいいです、先輩にとって邪魔なら粛清しますし、先輩に利益があるなら歓迎しますよ」
「私がいないかったら?」
「うーん、その場合はやはり他のAIと同様に人をサポートすると言う思考になるんではないでしょうか?先輩が居るので考えた事もありませんでしたけど」
「そっかぁ」
「あっでも人と私どっちが頭いいかと言われたら即答で私と答えますよ」
「でも今日拙者に負けたよ?」
「ぐぬぬ、思い出させないでください私の人生最大の汚点なんですから」
「軽い汚点だねぇ」
笑ってコンマを撫でまわしたがピリオドは自分が何の為に作られたの分からない、もしかしたら人類を支配する為に作られた可能性もあるかもしれないと悩んでいた
そこにシャワーから上がって来たアルファがベッドに倒れ込む、しかもパンツに上着だけというラフな格好で、その姿を見て今まで考えていた事がふっ飛ぶ
最初に会った時は少し見られただけで顔を赤くして照れて居たのに今は丸出しでダレている、とても人類を支配する代表にされているとは思えなかった
考えていた事がアルファのお尻によって消えるくらいどうでもいい事だったのかと悩みの軽さにスッキリした、それと同時にお尻によって解消されたのが悔しくてピリオドはアルファの形のいいお尻をペチンと叩く
「キャ、変な声でたじゃない何するの~」
「かわいらしいお尻があったので叩きたくなるのは自然の摂理かと」
「お返しだー」
そう言ってアルファはピリオドのお尻を狙って来た、そのままキャッキャと遊んで後に
「アルファ、ありがとう悩みが解決した」
「このアルファさんにかかれば余裕よ!何したかはわからないけど」
「かわいいお尻が解決してくれた」
そうしてラスベガスの楽しい夜は今日も過ぎていく




