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21話 オメガ・アクトリアス



ピリオドを100機以上の戦闘用ドローンが取り囲む


「どうなさいます?降参いたします?」


「まさか」


「ウフフそうですわよね、そうでなくては楽しくありませんよね」


 淑やかに微笑むオメガの言葉が終わるとドローンが一斉に攻撃してくる、今回は弾丸もミサイルも光学兵器も全て使用してくる


 護身用に用意していたシールドを展開する


 チャフを撒きシールドを展開したまま小型ミサイルだけを避ける


 ピリオドはオメガを止めればドローンも止まると思いオメガに接近するがその周りをドローンが取り囲みオメガを守る


「ウフフ怖いですね。ワタクシはただの人間、ピリオドさんにかかればすぐに壊れてしまいます」


 怖いと言う言葉とは裏腹に余裕の笑みを浮かべて楽しんでいるようにも見える


 ピリオドはドローンを撃墜していくがオメガの余裕の表情は崩れない


 拳で小型ミサイルを放つ30機ほど撃墜した所で少し余裕のできたピリオドはオメガに問いかけた


「ところでなんで私を捕まえたいの?」


 喋りながら流れるようにドローンを撃墜していく


「ウフフ、ピリオドさんがアルファの後継機ならば確保して量産用に研究したいですもの、知ってます?アルファはロストテクノロジーの塊なんですよ、たかが100年程なんですけどその製造の全てが削除されて同じ機体は今は作れないんですよ、アルファは役目があるので分解するわけにはいかないですし、分解しても問題ないピリオドさんならば研究し放題ですね」 


「私がまだアルファの後継機と決まったわけじゃないでしょ?」


「今までのデータからほぼ間違いないと思いますよ?」


「今までのデータ?」


「あら気づいてませんでしたか。何回か襲撃を受けたでしょ?それ全てワタクシですよ」


 話しながらもほぼ全てのドローンが撃墜し終わった。残りはオメガを囲んでいる5機だけ


「ウフフ、さすがの性能ですね、ではこれではどうかしら」


 オメガの言葉と共に先ほどの倍のドローンと戦闘用アンドロイドが周囲を取り囲む


「今までどこにこれだけの数が」


「ここはワタクシのお膝元ですから、ウフフ」


 ピリオドを取り囲むアンドロイドとドローンを前にしてコンマがメッセージを送って来た


《先輩さすがに数が多すぎます、予備もまだまだ居ると思われますので何とかバイクまで行ってください、あの変態さんと開発した新兵器が積んであります》


 シールドを展開したまま無理矢理バイクまで突き進む、途中で完全に迎撃しきれなかった小型ミサイルがバリアの中で小規模な爆発が起こり服も焦げる


「最低」


「ウフフごめんなさいね、せっかくのお洋服を焦がしてしまって」


 ゆっくり歩いて後を追いかけて来るオメガだがその声は近くのドローンから聞こえて来る


 その後も襲って来るアンドロイドを足場に跳躍しながら邪魔なドローンを捕まえて投げつける。とても洗練された戦い方ではなかった


「あらあらまるで駄々っ子ですね」


そんなオメガの皮肉もピリオドには届かない、逃げ回りながらなんとかテーマパークの壁を飛び越えバイクに戻ったピリオドはコンマをセットする


《インフレクトペイン起動。効果範囲は半径200m》


 バイクから粒子加速エンジンの光が発生してその出力が上がって行く、出力が最大近くに達すると静かにその光が消えた


 ピリオドは発動しなかったのかと思い逃げようとしたがバイクはすぐには起動しなかった


《インフレクトペインは発動しました粒子加速エンジンの再起動まで30秒》


 ガラガラと何かが崩れ落ちる音で周りを見てみるとアンドロイドがピクピクと痙攣しており、ドローンはその羽の回転数が安定せずに姿勢が乱れ墜落していった


 その中をゆっくりと優雅に歩いて来るオメガはピリオドの近くまで来る


「インフレクトペインですか、アンドロイドとAIでは一溜りもありませんね。一つ尋ねてもいいですか?アンドロイドであるはずのピリオドさんは何故無事なのでしょう?」 


「知らない…」


 ピリオドは本当に知らないのでそう答えたが十中八九コンマと拙者が何かしたのは想像に難くなかった


「敵味方無差別に動きを抑えてしまうので欠陥兵器だったはずなんだけすけどね、それを実用化するとはますます興味が出てきました」


「それじゃね」


 そう言って逃げようとしたピリオドにオメガは手を振って見送る


 バイクを起動してその場を後にするピリオドだったがしばらく走ると後ろから楕円形のヘリが追って来た


「コンマなんか来てるんだけど」


「来てますね」


 そのヘリからピリオドへ呼びかけがあった


「うふふ、逃げれると思いましたか?」


 オメガはコックピット内で足を長く見せる為に斜めにして座わっており肘掛け式の操縦桿を握っているその姿を見たピリオドは思わず悪態を吐く


「どこまで女優…」


 ピリオドは呟いただけのつもりだったが相手のマイクの収音性が良くその言葉も聞こえたらしい


「女性たるものいつも美しくいるべきですよ、それでは行きますよ」


 オメガの言葉と同時に高出力の熱レーザーが飛んで来る


「先輩避けてください、あの出力は相殺できません」


 直径10cmほどレーザーを避けるとレーザーが当たった道路はドロドロに溶けていた


「町中であんなものぶっぱなすなんて」


「うふふ、人にさえ当たらなければどうとでもできますもの」


「次弾来ます」


 コンマの予想した軌道がピリオドの視界に表示される、前方に表示された軌道を避けるようにバイクを操る


「あらあら、やはり1本では難しいですね、それではこちらでどうでしょう」


 今まで何とか避けれていたレーザーだったがその数が5本になり後ろから嬲るように追いかけて来るがその1本がビルに当たりそうになるとその1本が消える


「流石にビルに当てるのは躊躇するみたい、ちょっと卑怯だけどビルを盾にして逃げるよ」


「了解、ルート提案を送ります」


 コンマから送られてきた提案はビルの側面を走るというものだった


「こんなのいけるの?」


「先輩ならなんだってできますよたぶん」


「AIがたぶんとか言わないで」


「ほら時間がないので重力緩和ジェネレーター起動しますよ」


 コンマの提案を実行するといつも地上10~20cm位を走っているバイクが急激に浮き上がりそのままビルの側面を道に走り出す


「あら流石にそれは予想外ですね、しかしこの町はそこまで大きくありませんよ?その速度だと後5分程度で街を抜けますよ、その後はどうするおつもり?」


「こうするの」


 ビルを登りきるとそのままフル加速に入る、ピリオドを急激な重力加速度が襲い音の壁を突き破ると衝撃波が発生した


 最新型のヘリと言えどそのスピードは時速1000kmに届くかどうか小回りは聞くがスピードではオヤジさんの作ったバイクには到底追いつけない、最後に苦し紛れのレーザーが放たれたが当たる事はなかった


「あら、流石にその速度には追いつけませんね残念ですまたいつかお会い致しましょうね」


 ピリオドを見送るしかなかったオメガはそう呟いた



 町を脱出し満点の星空の中、荒野まで飛んできたピリオドはコンマに周囲を確認してもらいオメガからなんとか逃げ切った事を確認する


「逃げ切れた?」


「あの女優モドキはもう追ってきてませんね」


「そうそれはよかった、オメガって沢山いてややこしくなるね」


「じゃぁ今のはオメガ女優モドキって名前で登録しときます?」


「それだと次会った時、笑っちゃいそうだから別の名前にして」


「それじゃオメガ・アクトリアスで登録しときますね」


「うんそれなら笑わなくて済みそう」


 そんな話をしながら明るくなってきた夜空の中を飛んでいたがこのまま飛んでいると何処かで目撃されるかもしれないので休めそうな場所を見つけてバイクを止める


 バイクに背中を預けて座り込んだピリオドは登って来る朝日を眺めていた


「コンマ何か忘れてる気がするんだけど」


「アルファ先輩へのメッセージの返信じゃないですか?」


「あぁそうだね無事乗り切れたからメッセージ送っとこうか」


 保留にしていたアルファへのメッセージを送る内容は《今日ラスベガスへ行きます》


「よし送ったよ、これでいいね」


「オメガからも無事逃げ切りましたし、情報もそのオメガがぺらぺらと喋ってくれたおかげで手がかりは手入りましたよ」


「そうだよね、目的は一応達成したよね」


「はい、大成果とはいきませんがね、星になった変態さんも喜んでくれていると思います」


 その言葉でピリオドは忘れていた拙者の事を思い出した


「コンマ…」


「あの一番輝いてる星の横ので消えそうになってる星がたぶん変態さんですよどうか安らかに」


 朝も早い時間だったがホテルで動けなくなっている拙者に慌ててメッセージを送った

 

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