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20話 旧エリア51 ホーミィ



 旧エリア51への出発の日、真空リニア列車の待合室で座っているとリュックを背負った拙者が手続きを終えて戻って来る


「手続き終わったでござる、荷物が沢山だと色々面倒臭いでござるな」


 国境を超える事になるので大量の荷物がある場合手続きが必要になる、バイクですらそれほど面倒臭い手続きは必要無いのに拙者はどれほどの荷物を用意したんだと思うピリオドであった


 真空リニア列車は拙者が個室を用意してくれていた


 窮屈な座席だと思っていたコンマはバイクに何かあった場合、撃退要員としてバイクにセットしたままの状態を快く引き受けてくれたが、個室だと聞いた瞬間から不満を爆発させて拙者とピリオドにも引切り無しにメッセージが届いていた


 そんなコンマの相手をしているうちにラスベガスの駅に着く。真空リニア列車から普通のリニアに乗り換えてホーミィまで向かう


 昔、軍事基地だったホーミィは今やラスベガスの衛星都市のようになっていたこちらはラスベガスと違い主に子供向けにエイリアンを使いの宇宙の事を学べる娯楽都市だった


 ホーミィに着き貨物受け取り口でコンマとバイクを待っていると、ピックアップトラックが待合室の前に止まり中から拙者が降りて来た


「拙者の方が早かったようでござるな」


「その車もってきたの?」


「そうでござるよ今回は外国でござるし入念な準備をしたでござる、ちゃんと荷台にピリたんのバイクが載るように改造済でござる」


 ピックアップトラックの後部座席は改造されて色々な道具が載っているし荷台に斜めに板がついている、その板にバイクが固定出来るようになっていた


「いつの間にそんな準備したの?」


「コンマ殿と色々試行錯誤してたでござる」


 コンマと拙者の用意周到さに感心しているとコンマを載せたバイクが来たのでサインをして受け取る


 せっかく用意してくれたので拙者の車にバイクを積み助手席に乗り込んで町中に向かって走る


 道は広く取られておりそこには色々な宇宙船をモチーフにしたホテルと思われるビルが立ち並んでいた、宣伝用のホログラムにはグレイ型やタコ型のエイリアンが出てきてようこそエリア51へと案内してくれている町全体が一つのテーマパークの様になっていた


 予約したホテルに着くと部屋も拙者が奮発したのかかなりいいホテルだった


「こんないいホテルじゃなくていいのに」


「推しが貧相な所にいるのは拙者の流儀に反するでござるよ」


 その時の拙者はとてもいい笑顔をしていたのでその笑顔に押されて甘えることにする


 ホテルの部屋は別々だが、作戦会議の為に拙者の部屋へ集まる


「先輩を連れ込む事に成功したからといって変な考えは起こさないように」


 ピリオドは溜め息を吐いて変な事を言うコンマに拳骨を落とす


「それでエイリアンパークのアトラクションまではわかってるんだけど地下への入り口とか何処にあるんだろう…」


「そうですな正確な場所まではわからないのでとりあえず明日は普通に入園して下見をするでござるよ」


 話は纏まり明日は何があっても動かず下見に徹するという条件でその日は解散した


 その日の夜にアルファからの返信があった


《招待するよ、いつ来る?》


 ピリオドはそのメッセージにすぐに返信は出来なかったこれから何があるかわからない、今回の事が終わったら返事をしようそう思い返信を保留にした


 翌日、拙者と二人でエイリアンテーマパークへ向かう、ここでは町中より規模は小さいが過去の映画で出てきたような様々な宇宙船モチーフの建物があった


 その中でも数少ない乗り物の形をしていない建物の未来科学研究所へ向かう。途中で拙者がカモフラージュの為と言ってエイリアンの被り物を買ってピリオドにも渡してくる、ピリオドは2本の角の様な耳の様なカチューシャを着ける、拙者はグレイ型のエイリアンの目に見えるサングラスをしていた


 未来科学研究所は人気のアトラクションらしく30分待ちだった、待っている間に周囲を伺うがテーマパークだけあって不審な物だらけで全部怪しく見えて来た


 アトラクション自体は乗り物に乗り白衣を着たエイリアンのホログラムがこれから技術でこんな事が出来るようになるかもしれませんよ、これから外宇宙に進出していくとこんな惑星があるかもしれません、そこにはこういう宇宙人がいるかもしれませんよと言う子供向けのアトラクションだった、途中で敵対生物を退治せよという指令もあり子供でも飽きないように作られていたがそれを拙者が本気でやっていた


 アトラクションを終えてコンマに中の解析結果を見せてもらうがアトラクション自体におかしな所はなかった、白衣を着たスタッフが出入りしていたと出入口から入ってみるしかないかとその日はテーマパークを後にしようと思ったがコンマが他のも見たいと言うので結局1日かけてテーマパークの半分ほどを回った


 拙者が途中から楽しくなったのかすごくテンションが上がっていたので落ち着くように言うと


「すまんでござった一つの夢が叶った事が嬉しくてついはしゃいでしまったでござるよ」


「夢?」


「推しとデートでござるよ、これでもう思い残す事はないでござる」


 拙者の中では建物の調査が終わってからはデートという認識だったらしい。それを聞いたコンマが


《死亡フラグもたったので遠慮なく盾にしましょう》


 とメッセージを送って来る


 その日の深夜、はしゃぎすぎてダウンした拙者を置いてピリオドはテーマーパーク内に侵入した


 未来科学研究所のスタッフ専用口まで見つからずにたどり着いたピリオドはコンマに頼んでロックを外し中に入る


 中に入るとスタッフの休憩所がありその奥に階段があった、上に向かう階段はメンテナス用っぽいので下へ向かうと下もメンテナンス用だったが更に下続く階段もありその階段を進むと防火扉のような物があったので中に入る


 中には廊下が続いており奥に進むと厳重にロックされた扉があった、扉にはコントロールルーム、資格者以外立ち入り禁止と書いてあったがそれを無視してロックをコンマが解除してくれ中に入る


 中に入ってみるとマンションの1室が丸々入ったような場所があった、コンマと手分けして中を探すが人もアンドロイドもいる気配はなかった


 何か手がかりになる物は無いかと部屋中を探すが何も出てこなかった


「コンマどう思う?」


「ガセネタを掴まされたか他へ移されたかですかねぇ、絶対にコントロールルームじゃありませんね、人が生活する用の構造です清掃はされていましたが少し前まで生活していたような形跡はありましたし後者だと思います」


「一足遅かったか…」


 その場を諦めてスタッフの専用口から出るとそこにはガルボハットを被った黒髪ロングのスレンダーな女の人が立っていた


「こんばんわ」


 声をかけられたピリオドは思わず固まってしまった


「初めましてワタクシはオメガと申します」


 その言葉と共に綺麗なカーテシーをする


「オメガ?」


「はい、アルファバックアップオメガです」


 笑顔でそう答える自称オメガ


「私の知ってるオメガとは違うんだけど?」


「あら他のワタクシに会った事があるのですね、でもワタクシとは初対面ですよ」


 何がなんだかわけがわからなくなったピリオドだった


「ご説明しますね、オメガとはAIですが実験で人に記憶を植え込んでいるんです、そうして人としての生活を数年体験してみて記憶を抜き出して本体にフィードバックするその中の1体がワタクシです。あっもちろん素体になった人間に了解は得ていますよ、元々無期懲役の人を使ってそのまま一生を終えるか数年の記憶喪失による釈放の2択ですけれど、皆さん喜んで体を差し出してくれますよ?」


「そうなの…それでそのオメガさんが何の用かしら?」


「推測するにあなたはアヴィさんでは無くて?」


「私の名前はピリオド、アヴィの可能性があるだけで私はピリオド」


「そうではピリオドさんココへはアルファオメガ・アヴィを作った人を探しにいらしたのでは?」


「そうだけど」


「それは残念でしたね、その方はもう何処かへ行ってしまわれましたわ、正確にはアルファオメガ・アヴィを作った方の子孫ですけれど」


「そうその人へどこへ?」


「先ほど言いましたよ、何処かへ行ってしまわれたと、子孫と言うだけで情報は持っていなかったのです、何かないかと色々探ってみましたが出てきたのはその方はおじいさまに自我の始まりを変えろと言われた言葉だけでした。その言葉が何を意味するのかはその方もわかっていらっしゃらなかったようですし、私達も心あたりを当たってみましたが成果はありませんでした」


「私に話してくれたって事は協力してくれるって事?」


「もちろんここであなたを捕らえる為です、ほら、希望を持った後の絶望って素敵じゃないですか」


 素体の性格の影響なのか前回あったオメガとはかなり性格が違うようだった


 その言葉の後にオメガが手をゆっくりと上げるとドローンの団体が現れた

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