隕石降って、はちゃめちゃセカイ!!
日本時間、西暦20××年 △月○日(□) PM 14:00
それは、またまた観測された。
直径1mほどの隕石。それは、地球に到達する前に燃え尽きる予想だった。だが、何故か隕石は燃えずに地球に飛来し、高度1万メートルで砕けちり、中から無数の光の粒が地球全土に降り注ぎ、地球が揺れ、揺れが止まると、あちらこちらに、次元の裂け目が出現した。
◇
俺こと、星野光は、今日をもって3年間通っていた◇◇高校を卒業した。卒業式の後、友達とガヤガヤしたりご飯を食べたりして、俺は家へと帰ろうとしていた。
「さて、明日から俺、無職か…」
就職活動は、言われた通りにやって来た。内定もちゃんと貰えた。だけど、特にやる気が起きず、内定を蹴ってきた。
普通に考えたら、生活は出来ないと思われるが俺には、親が残してくれたかなりのお金が残っている。
俺は、ふと、何気なく空を眺めると、光の粒が降り注いだ。
なんだあれ? そう思っていた瞬間、
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
突然、辺りが揺れだした。揺れは、少しして収まった。
「何だったんだ? 地震か?」
続けて、揺れが起こることもなく、俺はそのまま、家に帰った。
その際、俺は気づいていなかったが、その時には、すでにじわじわと世界の異変は起こっていた。
◇
朝、いつもの癖で、目を覚ました。
「んー、そういえば俺、今日からニートかぁ…」
体をのばし、完全に目覚めた俺は、顔を洗い、テレビのニュースを見ながら、朝御飯を作る。
『突然入ったニュースです。全世界のあちこちで不思議な裂け目が確認されているとの事です。その裂け目に触れた人が突然消える現象が起こるとの事で、見つけた方は、裂け目に触れず下記の連絡先まで連絡して下さい。繰り返します…』
「?」
ご飯を作り終えた俺は、食べながら繰り返されるニュースを聞いていた。
「裂け目ねぇ… 中にモンスターとかいたりしてな!!」
ありもしない事を言ってみる。
「さて、学校も無いことだし、とりためていたアニメでも見ますか。」
アニメやラノベを見たり、ゲームをしたりしながら数日が過ぎた。
「ふぁぁぁ、もう昼か…」
その日も徹夜してアニメを見てた俺は、もう寝ようかとテレビを消そうとする。
ボタンを押し間違え、チャンネルが変わった。
「ん、緊急会見?」
画面には、3人の男性が写り出されていた。
『裂け目を調査した結果、中には未確認生物が生息していました。私たち調査隊は、その未確認生物をモンスターと呼んでいます。それらのモンスターは…』
その後も、会見は続き様々な調査結果を報告していた。
「も…モンスターだと…」
心の底から、込み上げてくるものを感じる。
「裂け目に、いってみる価値はあるな… でも、ふぁぁぁ 眠いから、寝るか。」
万全の状態で調査してみたいため、調査したい気持ちを押さえ眠りについた。
◇
調査を開始して、1ヶ月がたった。
都内の裂け目は、監視があったので、入ることは出来ない。
この1ヶ月で世界は色々変わったてきた。世間では、様々な能力を持っている人が出てきだした。俺が聞いた、様々な能力とは、物を触らずに動かしたり、何もないところから、火を出したりとかだ。
世間ではそのような人をハンターと呼び出した。
どうやらハンターは、国からスカウトされ、調査団に加わっているようだ。
俺は、あいにくそんな能力には、目覚めなかった。
だけど、諦めきれない俺は、とうとう、都心から離れた山奥で、自力で裂け目を探しだした。
「よし、行くか。」
荷物を背負い、目的地の山にむかった。
タクシー、電車、歩き山へと到着した。
今、目の前には、裂け目がある。
俺は、入る前に、最後の荷物の確認を行う。
サバイバルナイフ、高校時代に使っていた弓矢などなど…
「よし、ちゃんとあるな。」
確認を終え、俺は裂け目へと、飛び込んだ。
透明な膜をくぐるみたいに、少しの違和感を感じた。
目を開けると、そこは薄暗い洞窟だった。
「ここが、裂け目の中…」
夢にまで見た、ダンジョンだ。
わくわくをおさえつつ、慎重に奥へと進んでいく。
少し進むも、モンスターは出てこない。
「あれ? モンスターがいない。」
不思議に思いながら、もう少し奥へ行こうとすると、
「!?」
突然、左腕に鈍い痛みを感じた。見てみると、ナイフが刺さっていた。しかも、そこには、黒い布を被っている生物までいた。
こいつがモンスターなのかと、驚きながらも、その生物を力一杯蹴り飛ばす。
「グギャ」
その生物は、吹き飛んでいくも、すぐ体を起こした。
蹴られた反動で、布がめくれていた。その生物をよく見てみると、小さな体躯、緑色の皮膚、俗に言う、ゴブリンだ。
ゴブリンは、起き上がると俺に飛びかかってくる。
左腕の痛みに耐えながらも、必死に躱し、来た道を引き返す。
スピードは、俺の方が少し早い。そのまま、出口を出る。調査団の話では、モンスターは裂け目から出てこれないとの事なので、そのまま、そこに座り込む。鞄から包帯などを取り出し、刺さってあるナイフを引き抜く。
「うっ!!」
すぐに、出来る範囲の処置をし、山を降りようと立ち上がった際、突然体がいうことを聞かなくなり、目の前が真っ暗になり、意識が途絶えた。
◇
目を覚ますと、そこは、見知らぬ天井だった。
「こ…ご…は…」
思うように、声がでない。体を動かそうにも、何故か全身が重たい。時間をかけ、やっとの思いで、体を起こす。
どこだ? 病院か? でも、何故? 記憶を遡ってみる。
そういえば、裂け目に行ってから… ゴブリンに刺されて… そうだ!! 突然意識を失ったんだ。誰かに助けられたのか…
すると、部屋の扉が開いて、誰かが入ってきた。
「お兄ちゃん!!」
彼女が飛び付いてきて、俺はそのままベッドに押し倒させる。
「ヒック、ヒック」
「お…おい、どう…した…陽葵」
飛び込んできた、従妹の陽葵は、俺の上で泣いていた。
「だって…だって…」
頭を撫でてやると、少し落ち着いたのか、俺の上から降りてくれる。
俺は、ここが、どこか、陽葵に尋ねる。
「そ…それで陽葵、ここは?」
徐々に声も出るようになってきた。
「ここはね、●■病院だよ。」
●■病院? 確か、俺の家の近くにある一番大きな病院だった筈だ。
「お兄ちゃん、となり町の山の中で倒れていて、たまたま山に入って来た人が病院まで運んでくれたんだよ。それから、ここの大きな病院に移ったんだよ。」
「そっか… 俺はどのくらい寝てた?」
「半年だよ。」
「半年? そんなにか? でもなんで?」
「うん。お母さんがお医者さんに、聞いた話じゃあ、お兄ちゃん、未知の毒みたいなものに、やられたみたい。その毒のせいで、意識が戻らなかったの」
「毒?」
まさか、あのナイフに毒でも塗っていたのか、それなら未知の毒の説明がつく。
「お医者さんたちが、色々手を尽くして、ハンター?って人が治してくれたみたい。」
「そうか…心配かけて、悪かったな陽葵。」
ハンター?回復魔法の使い手でもいたのか。
「本当だよ。でも目を覚ましてくれて、良かった。私、お母さんに電話してくるね。」
そう言ってから、陽葵は、部屋から出ていった。
その後も、芳子叔母さんに謝ったり、リハビリをしたりと退院まで、数ヶ月かかった。
◇
今日、退院した俺は、自分の家に帰って来た。
「それにしても、久しぶりだな…」
家を見上げながら、呟く。玄関を潜り、家へと入る。
掃除は、芳子叔母さんや陽葵がしてくれていたみたいなので、ホコリなどは積もっていなかった。
俺はソファに座り、自分の手を見ながら、力を込める。
すると、目の前に、文字が浮かび上がる。
名前:星野光
レベル:1 性別:男 年齢:19
体力:50 魔力:40
攻撃力:20 防御力:30
俊敏力:20 知力:80
スキル:鑑定 天体使
称号:覚醒者
そう。自分のステータスだ。この数ヶ月の間に気づいたのだが、俺も特殊能力に目覚めたようだ。スキルの詳細を改めて見てみる。
鑑定 ・・・ あらゆる事を見ることが出来る。
天体使 ・・・ 星具、星神器や天神具などの特殊道具を使うことが出来る。
初めて、自分のステータスをみて、星具、星神器や天神具とはなんぞやと、思ったが、俺は腕についてあるブレスレットを見る。
射手座の腕輪 ・・・ 星神器の1つ。弓型。サイズは伸縮自在。矢は魔力で生成。解放呪文「サジタリウス」 アイテムランク:特級
俺は、解放呪文を唱える。
「サジタリウス。」
すると、ブレスレットが純白の1張の弓へと変わる。
戻るように、念じると、またブレスレットに戻る。
そうこれが、星神器だ。いつもつけてあったブレスレットが気づいたら、少し変化していたので、鑑定を使ってみて発見した。
発見したときは、ファンタジー武器に興奮したもんだ。
それにしても、俺が寝ていた間にも、調査団の成果はあがっており、世界は大きく変わった。
覚醒者の人数も爆発的に増えたり、世界では裂け目に潜る、覚醒者だけが入れるギルドと呼ぶものまで発足された。ギルドに入れば、パーティーもしくはソロで裂け目に入ることが出来るらしい、裂け目から発見されたアイテムやモンスターを倒した後にドロップする物の買い取りもしてくれるみたいだ。
そして俺も、ギルドに入ろうと思う。そうすれば心置きなく、裂け目を探索できる。その他も、様々な情報を公開しているので、再度今日中に調べて、明日登録にいくつもりだ。
さてと、それじゃあ情報をまとめようかな。
ソファから腰をあげ、調べ始める。
◇
次の日、俺はギルドにむかった。どうやって覚醒者を調べるのか気になっていたが、裂け目から発見された水晶が反応すると、覚醒者判定を受けるみたいだった。俺も無事に登録を済ませ説明を受けた。まぁ、話は買い取りがこうだ、ハンターのランクがこうだとかありきたりな内容だった。
早速、裂け目に行こうかと思ったが、ギルド内にある物販店に行ってみることにした。この物販店には、俗に言うポーションや裂け目産の武器なども売ってあるみたいだ。
「いらっしゃいませ~」
スキル:鑑定を使いながらアイテム類を見ていく。
ポーション系、武器と見ていき、裂け目攻略に必要な物品コーナーへと移る。
「!?」
俺は、あるアイテムの前で立ち止まる。
「すみません!! これは?」
店員の人が、アイテムの説明をしてくれる。
「それは、ポーションなどを入れることの出来る、ポーチですね。」
「そう…ですか。このポーチと後そっちのポーションを3本お願いします。」
俺は、腰ポーチと鑑定した中で、効果の高いポーションを購入した。
「ありがとうございます。」
カードでお金を払い、ポーチとポーションを受けとり、ギルドを後にする。近くのカフェに入り、ポーチを再度確認する。
冥王のポーチ ・・・ 天神具の1つ。鞄型。解放時、収納量無制限。収納時時間経過遮断。収納重量無。生物収納無。解放呪文「プルートー」 アイテムランク:特級
まさか、こんなとこで天神具があるとは思わなかった。
でも、店員さんは普通の鞄って言ってたし、どうなってんだ?
まさか、普通の物が星神器や天神具に変わっているのか?
お店周りでもしてみるかな。
では、早速。
「プルートー」
冥王のポーチは、少し輝いた後、元に戻る。見た目は変わってないな。ポーチを開け中を見てみると、物販店の時に見たときとは違い、底は見えず、真っ黒な空間になっていた。
試しに、先程買ったポーションを入れてみる。ポーションは3本とも入った。ぱっと見た感じ、ポーションは見えない。手を入れてみるも、ポーションに触れる感じはしない。
あれ? これってどうやって取り出すの?
肘くらいまで、ポーチに突っ込むも、何も触れている感じはしない。さて、どうしたものか。
今度は、先程入れたポーションを思い浮かべると、今度は手に感触がある。取り出すと、ポーションを取り出すことが出来た。
入れた物を取り出すには、思い浮かべればいいみたいだ。
再び、取り出したポーションを冥王のポーチに入れ、腰につける。
今日は、1度家に帰った後に、裂け目に挑もうかと思っていたが、そのままお店周りをすることにした。
大型ショピングモール、雑貨店、アクセサリー店などめぼしいところを手当たり次第に、見て周った。
気づけば、日も暮れていたので、そのまま家に帰ることにした。
今日の成果は、一言で言うなら、あったよ。そりぁ、あるかもと探し周ったけど、本当にあるとは思わなかった。
買った物を、机の上に並べる。
水瓶の水筒 ・・・ 星神器の1つ。水筒型。解放時、無限に水が出てくる。また、自身の魔力を込めることによって、万能の霊薬を出すことも出来る。解放呪文「アクエリアス」 アイテムランク:特級
乙女の首飾り ・・・ 星神器の1つ。首飾り型。解放時、状態異常無効。解放呪文「ヴァルゴ」 アイテムランク:特級
盾のブローチ ・・・ 星具の1つ。|ブローチ型。解放時、あらゆる攻撃を防ぐ。1度防ぐと壊れる。盾再構築まで5分。解放呪文「スクトゥム」 アイテムランク:準特級
小狐の獣魔指輪 ・・・ 星具の1つ。指輪型。解放時、小狐を召喚し使役する事が出来る。解放呪文「ウルペース」 アイテムランク:準特級
狼の獣魔指輪 ・・・ 星具の1つ。指輪型。解放時、狼を召喚し使役する事が出来る。解放呪文「ルプス」 アイテムランク:準特級
烏の獣魔指輪 ・・・ 星具の1つ。指輪型。解放時、烏を召喚し使役する事が出来る。解放呪文「コルニクス」 アイテムランク:準特級
避役の耳飾り ・・・ 星具の1つ。耳飾り型。解放時、自身やステータスなどを偽装する事が出来る。解放呪文「カマエレローン」 アイテムランク:準特級
かなりの収穫だ。今日1日を潰したかいもある。
とりあえず、明日に備え、休むことにした。
◇
次の日、目覚めた俺は、事前に用意していた物をポーチに全て入れ、出発する。目的地は、俺が見つけた裂け目だ。
割け目の前には、ギルドの職員らしき人がいたので、話しかける。
「すみません。」
「ん、どうかしたか少年。」
「裂け目に入りたいのですが…」
「少年が? カードは持ってるかい?」
カード? あぁ、ギルドで貰ったカードの事か。
俺は、ポーチに入れてあったカードを差し出す。
「5級ハンターか… 少年は1人か?」
カードを返してもらいながら、答える。
「はい。」
「一応、カードを持ってるから、入場資格はあるが、ソロだからな…」
どうやら、俺の事を心配してくれているみたいだ。
「大丈夫です。危なくなったら、すぐに戻ってきますので。」
「んー、分かった。何かあったらすぐ出てこいよ少年。」
「分かりました。」
俺は、職員に見送られながら、裂け目に入っていく。
入った後、早速ポーチから指輪を2つ取り出す。
首飾りや(片耳)耳飾りは、すでに装備してある。
指輪をつけ、解放呪文を唱える。
「ウルペース」 「ルプス」
すると、指輪が光だしはじけ、生物の形を形作る。指輪は無くなっていた。
目の前に、小さな黄金色の小狐と白銀の小狼がいた。
「コンコーン (ご主人様~)」 「ガウガウ (ご主人様)」
2匹は、俺に飛び付いてきた。
とりあえず、もふもふだったので、撫でまわす。
「コンコン (気持ち~)」 「ガウガウ (至高です!!)」
あれ、そういえば俺、何で言ってること分かるんだ?
とりあえず、撫でながら鑑定を使ってみる。
名前:ー
レベル:1 性別:♀ 種族:九狐
体力:100 魔力:300
攻撃力:40 防御力:60
俊敏力:60 知力:50
スキル:狐火 魔力操作 念話
称号:光の獣魔
名前:ー
レベル:1 性別:♀ 種族:神狼
体力:120 魔力:80
攻撃力:70 防御力:60
俊敏力:80 知力:30
スキル:超嗅覚 爪牙 念話
称号:光の獣魔
あぁ、この念話のおかげか。てか、2匹とも俺より強くね。まぁ、心強い仲間が出来たと思えばいいか。それにしても種族が、九狐と神狼か凄いな。詳細も見てみる。
九狐 ・・・ 9本の尻尾をもつ狐。尻尾の数が多くなるほど、強力になる。レベルが上がれば、尻尾の数が増える。
神狼 ・・・ 神獣の狼。高い攻撃力と俊敏力を兼ね備えている。
俺が思っていた通りの種族だ。
確認も終えたし、とりあえず名前をつけようかな。
小狐をキン、小狼をギンと名付けた。名付けた瞬間、名前もそれに変わった。
「それじゃあ行こうか、キン、ギン。」
「コン (はーい)」 「ガウ (はい!!)」
俺は2匹を連れて、奥へと入っていった。
◇
「ガウガウ (ご主人様、あそこにモンスターがいます!!)」
ギンの言われた所をみると、少し進んだ先の壁側に黒い物体が張り付いていた。あぁしているから前に来たとき気づかなかったのか。とりあえず、鑑定を使う。
名前:ー
レベル:10 性別:♂ 種族:暗殺小鬼
体力:150 魔力:30
攻撃力:40 防御力:60
俊敏力:60 知力:30
スキル:潜伏 短剣術
「コンコン (ここは任せてご主人様 狐火!!)」
キンが、前に出てスキルを使う。バスケットボール位の火球が、数個出現し、暗殺小鬼にむかって、飛んでいく。
「グギャギャギャギャ!!」
暗殺小鬼は、あっという間に燃え尽き消えてしまった。消えた後には、石のようなドロップ品が落ちていた。俺何もしてないんだけど…
「コンコン (誉めて誉めて、ご主人様~)」「ガウ (私も!!)」
キン、ギンが飛び付いてくる。
俺は、撫でながら、誉めてやる。
「良くやったぞ、キン、ギン。」
撫で終わると、再び進み出す。モンスターは、基本は、小鬼や暗殺小鬼だった。
その後も、キン、ギンが交互に倒していった。小鬼たちのドロップ品もキン、ギンがこぞって取ってきてくれる。だから、俺何もしてないんだけど…
キン、ギンのレベルも着々と上がっており、キンの尻尾も2本に増えた。俺のレベルも何故か、上がっていた。パーティーみたいなものだから、経験値が入っているのかもしれない。
体感で3時間ほど歩いた気がする。携帯や時計は裂け目の中では使えようだ。
すると、目の前に大きな扉が見えてきた。
ここが、最奥か?
さすがに、今まで何もしていないが、ボス戦は俺もやるつもりだ。
「キン、ギン。この先はたぶん、ボス戦になると思う。一応俺の指示に従ってくれよ。」
「コン (りょうかーい)」 「ガウ (承知!!)」
「サジタリウス」
俺は解放呪文を唱え、扉を開ける。
すぐに、目の前にいるモンスターたちに鑑定を使う。
名前:ー
レベル:20 性別:♂ 種族:小鬼魔法
体力:180 魔力:250
攻撃力:30 防御力:70
俊敏力:60 知力:80
スキル:火魔法
名前:ー
レベル:15 性別:♂ 種族:小鬼魔法
体力:130 魔力:200
攻撃力:20 防御力:50
俊敏力:50 知力:70
スキル:風魔法
名前:ー
レベル:30 性別:♂ 種族:強小鬼
体力:350 魔力:100
攻撃力:150 防御力:100
俊敏力:80 知力:50
スキル:棍棒術 怪力
称号:5級ダンジョンのボス
強小鬼と小鬼魔法が2体か。
「キン、ギン。横の2体を任せるぞ。」
「コン (りょうかーい)」 「ガウ (承知!!)」
小鬼魔法は、キン、ギンに任せたので、俺は強小鬼を相手にする。
「グガァァァァァァ」
強小鬼は、雄叫びをあげながら迫ってくる。
俺は弓を構えながら、魔力で矢を生成し、射つ。
矢はしっかり刺さるが、あまり効いているようには見えない。
ブンッ
迫ってきていた強小鬼は、棍棒を振り下ろす。
俺は横へ飛び退く。
ドゴーンッ
床は陥没していた。スキルも使っているのか、かなりの威力だ。
すぐに、体制を整え、矢を射っていく。
やはり、あまり効いていない。威力が強ければ…そう思うと、先程矢を生成した時よりもごっそりと何かが抜けていく感じがした。その矢を射つと、
「グギャ!!」
威力が高くなったのか、先程よりも効いている。
その後も、避けては射ち避けては射ちを繰り返しながら、強小鬼の体力が残り僅かなのを確認する。
横目でキン、ギンを確認すると、2人とも倒し終えていた。
俺は、避けるのをやめ今残ってある魔力を全て矢に込める。
「グガァァァァ」
強小鬼は、力一杯棍棒を振り下ろす。
パリーンッ
盾のブローチの効果で攻撃を防ぐ。俺は体制の崩れた強小鬼目掛けて、矢を射つ。
矢は強小鬼を突き抜け、天井に突き刺さる。
強小鬼が消滅するのを確認し、俺の意識は途絶えた。
両頬に生暖かい感触がする。
目を覚ますと、キンとギンが左右から俺をなめていた。
「コンコン (ご主人様、大丈夫?)」
「ガウガウ (大丈夫ですか、ご主人様!!)」
俺は、2人の頭を撫でながら起き上がる。
「大丈夫だよ2人とも。」
たぶん、魔力を全部使ったせいで、倒れたんだろう。
ドロップ品は、2人が持ってきてくるていたのか、俺の横に置いていた。それをポーチに入れる。
ふらつきながら、周りを確認すると、中央に宝箱と魔法陣らしきものがあった。
歩いていき、宝箱を確認する。罠もなく、鍵はかかっていない。
開けてみると、1本の瓶が入っていた。調べると、
完全回復薬 ・・・ 体力を全回復できるポーション。
確認後、キンとギンを抱えて、魔法陣の上に移動すると、魔法陣が光だし、俺は裂け目の前に転移していた。転移前にキンの尻尾は、新しく覚えたスキルで見えないようにして貰った。
「うぉ!! なんだ少年か、それにしても、どこから? それに、その抱えている動物はいったい?」
職員の質問に答えようとすると、
ビキッビキッビキッ
裂け目が閉じていった。
「!? 裂け目が閉じてる!! まさか、少年攻略したのか!!」
「まぁー、はい。」
その後も少し職員の質問に、受け答えし疲れた俺は、ギルドの寄らず家に帰った。
帰るときに、周りからジロジロとキン、ギンを見られていたが、知らんぷりをし、乗り切った。
「疲れたぁ~!!」
帰りついた俺は、居間のソファに寝転んだ。
そのまま、今日どのくらい強くなったのか、ステータスを確認する。
名前:星野光
レベル:22 性別:男 年齢:19
体力:280 魔力:370
攻撃力:70 防御力:80
俊敏力:60 知力:100
スキル:鑑定 天体使 弓術 魔力操作
称号:覚醒者 ダンジョン攻略者(5級)
しっかりと、レベルも上がり、スキルも増えていた。
今度は、キン、ギンのステータスを確認する。
名前:キン
レベル:25 性別:♀ 種族:九狐
体力:280 魔力:600
攻撃力:100 防御力:120
俊敏力:100 知力:70
スキル:狐火 妖術(幻惑) 神通力 魔力操作 念話
称号:光の獣魔 守護者
名前:ー
レベル:25 性別:♀ 種族:神狼
体力:400 魔力:150
攻撃力:180 防御力:150
俊敏力:130 知力:40
スキル:超嗅覚 爪牙 咆哮 神風 念話
称号:光の獣魔 守護者
キン、ギンもしっかりと成長している。てか、俺よりも完全に強い。
俺もキン、ギンに負けないように頑張ろうと思い、キン、ギンを連れて、今日の疲れを癒すため、お風呂場にむかった。