第7話 生物学者本領発揮
まさかゴブリンがノックバック攻撃をしてくるとは、思ってもいなかったが、幸い【症状緩和】のおかげで最大で700くらいあるHPで1ダメージしか受けなかった。しかし、ぶっ飛んだ俺はたまたま近くいたプレイヤーの目に入ったらしく、すごい笑い声が聞こえたような気がしたが、無視しよう! うん、無視しよう。
よし作戦変更正々堂々戦います! 恥をかかないように!
俺はもう一度ゴブリンのほうに走り出した。
「生物図鑑!」
レア種という通常のゴブリンと少し色が違い知能が少し高いらしいとさらにレベルも高くスキルで攻撃時、まれにノックバック(強)を打つみたいだな、ついてないな……少し気を落としながらも俺はゴブリンに近づいて振り落としてきた棍棒に殴りを入れた。思い通り棍棒が手から飛んでいき、ゴブリンの体がのけぞり俺は繰り出せる最速で拳を3発連続ゴブリンの腹に打ち込んだ。
「お返しだ!」
スキルのおかげで2倍になった幸運でたまたま1発目でクリティカルが出て2倍のダメージが入り、続いて2発目、3発目と防御無視の攻撃をしたから、40ほどダメージも与えることができた。
「さっき確認したらHP413だった、楽勝だな!」
追撃を加えようとノックバック(中)で飛んでいった、ゴブリンに近づくと、気絶していた。
「チャンス!」
さっき顔ぶっ叩かれて痛くはなかったが、恥をかいたので、ここぞとばかりに顔をタコ殴りにした。弱点なのか30ほどダメージを与えられた。
『スキル【極悪非道】を取得しました』
「ひどい言われようだな、やり返してるだけじゃないか」
すると30くらいしか与えられなかった、ダメージが60になった。
そういうことか、気絶状態の敵に2倍ダメージを与えられるのか。
するとゴブリンが目覚めた、すぐに俺は距離をとり構えた。
「残りHPは110ちょいか、おら!」
ゴブリンに殴りかかる、ゴブリンは棍棒がなく素手で受け止めようとしたが、常時ノックバック(中)つきの俺を止められず、そのまま一方的に殴り倒した。
『レベルアップ! レベルが6になりました』
「まじか!」
レベル4だった俺はレベルが2も上がったので驚いた、そしてそのあと一体普通のゴブリンを倒したがそこまで経験値は手に入らなかった。おそらくレアモンスターは経験値が高いということだろう。
そういやさっきの笑い声、聞き覚えがあるような、まあ気のせいか。
俺は少し疲れたので、【生物図鑑】を使いながらモンスターとの戦闘を避けて森の奥に進んだ。
これは【生物図鑑】の応用だ。発動さえしておけば視界内に入った対象の情報がわかる、つまり索敵として使うことができるのだ。あのレアゴブリンと戦っている時【生物図鑑】解除せずに戦っており遠くに見えた別のゴブリンの情報が現れた。それで思いついたのだ。
そして10分くらい進んだ先に洞窟みたいな場所を発見した。
「ダンジョンか? まあ入ってみるか」
そうしてその洞窟に入ると……
――ここから先はダンジョンです。ダンジョンの周りにいるモンスターより強力なモンスターが出ます――
という警告が目に前に現れた。
「やっぱりか、危険かもしれないだが入ってみたい! そして俺の本能が入れといっている!」
そうしてダンジョンに入ると、まずダーティスライムという紫色のスライムが三体現れた。攻撃してくすかと思ったら、何かを俺に吹きかけてきた。
するとウイルスに感染しました。と俺の視界の右上に現れ、すぐに 解除しましたと表示された。
「こっこれは俺が待ちに待ったウイルスを持ったモンスターか!」