第3話 免疫力極振りに決定
「アイ流石にこれっておかしくないか?」
「確認してみます、少し待ってくださいね」
確かに現実の俺は免疫力が高いかもしれないが、これはゲームだ。現実逃避のためのゲームだ。なんで現実を再現してるんだよ!攻撃力なんてゴミじゃん運動神経なさすぎだろう……
「システムの異常か確認しましたが、正常です。安心してください!」
いや安心できないよ!状態異常専門の盾役なんかいらんだろしかも防御力も低くて序盤は雑魚キャラでもまあまあくらうだろう。と心の中で嘆いた。
「えっと……プレイヤーの初期ステータスで今のところ1番免疫力高いですよ!攻撃力、防御力、俊敏は最弱ですけど……」
最後のが余計だ!俺が夢見た剣士になるには攻撃力を上げなければいけないから、レベルを上げなければいけない、そのためには攻撃力が足りずなかなか上がらない。無理だな……
「時間かければだっ大丈夫ですよ……あれ、スキルがある、もっもしかしてユニークスキル!しかも名前が???になってます!こんなの初めて見ましたよ!」
俺はその言葉に一筋の希望を見出した。さっきは偏ったステータスに気を取られスキル欄まではみていなかった。よし来たー!
「どっどんな効果ですか?」
「ブフッしっ失礼しました」
おいコイツ笑ったぞ、いやいやいやユニークスキルが弱いわけないよな、うん勘違いだ多分、いやそう願おう。
「言いにくいんですが、雑魚スキルです、どこかがっていうと毎秒最大HPの1%ずつ回復する。しかし、代わりにレベルアップ時に入手できるステータスポイントは免疫力にしか振れなくなります」
まあ少し予想はしていたが、実際分かるとここまで気が沈むとはな……しかもシステムで強制的に極振りコースか……
「アイ……新しいデータってどうやったら作れるんだ?」
アイが先ほどの笑い顔とは違った苦笑いのような顔を浮かべた。
「残念ながら作り直しはできません、もしそうすると多くのプレイヤーがかなりのステータスになるまで作り直し続けて新規プレイヤーさんが遊びにくくなるかもしれなくて、データは削除出来ません」
まあこれが俺の運命なんだろう。悩んでも仕方ない、気を取り直してこれでも強くなれるよう努力しようじゃないか!
「次はジョブと武器の選択です!」
おい俺を馬鹿にしているのか!と言いそうになったがぐっと堪えた。
「自分だけで選んでもいいか?」
「はい、もちろんいいですよ、では一度ここからいなくなりますがお呼びいただいたらいつでも帰ってきますので、では」
するとアイの体が光ったと思ったらアイはいなくなった。やっぱりVRMMOすげぇな!じゃあ頑張って免疫力を生かしてやるよ!