第4話
はじめまして、カヲルさん。
メールありがとうございました。
できましたら私のことは
「しもらー」と呼んでくださいますか?
このHNは作家やマンガ家のカテゴリで
使っているものなんですが
一番好きなHNなんです
PNは別にあるんですけど
カヲルさんにはそのHNで
呼んでもらいたいです。
ええと。
痛烈なご指摘、ありがとうございました。
正直いってムっとしましたけど(爆)
でも、確かに
被害妄想気味であることには間違いありません。
それは認めます。
だけど、これからも
書かないという約束はできないかもしれません。
できましたら
私が暴走しそうになったら止めてもらえますか。
>私はあなたの味方です
嬉しいです。
私がどんな人間だろうとも
いつまでも味方でいてくれたらいいなと
そう願っています。
それではこれで失礼いたします。
【しもらー】
****************
こんなレスでいいのかなあ。
カヲルさん、怒ったりしないかなあ。
どうもいまいちメールの書き方ってわかんない。
考えてみたらまだメールってもらったことなかった。
当然レスもしたことない。
出してしまってから、急に怖くなって取り消したかったけれど───もう遅い。
いったん送信してしまったら、世界が終わったってどうしようもないんだ。
でも、手紙だって同じことだよね。
まあ、収集にくる郵便屋さんを張り込んで待って、とっ捕まえて取り返すんなら別だけど。
でもさ。
そういう勇気が私にあるわけないし。
そういえば、手紙って夜書くもんじゃないってね。
夜書いた手紙は朝になってもう一回読み返してみると、顔から火が出るくらい恥ずかしい内容に読めるらしい。
だから、夜に書いた手紙は必ず読み返せって、何かで聞いたことがある。
うーん、失敗したなー。
いったん待って、朝になってから読み返してから送信すればよかった。
メールは来たらすぐ出せって、ネットマナーの本に書いてあったから、読んだらすぐ出すんだーって意気込んだのがまずかった。
ううう…どうしよう。
怖くなってきた。
そのままだんまりされるならまだしも、いきなりいぢわるとかされたりしたら───
レス出した後、私は悶々として眠ることができなかった。
当然、朝まで定期的にメルチェをし、来てないことを確認してはますます不安を増大させていったのだ。
そんなふうにして、最初のメール交換は最低の始まりとなったのだった。