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メラバ  作者: 谷兼天慈
31/51

第31話

これからも。



迷惑かけると思うけど、よろしくね。


迷惑って「これが迷惑だ」っていう定義はないよね。

私が「迷惑だ」って思うことが他人にはそう感じられなくて、

他人が「迷惑よ」って言ってることが私にはそう思えなかったり。


だから、「こういうことは迷惑だからやめよう」とかっていうの、

他人には言えないんじゃないかなって思う。

「その迷惑」は、絶対的なものじゃないんだもん。


「自分が迷惑だからやめてよね」っていうのはアリだと思うけどね。

でも、それは当人同士の問題であって、

すべての人に当てはまるもんじゃない。

二人で勝手にやればいいって思うんだけど。


カヲルさん。

頼み事しちゃったけど、迷惑じゃなかった?


****************************


安眠



メールチェックをしておくれよね

頼まれていたものを送ったよ

恐らく君は怒らないと思うが

もしかしたら笑うかもね


これで今晩から安らかに眠れるよ

おやすみ



****************


 もうすぐ私の誕生日。

 7月9日は私がこの世に生まれてきた日。

 私がこの世界に生まれてきたことで、何がどう変わったかなんてわかんない。

 私のせいで不幸になった人もいるだろうし。

 私のおかげで幸せになった人もいるだろうし。

 いったい、それらがどんな意味を成すのか───私にはわからない。

 でも。

 わかったところでどうなる。

 どうもなりはしないよね。

 私は私だし、生まれてきたくなくても、私は否応なく生まれてきてしまったわけで。

 父や母はその瞬間は喜んでくれたんだろうけど、果たしてこんなふうに成長してしまった私をどう思っているのか……聞いてみたことはない。


 普通に成長すればどんなによかっただろうにと思う。

 というか、普通っていったいどういうのが普通なのか、それさえも私はわかんない。

 ただ、こんな普通じゃない私でも、たった一人だけでも私を愛してくれる人がいる。


 カヲル───


 こんなにも私のことをよく理解してくれる人は、今までにいなかった。

 父や母だって──私の成長を見守ってくれてた彼らだって、私の本質、私の想い、私がいったいどういう人間であるかなんてわかってはいなかった。


 カヲルに頼んでいたこと。

 それはひとつの詩だった。

 私の誕生日に、サイトのトップを一日だけリニュするのに合わせて、トップで飾る詩をぜひともカヲルに書いてもらいたいと頼んだの。

 そして、そのバックに私が作成したMIDIを流そうと思って。

 曲はヘンデルの「調子のよい鍛冶屋」

 私はこの曲が一番好きなの。

 調子のよい───まるで私のための曲だわと子供の頃から思っていた。


 そうしてできあがった記念トップ。


 カヲルに愛と感謝を捧げつつ、私は7月9日を待ち続けよう。

 何か新しい展開を期待して。

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