第24話
逢いたいです。
いてもたってもいられないです。
今すぐあなたに逢いたい。
逢って、直接私の言葉で話したいです。
辛かったこと、悲しかったこと、
夢や想いや自分のことを。
逢ってはもらえませんか。
無理なお願いでしょうか?
【しもらー】
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ついに言ってしまった。
だって、本当に逢いたいんだもの。
私のことを理解してくれるのはカヲルしかいない。
本当の私を知っているのは彼しかいない。
たとえ、世間が「それは本当の愛じゃない」って言おうとも。
本当の愛っていったいどんなもの?
それを言いきる人はいったい何様のつもり?
誰にも「本当の愛」を決めることはできないんだから、これが私にとって本当の愛だと信じたら、それが本当の愛だよ。
他人にとっては本当じゃないかもしれないけれど、私にとっては本当なんだ。
だったら「その愛は、私にとっては本当の愛じゃないね」って、そう言うべきだよ。
まるで、すべての人が自分に同意するような、そんな言い方なんてやめて。
…って、誰かがそう言ったわけじゃないけれど。
ああ…でも。
もしかしたら、私、少し頭がおかしくなってるかもしれない。
だって、誰かの声が時々聞こえる。
女のような男のような、いろんな声が聞こえる。
ずっと、ずーっと前から、何だか夢の世界を漂っているような、そんな不確かな感覚が私を捕らえることがあったりして。
私、ちゃんと生きてるよね?
まさか死んでないよね?
死んだ人が、自分が死んだことに気づかずに、生き続けている夢を見ているっていう物語を前に読んだことがあるけれど。
まさか、私も夢を見続けてるってことないよね?
だから。
だから、私は逢いたいのかもしれない。
私という存在が、ちゃんと生きてるっていう証拠がほしいから。
お前はちゃんと現実に存在してるんだよって、私の目に耳に焼き付けてくれる人を。
それを求めて、逢いたがってるのかもしれない。
不思議よね。
私の周りにちゃんと現実に生きてる人がいるっていうのに。
なんで、逢ったことも声を聞いたこともない人が、私のことを現実に生きているって証明してくれるっていうんだろう。
なんで、そんなことを信じられるんだろう。
私って、やっぱり狂ってるのかも。
私って、やっぱり現実じゃないのかも。
誰か、私をギュッと抱きしめて。
私が夢じゃないってことを、私に教えて。
お願い、カヲル───お願い。




