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メラバ  作者: 谷兼天慈
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第20話

なにさ。


ネット世界に帰ってきたんだったら、

ワタシのとこに来たらいいじゃん。

最近メールもなくてどうしたんだろう───

どっかでのたれ死んでんじゃないかって思ってた。


彼女のとこにわざわざカキコに行かなくてもさ。


ワタシ怒らないよ。

…でも、ちょっとだけ怒ってるかも…。


ううん、ごめんなさい。

ワタシが悪かった。

お願いだから来てちょうだい。

淋しかったんだよ。


****************


 ほんとはホッとした。

 しばらくメールも来ないし、掲示板にはカキコに来ないし。

 どこに住んでるのかわかんないから、TVのニュースで、どこだかの誰かが刺されたとか、大きな事故に巻き込まれてしまったとか───そして、それが元で死んでしまったとか見るたびに、もしやカヲルではと思ってた。

 あとは、嫌われてしまったのだろうかとか思ったりして、とにかく毎日毎日、来る日も来る日も、悶々悶々して過ごしてた。

 頭がおかしくなりそうになってたんだ。

 で、それがいきなりでしょ。

 最初はホッとしたんだけど、少し落ち着いてきたら「じゃあ、なんで私のとこにカキコに来ないの?」と思い始めた。


 Tは掲示板で仲良くなった子だった。

 その彼女のことはメールで話したこともあったんで、確かに彼としてはまったく知らない人のところよりは書きやすいっていうのがあったんだろうと思うけど。

 だけど、私とのほうが親密じゃない。

 久々にネット界に帰ってきたんなら、最初に私のとこに来てくれたっていいじゃない?

 私、ワガママかなあ。

 ワガママなんだろうなあ。

 でも、そういうワガママ、今まで誰に対しても言ったことなかった。

 だって、旦那とはほとんど一緒に過ごすってことなかったから、ワガママ言いようがなかったし。

 実家の父母はとてもワガママを許してくれるような気質じゃなかったし。頭堅いし、考え方も古いのよ。


 あー、もう!!

 なんでこんなにイライラするかなあ。

 誰かと仲良くしているとこなんか見たくもない。

 誰かに優しく声をかけないでよ。

 私だけに優しく声かけてよ───たまにいぢめるけど。

 彼は私のものよ。

 誰かに気が向いちゃうのだけはイヤ。

 私だけ見てて。

 私のことだけ考えて。

 私のことだけを愛してよ。


 カヲルの言葉が好きだった。

 確かに現実に囁かれたら吹き出しちゃうかもしれないけれど。

 それでも私は、カヲルの言葉を切実に待っていたのだ。

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