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大宇宙へと続く橋  作者: こめかみ
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1話 入社

初めて投稿します。

読みにくい文章になっていると思いますが付き合っていただけたら幸いです。

つまらないかもしれませんがよろしくお願いします。

 「使えないわねぇ、あんたもうやめたら?」

 入社式から1時間、いきなり先輩社員から退職を勧められた。


 大学を卒業し、3月末ギリギリに決まった会社は宇宙開発を行っている会社だった。

そもそもなぜ3月末ギリギリまで就職が決まらなかったかというと俺の書いた卒業論文の内容に理由がある。

 [地球外生命体の地球侵略の危険性]

 この分けのわからないB級映画で使い古されたであろう内容の論文のせいだ。

 Y大学の宇宙情報学部に所属していた俺は卒論の提出前日まで宇宙人が地球侵略してくる映画を観まくっていた。特に理由も無く卒論の提出が間に合いそうにないので現実逃避で部屋の掃除をしている時だった。ハリウッドの名作[インデペンデンス〇イ]をベッドの下から発見してしまった俺はなぜかこの瞬間無性に観たくなってしまった。そして気が付いたらこの手の内容の映画を朝まで何本も視聴してしまっており謎のテンションのまま書き上げた論文がアレだ。

 正気になったときに提出はあきらめようと思った。思ったのだが教授の「今日中に提出できない奴は留年確定」という一言で提出するしかなくなったのだ。

 もちろん呼び出された。呼び出されたのだが無駄に内容が濃かったせいか笑いながら「まぁ面白いからいいんじゃね」と言われこの件についてはこれで終わった。終わりだと思っていた。

 思っていたのに、どこから漏れたのか学校中の奴らが俺の論文内容を知っていた。それだけでなくなぜか就活で面接に行くたびに「この論文書いたの君?www」など言われことごとく落とされたのだ。というか、もらしたのは絶対にあの教授に決まってる。絶対あいつだ、ゆるさねえ

 そんなこんなで3月ギリギリに決まった就職先は宇宙開発を行う中小企業[ギャラクシア]だ。

 面接のとき面接官にめっちゃ笑われながら論文の説明をさせられたときは落ちたと思った。がなぜか採用されっていた。よかった、マジでよかった。

 新入社員は俺含め3人、特に何もなく入社式が終わり(司会のお姉さんはとても美人だった)配属先の[最先端宇宙開発部]の部屋に行くように指示を受けその部屋へ向かった。

 第一印象、そう第一印象は大切だ。社会人は第一印象でそいつが使えるやつかどうかを見られてしまう。まぁ俺に関しては入社前からあの論文のせいで今更第一印象も何もあったもんじゃないかもしれないが第一印象は大切だ。

 そのことを胸にドアをノックした。

「・・・」

 返事がない、もう一度ノックをする。

「・・・」

 返事がない、・・・埒が明かないので返事はないがそのまま部屋へ入る。

「失礼します。今日からお世話になります。長月宙太です。よろしくお願いします。」

 大きな声で、ハキハキと、我ながら完璧なあいさつだ。しかし、部屋からは応答の気配がない。それどころか明かりすらついておらず部屋の奥のPCが一台稼働しているだけだった。

 おかしい、なにかがおかしい、部の名前の印象からして多くの社員が活発に意見を言いながら開発を行っているものと思っていたがこれはおかしい。ふと腕時計を見る。10時15分 とっくに始業し、業務が行われている時間だ。なのにこの暗さ、ほとんど稼働していないPC、山積みの段ボール、部屋を間違えたかと思いドアの表示を確認するも間違えてはいないようだ。

 どうしたものかと悩んでいると廊下から入社式で司会をしていたお姉さんがやってきた。確か名前は佐々木千咲さんだったはずだ。

「ごめんねぇ、ハルちゃんまだ起きてなかったぁ?」

 おっとりした雰囲気で美人で声まで可愛いという2次元の住民じゃね?めっちゃ可愛いんですが、というかハルちゃん?

「ハルちゃんって誰ですか?」

「あぁ、この部署の責任者、桜咲春っていうの。ハルちゃん最近忙しかったから家に帰らず泊りで仕事してたみたいなのよねぇ、新入社員が来るから早めに起きといてっていったのにぃ」

 そう言いながら部屋の電気を付け部屋の奥へと入っていく佐々木さん

「またこんなとこで寝てるぅ、ハルちゃん、起きて、新入社員の子来てるわよぉ」

「ぅんん~、千咲?新入社員?なにそれ、来週じゃなかったっけ?」

 そう言いながら机の下から寝袋を脱ぎながら起きてきたのは紛れもなく子供だった。


 眠そうに目をこすりながら起き上がった見た目中学生くらいで髪は肩にかかるくらい、童顔で可愛い顔の女の子は俺の姿を見つけるなり

「何あんた、ここあたしの部屋なんだけど」

 わけのわからないことを言い出した。あたしの部屋?なに言ってんのこの子

「あの~、この子って」

「あぁこの子がハルちゃん、桜咲春 この部署の責任者よ」

 んん?責任者?この子が?

 俺が顔に疑問符を付けながら見ていると

「何よ、文句あんの?あぁ?」

 めっちゃ威嚇してきた。ガラ悪いなコイツ

「いえ、何もないです。すいません。」

 とりあえず謝っておく

「っはぁ~、で、何コイツ?」

「だからぁ、新入社員の子だってぇ。長月宙太くん、こないだいってた子よぉ」

「? あぁ、あの変な論文のヤツか」

 このお子様人のことを指差しながら変な論文のヤツとか言ってきた。というかやっぱり論文のことは知ってるのね

「あんな論文よく書けるわよね。どんな顔してんのかと思えば冴えない顔してるし、いかにも個性出したくて書きましたーみたいな内容で滑ってるし、逆に笑えてくるわ」

「そこまで言ったら可哀そうよぉ。長月くんだっていろいろ思うところあったんだと思うしぃ」

 フォローしてくれてありがたいけどその優しさが逆に辛い。

「あれは気の迷いというかなんというか黒歴史みたいなものなんで忘れてもらえると・・・」

「そうなの?私は面白いと思ったんだけどなぁ。宇宙人が乗ってくるUFOのギミックの話とか」

「あぁ、あれね無駄に設定が凝っててあれじゃ論文ってより妄想小説って感じだったわ」

 なんで内容まで知ってるのか知らないがマジで勘弁してほしい。

「いやー、ちょっとその話は・・・いやマジで勘弁してください」

「ふぅーん、まぁいいわ。でコイツがうちの部新入社員ってわけね。なんでこんな冴えない奴にしたのよ、もっとましなのいなかったの?」

「そういうこといわないの。長月くんだってそこまで悪い子じゃないでしょぉ。それに会議に出てこなかったハルちゃんが悪いじゃない」

「それはそうだけど、はぁ今更言ってもしょうがないか。雑用係くらいはできるでしょ」

 どうやらこの小さな責任者さんは俺がお気に召さないらしくえらくキツイことを言ってくるが一応仕事はあるようだ。

「よろしくお願いします。」

 一応もう一度あいさつをしておくが無視された。


 俺のあいさつを華麗にスルーした後PCに向かった桜咲は何やらカタカタしながら

「あんた暇ならその辺のいらない書類捨てといて」

 そんなことを言ってきた。いやどれがいらないのかも分かんねーし。

「あの~、どれがいらない書類なんですか?」

「その辺の全部。あっちにシュレッダーあるから全部掛けといて」

 そういって部屋の隅を指差す。全部というとこの段ボール10箱くらいにぎっしり詰まっている書類すべてなのだろうか。どんだけためてんだ。

「わかりました。」

 とりあえずガーガーシュレッダーに掛けゴミをまとめて、ガーガーシュレッダーに掛けてゴミをまとめてと。

 15分くらいしたころに桜咲が何かを探し始めた。

「ねぇ、ここにあった書類は?」

 そういって後ろを指差しながら聞いてきた。

「捨てました。」

 そう、その書類は今しがた俺がシュレッダーに掛けゴミ袋に詰めたものだった。

「はぁ⁉捨てた⁉なんで!」

「いや、桜咲さんが全部捨てろって」

「何バカなこと言ってんのよ!ココのだけどけといたでしょうが!」

 ヤバい。大変お怒りのようだ。だがそこにあった書類は全部一か所にまとめてあったはずだ。1つだけどけてあったなんてことはなかったと思うが、

「どけてませんでしたよ?」

「ふざけんじゃないわよ!少しどけてあったわよ!あぁーあの資料がないと明日のプレゼン間に合わないじゃない。まったく何やってんのよ!」

 なんだか理不尽に怒られてる気がしないでもないがちゃんと確認しなかった俺が悪いのには違いなかった。

「すいませんでした。ちなみにPCにバックアップとかってないんですか?」

「ないわよ!古い資料だから今からスキャンしてデータ化しとこうと思ったのにあんたが捨てるから。はぁ、もういいわ。別の今から探すから」

 入社1時間早くもやらかしてしまい怒られた。

「使えないわねぇ、あんたもうやめたら?」

 入社式から1時間、いきなり先輩社員から退職を勧められた。



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