表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

光の向こう

作者: とろめぐり

 目の前には光があった。

 その光の方へ行けば出口なのかもしれないが、僕は座っていた。

 光の向こう側にいってなにがあるのだろうか?

 楽しい?

 嬉しい?

 感動?

 希望?

 夢?

 考えた。だが、そんなのが待っているからってなぜ光の向こう側に皆はいくのだろう?

 人はみな臆病な生き物なはずだ。なのに好奇心旺盛な愚かな生き物である。

 だから後先考えず、光の向こう側にいってしまうのだろう。

 僕のそばにいた奴らもみんな光をみるや、全員いってしまった。

 だからこの暗闇にいるのは僕だけ。

 他にいるかもしれないが、多分僕だけだろう。恨みや憎しみ、苦しみの声が聞こえないから。


 みんなここには戻ってこなかった。

 だから僕はただ一人、いつもどおりに呟く。

 苦しい、悲しい、憎い、つらい……

 僕はずっとこうして一人呟く。

 あの光の向こう側に行けば、幸せな日々が待っているのであろう。

 だけど僕にはそんなのはもう無理だ。

 この世界に馴染んでしまった。

 あそこになんていけるはずがない。

 みんなみたいな勇気なんてない。

 弱いんだ。僕は弱いんだ。

 こんな場所に一人でいるのはつらく寂しい。

 でもあそこにいく勇気もない。


 僕はいったいどうしたらいいんだ?

 動けない。でも行きたい……

 寂しいよ。悲しいよ。つらいよ。涙が溢れでてくるよ……


 誰かきてよ……

 こんな僕を見つけに……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 光の向こう。考えただけでも恐ろしいですよね。 それが本当に来るとも限らないし、実際何が待っているかわからないから。 立ち止まってしまうのは悪いことではないのですよ。暗い気持ちは私にもあります…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ