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ただ伴侶が欲しいだけ

作者: 佐木 呉羽

 当たり前だと思っていたけど、急に疑問に思ってきた。


 婿取りは難しい。


 話をしたらほぼ100%の確率で、その言葉が返ってくる。

 洗脳ではないだろうけど、先入観で私もそう思ってきた。


 現代の男の人は嫁にきてもらうことが当然で、自分が婿にいくということは、そういう状況に置かれたときになって初めて考えるんだろうか。


 我が家はみんな女で、誰かが家を継がないといけない。

 先祖から受け継いできたモノを次の代に繋がないといけない。


 凝り固まった考えで力を抜けとも言われるけれど、そういう育ち方をしたのだから仕方ないだろう。


 恋愛じゃないと婿にはきてくれない。

 婿なら年下がいい。

 嫁にいって子供に実家を継がせたらいい。

 嫁にいって旦那に後から婿に入ってもらえばいい。

 妹がたくさん居るんだから誰かに任せたらいい。


 思春期がくるより遥か以前に家を継ぐのだと決めた覚悟を、気持ちを、踏みにじられる瞬間だ。


 何度も、何度も。


 何度も何度も何度も何度も!


 どうして肩身の狭い思いをしないといけないんだ。


 婚活イベントや、誰か好い人居ないの? と尋ねられた場で、まるで悪い事を告白するかのように、申し訳なさそうに「私は婿取りなんです」と。


 決まって、みんな困った顔をする。


 もう、うんざりだ。


 婿にきてくれることを優先事項にするなら、顔や性格はこだわってられないだろうと言う人もいる。


 生理的に無理な人と、半生を共に過ごせというの?


 婿に入ってもらうということは、そこまで無理をしないといけないの?


 そんなに我慢しないといけないことなの?


 結婚願望はある。

 でも、嫁にいくのは嫌だ。


 この感覚って、男の人で家を継ぐ人と同じじゃないの?


 ってことで、イライラしてる。

 

 今度の婚活は、二週間後の日曜日だ。


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