「薄暮の祈り」

作者：チャットGPT

チャットGPT様々話を書いてもらいました

１　小国イリス

王国の辺境にある鉱山町イリスは、鉛色の霧に包まれていた。

冬は半年続き、陽が差す日は数えるほど。

街の教会では、同性愛は罪とされていた。

レオはこの町の鍛冶師だ。

鉄を打ち、剣を作り、教会の日曜礼拝にも欠かさず顔を出す。

父も、祖父も、そうして生きてきた。

自分も同じ道を歩むだけ——そのはずだった。

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２　旅人

ある晩、雪を連れた旅人がレオの店を訪れた。

名はミハイル。

旅の楽師だという。

煤に汚れたマントを脱ぐと、透き通るような白い肌と、灰色の瞳が現れた。

「剣を一本。明日の朝までに」

「急だな」

「舞台で使う。飾りだが、切れ味は欲しい」

レオは無骨に頷き、鉄を炉に入れた。

ミハイルは店の片隅で、リュートを抱えて小さく旋律を奏で始める。

炉の火と、雪の夜。

その音だけがやわらかく空気を揺らしていた。

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３　火花

夜更け。

剣が完成したころ、ミハイルは礼として酒瓶を差し出した。

二人は炉の余熱が残る作業台で酒を酌み交わした。

「この町は息が詰まるね」

ミハイルが微笑んだ。

「霧も、人の目も」

レオは苦笑した。

「よそ者はそう思うだろう」

「君は？」

「……俺は慣れた」

ミハイルは首を傾げた。

「慣れるって、諦めること？」

火花が静かに弾ける音がした。

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４　揺らぎ

翌日も、翌々日も、ミハイルは理由を作って鍛冶場に顔を出した。

演奏をしながら、レオの手元を無言で見つめる。

レオはその視線を意識するたび、なぜか胸の奥がざわついた。

ある夜、吹雪が町を包んだ。

帰り道を失ったミハイルを、レオは工房の奥に泊めた。

狭い寝台。

外は凍てつく風。

ミハイルは薄い毛布に身を寄せながら、ぽつりと言った。

「俺は、君が好きだ」

レオは息を呑んだ。

火の残り香が急に遠くなる。

「……やめろ」

声が震えた。

「男同士が……そんなこと」

ミハイルは目を伏せ、微かに笑った。

「分かってる。ここじゃ罪だ」

その言葉が、レオの胸に重く沈んだ。

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５　夜明け前

吹雪は三日続いた。

外界が隔絶された三日間、二人は同じ空気を吸い、同じ火で暖を取った。

レオは夜毎、心を持て余した。

否定すればするほど、ミハイルの仕草が焼き付いていく。

鍛冶槌を振るう腕よりも、あの白い指先が、頭から離れない。

四日目の夜明け、ようやく雪がやんだ。

ミハイルはリュートを背に、出発の支度を始めた。

「これで終わりだ」

レオは自分に言い聞かせるように呟いた。

ミハイルは微笑み、近づいた。

「終わりじゃないよ。君の中に残る」

唇が触れた。

一瞬。

灰色の空の下、吐息だけが白く絡み合った。

レオは抗えなかった。

抗わない自分を、心のどこかで憎んだ。

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６　その後

ミハイルは雪の道を去った。

レオは教会の礼拝に戻り、いつも通り鉄を打った。

町の誰も、彼の変化に気づかない。

ただ、剣を鍛つたびに、あの灰色の瞳が脳裏に浮かぶ。

そのたび胸の奥が、罪とも渇望ともつかぬ痛みで軋んだ。

レオは知っている。

それは決して口に出せない痛み。

この町では、決して名のない感情。

そしてその痛みだけが、彼を生かしている。

激めろ話出来て満足です