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処刑人ZERO  作者: 月未来
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孤児院施設の記憶2

 冬なのに、高気圧が季節外れの暖気をもたらす。

その為、大気の状態が不安定となり、ゲリラ雷雨となった。



ピカッ❗……ゴロゴロ……ゴロゴロ…………



 ゲリラ雷雨の大雨の中、《ミカリン》はタクシーで孤児院施設へと急いでいた。

 氷河は物置のロッカーの中、真っ暗な場所で体育座りして沈黙していた。

 氷河の心は壊れそうになっていた。



『…………………………』



 氷河の瞳は生気がない、頭の中が真っ白になっていた。

氷河は自分が生きているのか、死んでいるのか理解していない。

物置のロッカーの外では、叩き付けるドシャ降りの雨音と雷鳴が響いていた。

 氷河は落雷の音が怖くって震えている。



ピカピカ……ドカーーーーーーーーーーーーーーーン‼️



 近くに落雷した爆音が響いた。



『ヒィッ❗……( ̄□||||!!』



 氷河は両耳を手で塞いで怯えていた。

暫くたった後、孤児院施設の前に、1台のタクシーが止まった。

 《ミカリン》はタクシーから下車し、ドシャ降りの中、施設内へ入り理事長の元へ走って行った。



バターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ❗



 理事長室の扉が開かれた。

飛び込んで入って来たのは《ミカリン》だった。



【氷河ちゃん‼️……氷河ちゃんは何処に居るの❓】



 理事長室には理事長が窓際に立って、荒れ狂うゲリラ雷雨を、悲しそうな表情で見つめていた。



【氷河ちゃんは何処❓️】



【落ち着けミカリン‼️……氷河ちゃんは外の物置ロッカーの中に隠れてしまったよ‼️……( ´Α`)】



【物置ロッカー?(・_・?)……何で⁉️】



 《ミカリン》は混乱している。

理事長は経緯を細かに話した。

 氷河は自ら、物置ロッカーの内側から鍵を掛けてしまい、籠城状態なってしまいました。

《ミカリン》は氷河を助けようとドアノブに手を掛けた瞬間、理事長は《ミカリン》を止めた。



【《ミカリン》待ちなさい‼️……外は激しいゲリラ雷雨だぞ❗

天候が回復してからでも遅くないぞ‼️】



【理事長‼️……それでは遅いのです‼️】



 《ミカリン》は身を震わせながら怒鳴った。



【氷河ちゃんはきっと……助けを待っている‼️

ここで助けないで、いつ助けに行くのですか❓️】



 《ミカリン》は園長の制止を振り切って、氷河がいる物置ロッカーへと走って行った。



【《ミカリン》……君て子は…………】



 理事長は《ミカリン》を見送るしかなかった。

外は雨と風と雷で、激しいゲリラ雷雨。

 《ミカリン》は物置ロッカーへ走ってゆく。

雷鳴が響く中、《ミカリン》は物置ロッカーの前で立ち止まった。

 大雨の中、《ミカリン》は仁王立ちとなって立っている。



【氷河ちゃん‼️……氷河ちゃん‼️……何処にいるの❓】



 物置ロッカーの外から、聞きなれた声がする。



ピカッ❗……ゴロゴロ……ゴロゴロ…………



 激しいゲリラ雷雨が、《ミカリン》の声を打ち消した。

それでも《ミカリン》は氷河の名前を連呼した。



【氷河ちゃん……氷河ちゃん……氷河ちゃん‼️

隠れてないでッ❗……出ておいで‼️】



 《ミカリン》は右手を伸ばして、握手する姿勢をとった瞬間…………。



ピカッ❗……ドシャーーーーーーーーーーーーーーン‼️



【キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ‼️】



 《ミカリン》の側にあった樹木に落雷した。

《ミカリン》は落雷の影響で吹き飛んでしまい、頭を打って倒れてしまった。

気絶してしまった《ミカリン》。

 《ミカリン》が落雷で吹き飛んだ姿を見て、理事長は《ミカリン》を助けに走って駆け寄り、《ミカリン》を両手で持ち上げて施設内へと避難した。



【《ミカリン》……君を死なせないぞ‼️】



 《ミカリン》の額から真っ赤な血が流れていた。

理事長は直様救急車を呼び、理事長付き添いで《ミカリン》を病院へ運んだ。

 氷河は《ミカリン》が来てくれた事も気付かず、雷の音に酷く怯えていた。

 理事長と《ミカリン》が居なくなった孤児院施設は、静けさが戻った。

外は激しいゲリラ雷雨が続いている。

 氷河は雷の音に怯えながら、気を失ってしまってしまいました。


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