プロローグ0
俺の名前は《氷河龍》。
本名ではない。実の母親は役所に出生届けを出しておらず、俺は名無しのごんべい。
父親が誰かは知らない。
母親は俺に名前すら付けてくれなかった。
ボロボロアパート5畳のワンルームで産まれた。
母親は育児放棄、母親の代わりに母親の叔母が、3歳になる迄、育ててくれた。
暑い夏の頃、俺は生まれた。
3歳の誕生日の日は、俺に誕生日が無いのが、不憫でならなかったのか、叔母が俺の誕生日を決めてくれたのだ‼️
大好きだった叔母が俺の誕生日の日、脳梗塞で他界。
俺は又一人ぼっちになってしまった。
叔母は俺にとても優しくしてくれたたった一人の家族だった。俺は涙が止まらず大号泣してしまった。
俺は泣きながら警察官に連れられて、母親が住んでいたボロボロアパートに逆戻り。
母親は警察官が去った後、戻ってきた俺を見る度に【この疫病神‼️】とぶたれる毎日。
母親はホステスで働き、毎日、部屋の中に男を連れ込み、邪魔な俺を追い出した。
俺は母親の楽しそう会話を聞きたくないと、両手で両耳を塞いで時間が経つのを待っていた。
男が出てくるのを待っていた俺は、扉の横でひたすら待ち続けていた。
突然、男が部屋から出てきた。
【バタン❗……何見てるんだ❗ クソガキが‼️】
男は前触れもなく、いきなり俺の腹を思いっきり蹴っ飛ばした。
【気持ち悪いんだよ‼️……クソガキが‼️】
『うっ…………』
俺は手を上げて母親に助けてを求めたが、母親は冷たい視線で、俺を睨んで怒鳴っていた。
【あんたがダーリンを怒らせたのが悪いのよ❗
さっさと消えてくれないかしら‼️……消えろ‼️
お前は生きる価値が無いんだ‼️ さっさと死ね‼️】
俺の目から涙が止まらなかった。
母親は俺が死んだら困ると思ったのか、俺の口と両手にガムテープを巻き付け、身動きがとれない様にした後、ベランダに放り出した。
食事は1日食パン1枚かキュウリ味噌のどちらか。飲み物は水道水のみ。
部屋の中に入れるのは食事とトイレのみ。
寒い寒い冬。
2~3日迄は食事を与えられていたが、4日から母親がボロボロアパートに寄り付かなくなった。
ベランダにいた俺は両手に貼られたガムテープを力で破り、部屋の中に避難した。
寒さの余り、押し入れから布団を出して暖をとっていた。
ずっと前から電気・ガスが止まり、部屋の中で一人ぼっち。
夜は月をみながら、布団で眠っていた。
朝がくると太陽の光が眩しい‼️
俺はフラフラしながら、毎日、水道の蛇口を開き、空腹を満たす為、無我夢中で水道水を飲みほす。
それでも空腹は満たされない‼️
俺は空腹が限界になり、冷蔵庫を開けたら、緑色のカビが生えた最後の食パン1枚が残されていた。
俺は無我夢中で食パンに食らいついた。
喉を詰まらせ、急いで水道水を飲んだ。
『ハァハァ…………』
俺は布団を頭から被り、体育座り。
夜になると部屋の中にすきま風が入ってくる。
部屋の中は冷凍庫みたいに寒かった。
俺は心の底から、何とも言えない感情が膨れあがった。
これが怒りの感情だった。
俺は最後の力を振り絞り、心の叫びを続けた。
『ワァーーーーーーーーーーーーーーーーーーー‼️
ワァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー‼️
ワァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー‼️』
俺の心の叫びが、近隣住民に響き渡る‼️
近隣住民が警察に通報、通報を受けた警察官が2名がボロボロアパートに到着。
【君の名前は?】
『…………………………』
【君の名前は?……お母さんは何処にいるのかな?】
『…………………………』
【君は何歳かな?】
『…………………………』
俺は視線が真っ黒になり、フラっと横に倒れてしまった。
警察官は慌てて無線で救急車要請した。
【大至急救急車を呼べ❗……早く‼️( ̄□||||!!】
俺は警察官に身柄を保護された。
謎の声は俺の頭の中に語りかける。
…………………………。
……………………ククク。
…………《久々に珍しい…………旨そうな魂‼️》
《まだガキだな❗……もう少し成長する必要があるか…楽しみにして……おこう……アハハハハハァー‼️》
謎の声が聞こえなくなった。
俺は静かに目を開けたら、白い天上と左側に四角い窓が1つある、右手には点滴注射されてる状態。
殺風景の病室だった。
右端にはロングヘアーの女性が、座ってうとうと眠っていた。
まぶたが重い、又眠りについた。
………………トントン。
トントン……トントン‼️
トントン……トントン……
【起きろーーーーーーーーーーーー‼️】
【クソガキが‼️……さっさと起きろーーーーー‼️】
謎の女性はストレスが貯まってたのか、ストレス発散後、深呼吸してから黙り込んだ。
謎の女性は笑みを浮かべ、握手するかの様に手をさしのべた。
【初めましてかな?……こんにちわ‼️
私は施設のスタッフの《ミカリン》どえーす‼️
宜しくね‼️……(*ゝω・*)♡】
『………………?』
【君の名前は何て言うのかな?】
反応が無かった事に、ミカリンは激怒‼️
俺は思わず、女性の差し出した手を思いっきりかじってやった。
【痛いーーーーーーーーーー‼️】
ミカリンは痛みをガマンして、手を引っ込めない‼️
噛まれた手から、血が滴り落ちる。
『ウウゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーー‼️』
俺は唸りながら、強く噛み締める。
その時だった。
ミカリンは手を噛まれながら、俺を強く抱き締める。
ミカリンは優しく俺に話し掛けた。
【もう……怖くない‼️】
『!!?』
【ほらっ❗……怖くない‼️……怖くない‼️】
『……………………』
【怖くない‼️……怖くない‼️……怖くない‼️
怖くない‼️……怖くない‼️】
『……………………』
【大丈夫‼️……もう誰も君を傷つけないから❗
怖くない……怖くないからね‼️】
ブルブル……ブルブル……ブルブル……。
ミカリンのスマホに着信があった。
【ちょっと待って……あれ?】
ミカリンはジャケットのポケットを探りながら、慌てている。
【ああっ❗……あった‼️】
ミカリンのスマホは椅子の下に落ちていた。
ミカリンは右手が噛まれたまま、左手でスマホを取り、左耳にスマホをあてた。
【はい❗……はい❗……ええっΣ(Д゜;/)/……はい❗
了解しました‼️】
ミカリンは唖然していた。
ミカリンは俺の顔を2度目してから、大きくため息をついた。
【君は《名無しのごんべい》だったんだね❗】
『ウゥーーーーーーーーーーーーーーー‼️』
【そうか……これはかなりの難題だな❗ コリャ~‼️】
ミカリンの右手を噛み続ける俺の頭を、優しく撫でていた。
【う~~~~ん】
ミカリンは何かを考え込んでしまう。
【う~~~~~~ん】
『………………!?』
【ピカリーーーーーーーーン‼️( ☆∀☆)
決めた❗…君の髪は白銀で、雪の様に見えるから❗
名字は……氷河‼️
名前は……名前は……ピカリ----ン‼️( ☆∀☆)
運気が登り龍の様に、幸運が得られる様に、幸運な伝説の神様《龍神様》の頭文字の《龍》を貰って、
君の名前は《氷河龍》って、名前はどうかな?
カッコイイ名前だろ?……アハハハァ‼️】
ミカリンは勝ち誇った顔して、俺の顔をつねった。
俺はミカリンの明るさに圧倒され、噛んでた事も忘れ、キョトンとしていた。
【今日から《氷河龍》として生まれ代わるんだ❗
最高の記念日だよ‼️……《氷河龍》ちゃん‼️】
ミカリンの笑い声が、病院中に響き渡った。
【アハハハハハァーーーーーーーーーーーーーー‼️】
ミカリンのいる病室へ、鬼の顔した沢山の看護師達が激怒しながら、なだれ込んで来た。
〈ヽ(♯`Д´)ノコラャーッ‼️……静かに‼️
ここは病院ですよ‼️〉
【あっあれ?( ´゜д゜`)アチャー……ヤバい‼️】
ミカリンは激怒した看護師達に、叱られたのは言う迄もない。
主人公である《氷河龍》と言う男の子が、この世に誕生したのでした。
その後、氷河龍の処分は、孤児院施設へ預かりとなってしまいました。