表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/39

雑用係のレベル

 令嬢たちの不可解な行動は、今のところ放置することとし、生徒会は新入生2人を歓迎して動き始めた。


 雑用係となったのは、サファイアとフェイリーの2人だ。

 どちらも成績優秀で、、というのは建前で、今回の応募者の中で、入学式の日になんらかの行動(奇行)をとらなかったのは、この2人だけだったからだ。普通が一番、とでも言っておこうか。


 サファイアについて説明は不要だろう。フェイリーは平民からの特待生だ。柔らかな少しくせのある金髪。薄水色の瞳。肌もとても白くて、全体的に色素が薄いのかな、という印象。

 ニールの報告によれば、穏やかで明るく、入学してすぐに周囲とも打ち解けているらしい。貴族と平民の隔たりを越えた友情も育みつつあるらしく、生徒会としては申し分ない人材。


「今年の雑用係は、レベル高えな!」


シモンがご機嫌だ。


「そうだろう。2人共、入学試験でも、、」


「サファイア様はクールビューティだろ。フェイちゃんは、守ってあげたい系?ホワッとしてて、なんか可愛いよな〜、、」


なんのレベルの話をしているのか。


「何だその、フェイちゃんという呼び方は。」


「ちゃんと、フェイリーさんの許可はお取りになったんですか?」


横で聞いていたアンナが、ため息混じりに口を挟んで来る。


「許可〜?大丈夫だよ〜フェイちゃん可愛いから(ハート)」


「はあぁぁぁ〜」


 私とアンナは、ほぼ同時にため息を付いた。


「可愛いかどうかは知らんが、呼び名の許可はとるんだぞ。」


アンナの意見は間違っていない。私も念を押しておく。


「しょうがないなぁ。。。おお!噂をすれば、、かな?」


生徒会室のドアを、軽くノックする音が聞こえた。


「失礼しまーす。」


明るい声と共に、フェイリーが登場した。


すすす・・・と後ろから、サファイアも。


「失礼いたします。遅くなり、申し訳ありません。」


こちらは、また、表情も声も固い。サファイアも、綺麗な声をしているのだから、少しは明るさを出してくれれば良いのだが。


「ねえ、フェイちゃん。フェイちゃんって呼ん、、、」


シモンのどうでもいい言葉をさえぎって、アンナがピシリと言った。


「さて、全員揃いましたので、来月行われる聖クリスタル学園ダンスパーティについて話し合いを始めましょうか。」


 そして、すでに資料が山と積まれた会議机を指し示した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ