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ダウンロッド洋品店 買い物中

「女性物を扱う洋品店には、初めて入りました。ちょっと、、居心地が、、」


ジャックがキョロキョロと所在なく目をやりながら、耳打ちしてくる。


「そうか、、」


「ん?ジーニアス様、余裕ですか?、、あっ、こういうお店、慣れてらっしゃる?」


ふふん、まあ、そういうことだな。サファイアに贈るペンダントを買った時に、経験済みだ。この店ではなく、クリスタル王国一の宝石商『ガイアス商店』であるが。


「えっ、お前、、まさかサファイア様に何かプレゼントしたりしたのか??」


ずずーっとシモンが寄ってきた。


「それは秘密だ。」


「おおっ、これは、、、」


シモンがニマニマ笑う。


「サファイア様に装飾品を贈ったのですか??」


ジャックが真顔で聞いてくる。ダンスパーティでサファイアをエスコートしてから、ジャックはサファイアについてやたらと聞いてくる。何だか面白くない。


「ペンダントだ。」


聞きなれた低い声。


「ニール!!」


何をばらしているのか!!!!しかも、一言いうと、ニールはまたスーッと消えた。怒りと恥ずかしさのやり場がない!!


「進展ないなーと思ってたけど、やることやってるんじゃん~。ちょっとホッとしたわ、俺。」


シモンの笑顔に腹が立つ。


、、、が。こんなところで口論しても仕方がないので、サファイア達の様子を伺うと、それぞれせっせと仕事をしていた。


 なにしろドレス30着分である。予め予約を入れて、店は本日貸し切りにしてある。店主も心得たもので、店の奥のスペースを広く空け、シンプルなドレスを着せたトルソーを数体並べてくれている。

 アンナとマーガレットは、すでに、選んできた装飾品をトルソーにつけて、具合を確かめている。


「うーん、、、このリボン、ちょっと派手過ぎすぎるかしらね。」


「こちらに、一回り小さいものがございますよ。縁にラインストーンがついておりますので、可愛らしい感じになるかと・・」


「いいわね、ちょっとトルソーにつけてみて頂戴。」


と、店主もテキパキと対応してくれている。さすが人気店。


 サファイアとフェイリーは、、、と見ると、予想通り、サファイアも隅のトルソーの前で、ある程度絞り込んだ装飾品を試していた。フェイリーは、あれこれといっぱい選んできて、片っ端から試している。普段持ちなれないアクセサリーである。当然の結果ともいえる。手を貸した方が良いだろうか、、、


「フェイちゃん、迷ってる~??」


 そこへシモンがフォローに入った。さすが気が利くチャラ男。シモンなら、女性の装飾品を選ぶのも得意だろう。一応、私の侍従なので、朝から晩まで四六時中近くにいるのだが、近くにいるはずなのに、なぜか恋の浮名が絶えない男だ。社交界デビューしたらどうなるのか、恐ろしい。


 フェイリーのことは大丈夫そうだ、では私はサファイアの手伝いでもしようか。


「ジャック様はどちらのペンダントが合うと思われます?」


「うーん、学園のドレスをハッキリ覚えていないんだけど、、、」


「濃い目のピンク色ですわ。サテンの生地なので、光沢があります。」


「そうか、じゃあ、こっち。パールの白が映えるんじゃないかな?」


「そうですわね!ジャック様、ありがとうございます。では髪飾りなどもパールがついたものにしようかしら・・・」


「いいね!かわいい感じがする。」


 なんだあれは、、、、あれ?全体を見ている間に、私だけ1人ぼっちではないか、、、


 暇そうにしているのも癪なので、陳列してある物でも見て回るか。市場リサーチも生徒会長としての務めである!


 店の奥の賑わいから遠ざかるように陳列棚を眺めつつ足早に入り口側へ移動する。逃げてるわけじゃないぞ。


 お、、、これは、、、



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