瞼に浮かんでしまう
「男子控室に侵入 1名
ジーニアス様の近くで転倒 1名
ワインを誤って頭からかぶる 1名
ジーニアス様のワインに媚薬投入(未遂) 1名
ダンスパーティで発生した、変な事案はこれだけだ。だいぶ、減ってきたな。」
ダンスパーティの心地よい疲労が残る私の寝室へ、突如現れたニールが、唐突に報告した。
「調査ご苦労。。。と言いたいが、突然過ぎる!挨拶くらいしたらどうだ!」
「それはすまなかった。こんばんは。」
こんばんはって・・・・。なんか違う気がするが。
「明日でも構わなかったんだが、その中に急ぎの案件があるのか?」
ワインに媚薬投入など、気持ちが悪い。フェイリーの世話に忙しくて飲食する余裕がなかったことを幸いと思おう。
「いや、警備疲れで俺も眠い。こんな深夜まで働かされて、とんでもないと思っているだけだ。」
「それなら、明日でよかったのに。」
「・・・・エスコート。」
ニールがぽつんと呟いた。
「なんで、お前の相手はフェイリーなんだ?サファイアはジャックにやったのか?」
「や、、やったって、モノみたいにいうものではない。こちらにも事情があって、今回はこのような状態になったのだ。」
「ふーん。ジャック侯爵令息だもんな。身長もお前より高いし、顔もいい、性格もいい、人望も厚い、、、お似合いだな。」
「な、なにを言っているんだ?」
「サファイア様、楽しそうだったな~。ジャックもアリだな。(ニマリ)」
出た、二マリ。
「まあ、明日、シモンにも伝えておくよ。オヤスミ。」
スッと、ニールは姿を消した。
なんだ、アリって。アリってなんだ!!
私はモヤモヤする気持ちのまま、まぶたに浮かぶ茶髪と紺色の艶やかな髪のダンスに悩まされながら、眠りについた。