第5章 第3話 近況報告
「しぇんぱい……気をつけてくださいね……?」
「ん。すぐ帰ってくるよ」
激しかった夜から一夜明け。なんかやけにメロメロになっている瑠奈とキスをし、俺は入院中お見舞いに来てくれた人への挨拶回りに向かった。まず最初は生徒会室。理由は単純、一番人がいる確率が高いからである。
「こんにちは」
「あ、八雲!」
「もう少し早く来るものだと思っていました。まさか私たちを後に回したのですか?」
生徒会室にいたのは、鎌木と鍬形さん。どうやら先輩と珠緒はいないようだ。先輩はともかくとして珠緒には会いたかったな。
「俺のこと待ってたんですか?」
「じゃなきゃ土曜に生徒会室なんていないって。ほんと心配したんだからね」
「ごめん、迷惑かけた。あとこれつまらないものですけど……」
「フルーツ盛り合わせですね。私たちが手渡したフルーツバスケットを切っただけのように見えますが」
「ま、まさかそんなお見舞いの品を返すなんて失礼なことするわけないじゃないですか……はは……」
「ごめん八雲、気遣わせちゃったね」
全てを見透かしているであろう鎌木が鍬形さんに話を膨らませないように切り上げてくれた。こんな失礼なことになってしまったのにはいくつか理由がある。単純に金がないのと、腹の傷のせいで病院食しか食べさせてもらえなかったせいだ。腐らせるよりかは、という判断。申し訳ないけど理解してほしい。
「それで久司くん、自殺はやめたのですか?」
「何度も何度もその話題口にするなって言ったよねっ!?」
自分の席に座ると、鍬形さんがやはり空気の読めないことを言い、鎌木が本気で諫める。何だか懐かしい光景だ。
「いいよ鎌木。それに死にたいのは変わってないし」
「八雲……」
「そう簡単に捨てられるなら死にたいなんて思わないよ。何度も何度も考えて考えて出した結論だ。でも先輩や瑠奈……もちろん鎌木や鍬形さんと一緒にいる時だけはそれを忘れられる。だから今は大丈夫だよ」
「久司くんって意外と寂しがり屋ですよね」
寂しがり屋か……。そうなのかもしれない。それなのに一人になりたがるのが悪いところだって自分でもわかっているが。
「でも寂しがり屋は悪いことじゃありませんよ。他人に頼れるということですから」
「たまにはまともなことも言うじゃん先輩。そうだよ八雲、今後はいじめなんて絶対起きないから」
「いやいいよ気遣わなくて。慣れてるし」
鎌木は高校デビューでカースト上位の座を手にした。それなのに俺なんかに構ってたら周りからは浮いてしまう……ということだと思ったのだが、鎌木は首を横に振っている。
「そうじゃなくてさ。えと……なんて言ったらいいかな」
鎌木は言葉を選びながらも、やがてストレートにこう言った。
「学校中に八雲が殺人犯だってことがばれちゃった」
ひさしぶりの更新で申し訳ありません! R-18版の方の執筆をしておりました! 気づけば10話近く差ができてる……。この辺りからなろう版とR-18版でルート分岐が起こる可能性があるので、よろしければどちらも☆☆☆☆☆を押して評価、そしてブックマークをしていってください! よろしくお願いいたします!!!




