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【イチャラブ編開始】同棲しているあざとかわいい後輩が俺を退学させようとしてくるのでわからせる。  作者: 松竹梅竹松
第2章 再会

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第2章 最終話 仮面恋愛

「な……な……なぁ……!」



 わからせ合いをしていた中、突如訪れたまさかの結末に瑠奈が狼狽える。いや、それは俺も同じだ。こんなこと、先輩にも教わっていない。



 瑠奈と、付き合うことになるなんて――!



「なしですっ!」



 上に乗っかっている俺を突き飛ばし、瑠奈が叫んだ。



「い、今のは演技です! ありえないありえない……せんぱいと付き合うだなんてありえませんっ!」

「だな……別れるか」


「だから! 最初から付き合ってないんですよっ! わたしの初彼氏がせんぱいだなんて……! そんな……そんなの……なしですっ!」

「俺もその気はないから安心しろ」



 よかった……付き合わずに済んだ。別に瑠奈が嫌というわけではないが、あくまでも俺と瑠奈は先輩と後輩。俺が手を出さないだろうということで男女混同部屋になっているのに、付き合ったとなったらどんな非難を浴びるかわからない。



 そして、何より。俺には好きな人がいる。その人とは何があっても付き合えない。だから俺は、一生誰とも付き合うつもりはない。



「ていうかせんぱい! わたしにドキッとしましたね!? わたしの勝ちですよっ!」

「ああ、完敗だ」



 そう。先輩という心に決めた人がいるのに、不覚にも俺は。瑠奈に一瞬ときめいてしまった。恥だ。自分が情けなくて嫌になる。



「じゃあつまり、せんぱいの頭の中にはわたししかいないってことですねっ!?」

「まぁ後輩ができた瞬間から瑠奈のことしか頭にないけど……そういう事情を抜いたら、ごめん。俺は先輩しか見えてない」


「はぁっ!? わからせましたよねわたしのかわいさでっ! わたしのことしか見えてないはずですっ!」

「そうは言われてもな……。確かに瑠奈にドキッとしたけど、さすがに先輩の方が上だ」



 俺が心を動かされたのは、あの瑠奈がここまでやったからという一面も大きい。言うなれば子どもが歩けるようになって歓喜する親のような気持ち。だが俺は親になったことはないから。普通に大好きな人と話すことの方がよほどうれしい。



「じゃあ……なんですか……。わたしがどれだけがんばっても、絶対にせんぱいはわたしのことを見てくれない、ってことですか」

「恋愛的な意味だと、そうだ。お前にできることくらい全部先輩にやられてる」



 ……さすがに厳しく言い過ぎたか。先輩には遠く及ばないが、演技でこれだけできればどんな男でも手玉にとれる。正直に言えば、俺は今ここで退学になってもいいと思っているくらいに、瑠奈の成長を喜んでいる。



「瑠奈……」

「……なら、立花さんにできないことをやればいいんですね」



 だが、そうだった。俺の退学の権利は、瑠奈が握っている。



「せんぱい、やっぱり付き合いましょう」

「はぁっ!?」



 冗談か演技だと思ったが、正面を見据える瑠奈の瞳は本気としか言いようがないほどにまっすぐだった。



「単純な話です。せんぱいが立花さんに教わったのは、付き合う以前のやり取りだけ。そしてその分野でわたしが入り込める余地はない。だったら前に進むだけ。彼女としてせんぱいをわからせるだけです」

「ちょっと待て! お前、それはシャレになんないぞっ!? 俺なんかと付き合ったら……!」


「もうその段階はキャンプファイヤーで終わっています。それに……せんぱいなら完全になしってわけじゃないし……」

「なに言ってんのかよく聞こえないけど! それだけはなしだっ! 俺は、俺は……!」



 俺は、決めたんだ。先輩が振り向いてくれないのだったら。いつか来るかもしれないその時のために、ずっとずっと、待つと。瑠奈の問題以前に俺自身の……!



「あれぇ? せんぱい、もしかしてチキってるんですかぁ? はぁーだっさ。先輩が教えてくれない場所に飛び込むのが怖いんだ。へんぱいな上にびびぱいとかダサすぎるんですけどぉ」

「お前、なぁ……!」



 あぁ、そうだよな。俺、なんかどうでもいい。後輩が望んでるんだったら、先輩が応えてあげないといけないよな。



「……語呂悪いんだよ」

「……ですね」



 俺と瑠奈の関係は、あくまでも偽物だ。本物ではない。だが決して、真剣でないわけではない。



 お互いがお互いを心の底から好きではない。それでも、恋に堕とす。わからせる。



「せんぱいがわたしのことを大好きになった瞬間がせんぱいの退学の時。それは変わってませんからね」

「わかってるよ。そんなことより本気で俺を好きになるなよ」


「誰がせんぱいのことなんか好きになりますか。ばーかっ」

「まぁ確かに、馬鹿だよな」



 こんなこと、馬鹿にしかできない。だがそれだけの価値がある。



「瑠奈、付き合ってくれ」

「はい。よろこんで」



 金銅瑠奈を久司八雲を。わからせることには。高校生活を捧げるだけの価値があるのだと、俺たちは確信していた。

これにて第2章終了です! 色々迷走しちゃいましたね……少し。いやかなり反省です。


ということでわかりやすく今一度確認です。


久司八雲……花音先輩のことが大大大大大好き。瑠奈をわからせて成長させることを目的としている。

金銅瑠奈……八雲せんぱいのことがちょっぴり好き。せんぱいをわからせてせんぱいの一番になりたい。それから退学に……ということになっている。

立花花音……八雲後輩のことが大大大大大好き。でも恋愛対象ではない。1年前の生活を取り戻すために、瑠奈には退学してもらいたい。


というのが基本設定になります! これだけは覚えて帰ってください!


次章からはなるべくシンプルに、というか八雲と瑠奈のイチャイチャを中心に書いていきたいと思います。迷走しながらも予定通り交際にまで発展できたので。


ということで今後に期待していただける方は、☆☆☆☆☆を押して評価、そしてブクマのご協力をぜひぜひお願いいたします! ランキング下がりに下がってるので……本当にお願いします! ブクマもなるべく剥がさないで……!


そしてそして。本作のR-18版。「同棲しているあざとかわいい後輩が俺を退学させようとしてくるので【徹底的に】わからせる。」の連載をノクターンノベルズにて始めました。18歳以上の方はそちらも読んでいただければ……と思います。★の箇所が変更点です。あくまでパラレルワールド的なもので、本編はそこまでやっていないという設定でお願いします。


それに伴いしばらく1日1話投稿にさせていただきます。ごめんなさい! 空いた時間は私の他作を読んでいただければと思います。おもしろいですよ!


それではまた第3章でお会いさせてください!

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― 新着の感想 ―
[良い点] わからせられ合いがワカラサセ愛に変わっとるwww
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