本編 街を探そう
それから俺たちは街を探す事にした。香織に美味しい物を食べさせたいなぁ。
【ふ〜ん、なかなかキモい事考えてるじゃない?ま、嫌いじゃないけど】
【え?言葉に出てないのになんで?】
【どうもこの世界は自分よりレベルが低い、なおかつ自分に好意を寄せている人の自分に対しての想い、考えてる事は分かっちゃうみたいなのよ】
【えー、それヤバくない!?例えば、、、、】
【うん、とってもキモい!それ以上考えると叩き潰すわよ】
【はい、ごめんなさい。香織に叩き潰されたいとか思っていません】
【いや、思ってるよね!笑】
ふと、横を見ると駄竜が仰向けに寝て、手をクイクイ、クイクイ、ククイクイとリズミカルに動かしてる。
【【⠀お前もかーい!!】】
香織と俺の声が重なり、香織がソッポを向く。
【恥ずかしいのかな、かわいすぎる!死ぬー!】
【うるさいから。あっち向いてて!】
•*¨*•.¸¸☆*・゜•*¨*•.¸¸☆*・゜•*¨*•.¸¸☆*・゜
適度な?イチャラブ?の後、俺たちは真面目な街をさがそうと歩き出す。しばらくすると前方から
【ぐあああ、助けてくれ〜!】
と男の声が聴こえてくる。
いやね、キャー助けて〜ならまだ助けやすいんだけど、男性の助けては相手がものすごい強い可能性高くない?最悪うちらが死んじゃう、俺や駄竜はいいとして香織だけは死なせたくない。
観ると男性の後ろから、赤黒いドラゴンが迫ってきていた!明らかに強い!勝てない!無理だ!
【、、、逃げるぞ!駄竜!香織を頼む】
【聖也、どうするの?】
【心配しなくていいよ、すぐ行くから】
香織を背に乗せて飛び立つ駄竜。俺はそれを眺めた後、、、
勿論全速力で逃げた、こうしないと皆で見ず知らずの男性を助けに行って間違いなく全滅してたからだ。
異世界ヤバいな、本気でレベル上げしないとすぐ死ぬぞこれは。
香織と駄竜が飛んで行った方向に走る。
すると前方に洞窟が見えてきた。きっとあそこだな。
中に入る、道が続いてて、結構奥が深そうだ。
すると錆びた剣を持ったゴブリンと目が合って敵意向き出しで走ってくる!
こちらは素手なので、とりあえず、石を拾ってなげる。
【ピュッ!、、ガンッ!】
えっ、凄い球を投げた自分にびっくりした。
多分160キロとか出てる!あ、そう言えば香織と手を繋いだらレベル100になってたんだ。
その後も出てくるゴブリンを全て投石で倒して更に先に進む。石は手に6つ掴んだまま
すると大広間に出て、先程のゴブリンより明らかにデカいゴブリンが2体居た、つがいだろうか。
【ここまで素手でくる人間か。我らでは勝てぬな、我の命と引き換えに妻は見逃してくれまいか】
【えっと、あなたの命も求めてません、戦闘にならずに済むのでしたらそれで大丈夫ですが?】
【な、なんと、我の血を飲めば好いた女子も虜に出来るのに要らぬと申すか】
【えっ?ちょっと欲しい、、、けど香織はそんな安い女じゃないので大丈夫です。いつか自力で振り向かせたいです、無理かもしれないけど。⠀】
【、、、ならば、何を求めるか】
【武器とかお金とか全く持ってないので、くれるならばありがたいですね】
【ほぅ、ならば、少し待っておれ、とっておきのがある】
そういうと、ゴブリンの王は奥へと消えてゆく。
残された俺と、ゴブリンの王妃、、、なんかとっても気まずいぞ?なんで連れていかないかなぁ〜
と考えていると、
【私からも命を助けて頂いたお礼にこれをあなたに⠀】
豪華だけど可愛らしいネックレス?を俺に渡す王妃。
【これは?】
【ふふっ、好きな女子に付けてあげてください、きっと喜びますよ?】
【ありがとうございます。香織の喜んだ顔みたい!今すぐみたい!剣とお金は後でもらいにきます、では!】
【ドンッ!】
【相変わらずね、聖也、、、嫌いじゃないけど】
【香織〜、死ぬほど会いたかった、抱きしめていい?⠀】
【それは恥ずかしいから無理!それより私に付けてくれるんでしょ?】
【うん!付けるよ、香織、こうしてと、、⠀】
【どうかな?】
【良く似合うよ、香織、最高に可愛いよ⠀】
【エヘヘっ、、って周り!】
どうやら俺たちが、自分達の世界に入ってた間に周りは倍速で時間経過していたらしく、ゴブリンの王が綺麗な剣と、大量の金貨、薄汚れたサンタクロースの袋みたいなものを、両手にかかえて、ハァハァ息を切らしていた。
【運動不足かっ!】