表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/24

第23話 『怨讐2』

お久しぶりです、ライダー超信者です。仕事が忙しくてなかなか投稿出来なくて申し訳ないです‥‥


「ちゃんと着いてこいよエヴォリオル」

「モカだよ。美弥ちゃん、もう少しだからね」


式場から脱出した私は恵里ちゃんとモカちゃんに連れられてみんなの待つ合流地点に向かっていた。

モカちゃんは私を抱き上げたまま山の中を風になったようなスピードで走っており、恵里ちゃんはそれよりも更に早い。

私に出来るのは邪魔にならないこと、鞄を落とさないよう抱きしめることだけ。


「……主、大丈夫かな。僕も戻って助太刀した方がいいかな」

「お前話聞い「虚空蔵くんなら心配ないよ、大丈夫」……だとよ」

「分かった。美弥ちゃんがそう言うなら」


そうしている内に少し開けた場所に集まっていたみんなの姿が見えてきた。


「夢芽ちゃ~~ん!!みんな~~!!」

「!! 美弥姉ぇっ!!」

「美弥ちゃん!」

「美弥殿ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


無事にみんなと無事に合流し、ひとまず安心する。

恵里ちゃんとモカちゃんにお礼を、みんなに謝罪をしていると奈緒ちゃんが問いかけてきた。


「美弥さんが無事で何よりです。それで、エヴォリオルの方はどうでしたか?虚空蔵さんの予想は?」

「当たってたよ、風間だっけ?あいつが犯人だったとさ」

「マジかよ‥‥!あいつ…………」

「何があったかはあらかた美弥から聞いたよ。

要は、前々から目障りだった虚空蔵を消して美弥を無理矢理モノにするのが目的だったみたいね。

救えない馬鹿だ、救う気もねーけど」


恵里ちゃんはそう言って鼻で笑うと瞳ちゃんと合流する。


「まっ!先輩なら余裕ですよ!」

「うん、虚空蔵先輩ならきっと大丈夫ですっ」

「信じましょう…………」

「‥‥‥‥奈緒ちゃん、その、伽怜良くんが人間に戻れる方法って…………」

「ありません」


希望を持つなと言わんばかりに断言され、恵里ちゃんもそれに続く。


「無いから諦めな。そもそもあいつは自分の意思でエヴォリオルになったんだろ、なら仮に元に戻れる方法があったとしてウチらが手を貸してやる義理は無い。

あいつがエヴォリオルの手下を利用して美弥をとっ捕まえようとした結果死人が大勢出たこと、まさか忘れたわけじゃないでしょ。実行犯に命令してる時点で責任や非が無ぇなんて言わせねーぞ。

自分の意思で今回のやり方を選んだなら、その結末がどれだけ悲惨になろうがそれは全てアイツの責任だ。てめぇのケツはてめぇで拭かせろ」


恵里ちゃんの言っていることは間違っていない。私は言葉を返せずに沈黙する。



「━━━━ま、どうなるかは虚空蔵次第だな」



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「があぁぁぁぁぁ!!!」


壁をぶち破り瓦礫をばら撒きながら教会の外にふっ飛んでいったエヴォリオルを追う。

両腕のチェーンソーを振り回して襲い掛かってくるエヴォリオルだが、その攻撃は単調かつ大振りで適当にあしらいながら次々攻撃を叩き込んでいく。


「ぷごぁっっ……!!?」


チェーンソーが振り下ろされるタイミングに合わせたカウンターパンチが顔面に炸裂、エヴォリオルは派手にぶっ倒れた。


「どうした、まだやれんだろうが」

「ぎっ……!あぁぁぁぁぁぁぁ!!誰を見下ろしてんだお前ぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」


戦いは俺のワンサイドゲームだった。元より自力が違い過ぎるであろうことは予想していたが、今までのエヴォリオルには大なり小なりあった〝戦い慣れ〟や〝喧嘩慣れ〟がこいつには全く感じられない。

はっきり言って弱い。


「死ねぇぇぇぇぇぇぇっっ!!!」


ガトリングの乱射を回避しながら放った三日月形の光弾は弾丸を粉砕しながら飛んでいき、エヴォリオルに命中。怯んだところに畳み掛け、右ストレートがクリーンヒットしたエヴォリオルは木々を薙ぎ倒しながら吹き飛んでいった。


「ク‥‥キキ‥‥何故だ、何故俺がこんなクズにぶァッッ!!?」


エヴォリオルの横っ面を蹴り飛ばし、足を振り下ろして後頭部を踏みつける。


「ぶぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!

汚ぇ足退けろチンピラァァァァァァァァァァァァ」

「分かった」


喚くエヴォリオルを蹴り上げて宙に浮かせ、強烈な一撃で地面に叩きつけた。


「が‥‥ぁ‥‥‥」

「おい」


首を掴んで無理矢理起こす。


「二度と美弥ちゃんにも俺達にも関わらないと誓え。

誓うなら命は助けてやる」

「何を‥‥勝手な‥‥!!(おまえ)の脅しに、正義(おれ)が屈するわけが‥‥‥‥!」


首を締める力を強め、もう一度叩き付ける。


「二度と美弥ちゃんと俺達に関わるな、いいな」

「わ、分がったっ‥‥!離せっ‥‥!!」


「虚空蔵くん!!」


振り向くと、みんながそこにいた。まさかの光景に眉をひそめる。


「なんでみんながいんだ!恵里っ!」

「しゃーねーだろ!!美弥がせめてもう一回くらい説得出来ねーかって言うから!!

エヴォリオルがまだいるかも分かんねーこの状況で他の連中置いてくわけにもいかんし!」

「恵里ちゃんは悪くないの!私のワガママでここまで連れてきてもらっただけ!」

「美弥、ちゃん‥‥!」

「伽怜良くんお願い!元の伽怜良くんに戻って!

これ以上私なんかのために罪を重ねないで!」


美弥ちゃんは悲痛に叫ぶ。

その叫びは━━━━━━━━風間には届かなかった。

エヴォリオルは銃口をみんなに向けて勝ち誇る。


「形勢逆転だな七ヶ浜ぁぁぁ‥‥‥‥!!

いいか動くなよ!変な動き見せりゃあ美弥ちゃん以外蜂の巣にするからなぁ‥‥俺にとって美弥ちゃん以外の人間なんてゴミなんだからよぉ。

お前らも死にたくないなら動くなよぉ!!」

「伽怜良くん‥‥なんで‥‥」

「さぁ美弥ちゃん、こっちに来てもらおうか。大人しく戻ってくるなら七ヶ浜以外の連中は殺さないでやるからさ。キミだって自分のせいで友達が死ぬのは嫌だろう?」

「いいからさっさと武器下ろせや。てめえ誰の連れに向かって一丁前に銃なんぞ向けてんだ」

「あぁ?自分の立場も分かってねーのか低脳が。

お前の行動一つであいつらは死ぬ、大事なお友達を守りたいならもっと俺への態度を弁えろ下衆が」

「その下衆に手も足も出ない雑魚だろてめぇは。

別に卑怯汚ぇとは思わねぇが、大口叩いて息巻いてたくせに最後は人質ってのもしょっぺぇ野郎だな。ま、てめぇらしいっちゃらしいか」


煽られて苛立ちを隠し切れずに斬りかかってくるエヴォリオルだが容易く躱し、逆に四連撃をねじ込んで更に追撃を仕掛ける。

しかしその時、エヴォリオルは苦し紛れにみんなに向かって発砲した。


「うわぁぁぁっっ!!?」

「きゃっ!!」

「皆さん大丈夫ですか!」

「危ねー奴」


「てめぇ……!」

「動くなよ、俺の攻撃を躱すことは許可しない!

攻撃を躱せば躱した分あいつらを撃つ!お友達が大事なら、黙って正義の裁きを受けろぉ!!」


そう叫ぶと同時に両腕のガトリングを乱射してくる。全身に力を込めて防御態勢を取り、無数の弾丸を凌ぐ。


「虚空蔵くん!!」


辺りに少しずつ血が飛び散って赤く染まっていく。なんとか弾幕を凌ぎ切るが、次の瞬間チェーンソーで袈裟斬りにされる。



「死ねっ!死ねっ!死ねっ!!死ねぇぇぇぇぇぇ!!死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねぇぇぇぇぇぇ!!!!


ゴミみたいに死ね!!クズみたいに死ね!!虫けらみたいに死ね!!無様に憐れに惨めに死ね!!


お前は死刑っっっ!!!!死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑!!!!

正義の化身たる俺が貴様に天罰を下す!!!!

極刑!!!!!!極刑だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!」



エヴォリオルは捲し立てながら何度も何度も執拗に斬りつけてくる。


「‥‥‥‥‥てめぇらしい薄っぺれぇ攻撃だな、まさかこれが全力じゃねぇだろうな」

「あぁ~~~~!!?なんだ負け惜しみかクズ!!

いいからさっさと死ね!!」

「まぁてめぇみてぇな中身の無い薄っぺらい馬鹿にンなデカい力使いこなせるわきゃねぇわな。

無駄に高いプライドばっかで実力が伴ってねぇからこの程度の攻撃しか出来ないんだよ素人」

「チンピラ風情がスカしたこと言ってカッコつけたつもりになってんじゃねーぞ!!

往生際の悪い無駄な足掻きしてんじゃねーぞゴミ!!」

「てめぇのなまくらも豆鉄砲も、何億何兆ぶち込もうが俺の命には永遠に届かねぇ。

彼我の実力差も分からねぇ雑魚が俺に勝とうなんて百億年早ぇんだよ。てめぇ如きが美弥ちゃんをモノにするなんて身の丈に合わねぇ大それた妄言語ってんじゃねぇぞ小物が。

てめぇが美弥ちゃんを手にする日なんて未来永劫来ない、それが現実だ。お生憎様残念だったな」


そう言って鼻で笑ってやった。こいつの性格だ、これだけ煽れば必ず食い付く‥‥!


「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ死ぃぃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」


狙い通り激昂したエヴォリオルは俺の首目掛けてチェーンソーを振り下ろした。刃が食い込み大量の鮮血と肉片が派手に飛び散る。

だがこれでエヴォリオルの意識は完全に俺へと移り、みんなのことはもう眼中にないだろう。どてっ腹に風穴を開けてやろうと渾身のパンチを繰り出そうとした時だった。



「はっはっはっはっはっはっはっはっ!!!

今まで散々コケにしてくれた罰だ、お前を殺した後はお前の家族も皆殺しにしてやる!!

どうせお前の身内なんてろくでもないカスみたいな連中しかいねぇんだからよぉ、先に地獄に堕ちた親のところに仲良く送ってやるからありがたく思え!!」



それを聞いた瞬間握っていた拳をほどいてエヴォリオルの腕を掴み、力任せに引き千切った。

余裕から一転、右腕の肘から下を失ったエヴォリオルは血を噴射しながら絶叫する。


「うあ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!

ア゛ァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!

腕っ、腕ェっ!!俺の腕ぇぇェェェ!!??」


半狂乱になって叫ぶエヴォリオルを捕まえると左腕も力ずくでもぎ取って蹴り飛ばす。

倒れて喚きながら踠くエヴォリオルを尻目に捥いだ腕を投げ捨てた。


「お゛前ぇ゛!お゛前ェ゛ェェェェェェ!!

よくも俺の腕をォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!」

「お前俺の家族を殺すって言ったな。

俺の家族を二度も侮辱した挙げ句命を奪うとまで宣いやがったな。

━━━━━━━てめぇたかが腕程度で済むと思うなよ、ぶち殺すぞ妄想馬鹿(フリークス)!!」


エヴォリオルは気迫に押されてビビったのか悔しそうに黙る。だが何を思いついたのか、直ぐにまた口を開き始めた。


「‥‥‥‥‥お前に俺は殺せない‥‥!

俺は、〝人間〟だからな…………!!」

「あ?」

「カラーから聞いてんだよ‥‥第二号がエヴォリオルと戦うのは、人間を守るためだってな!

だからお前に俺は殺せない‥‥!守る対象の俺を殺せねぇだろォォォォ!!」


威勢よく叫んだエヴォリオルにみんなは困惑しており、恵里に至っては余程癪に触ったようで舌打ちと共に手元に武器を呼び出していた。


「どうした、図星かあ"ぁ!?」

「‥‥何を勘違いしてるのか知らねぇが、俺が戦ってるのは〝人間を守るため〟でも〝世界を守るため〟でもない。

俺は俺の大事なモンを守るために、自分が正しいと思ったことをしてるだけだ。人間だろうが神だろうがエヴォリオルだろうが関係ねぇ、ふざけたやり方で俺の大切なモンを傷付けるなら全てが俺の敵だ。

━━当然てめぇもな」

「!!!‥‥‥‥おいっ!お前ら助けろ!!」


俺に脅しが通用しないと理解したエヴォリオルは、一転してみんなに助けを求め始めた。


「誰でもいい!!このイカれたクソ野郎を止めろ!!早くしろ!!」

「いい加減にしろよお前!!美弥姉ぇを無理矢理浚ってオレ達を人質にしたくせにふざけんな!!助けを求められる立場かよ!!」

「浚ったんじゃねぇ取り返しただけだァァ!!いいから早く助けろォォォォォォォォォォォォ!!」

「こいつ……!」

「まともに相手するだけ無駄ですよ、もう力に飲まれかかってます。安易にエヴォリオルの力に手を出した末路、ですね」

「虚空蔵、一思いにやっちまえ。出来ないならウチがやるけど」

「大丈夫だ 俺がやる」

「来るな‥‥来るなァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」


エヴォリオルは再生出来ないのか出来ることを知らないのか、前腕のない右腕を振り回す。無意味な抵抗を無視して頭を両側から挟み込み、力を込めていく。


「がっ‥‥ギッ‥‥!離ゼっ‥‥!」


鈍い軋む音と共に徐々にエヴォリオルの頭部にヒビが入っていく。そのまま力を込め続け━━


「ギッ、ガッ、ゴッ、ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ァァァァァァァァァァァァァ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ認めない認めない認めない認めない認めないぃぃぃっ!!こんなゴミクズに俺が負けるなんて有り得るわけがないんだァァァァァァ!!!

人殺し、人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺しィィィィィィィィィ!!!!

ヒーロー気取りの異常者が!!お前はただの化け物だ!醜い化け物が!!死ねっ、死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねェッッッ!!!!」

「━━言い遺すことはそれだけか」

「なんで、俺が、こんな目に‥‥!俺は‥‥何も間違ってないのに‥‥!!美弥、チャ、助ケ」


世迷い言諸共頭部を粉砕する。

美弥ちゃんに伸ばしていた右腕がだらりと落ちると残った体も結晶化して砕け散り、ヤツの存在は完全にこの世界から消えてなくなった。


「‥‥‥‥虚空蔵、大丈夫か?」

「大丈夫だ」

「で、でも虚空蔵先輩‥‥」

「先輩‥‥」

「ありがとな、本当に大丈夫だ。嫌なもの見せて悪かった」

「虚空蔵くん‥‥‥‥」


前に出てきた美弥ちゃんの顔にあるのは悲しみと後悔。うっすらと涙を浮かべるその顔に胸を締め付けられる。


「ごめんね‥‥私、虚空蔵くんに嫌なこと押し付けた‥‥私がもっと話し合って、ちゃんと説得してたら伽怜良くんもこんなことにならなかったのに‥‥私のせいでみんなが危険な目に遭って、虚空蔵くんもたくさん傷付いて‥‥ごめんねぇ‥‥!」

「美弥ちゃんのせいじゃない。美弥ちゃんがそんな顔をする必要はどこにもない」


ポロポロと涙を流す美弥ちゃんを優しく抱きしめる。

あんな外道に堕ちたどうしようもない馬鹿でも、美弥ちゃんにとっては最後まで友達の一人だった。

あいつがもう引き返せないところまで来ていたことは当然美弥ちゃんだって分かってはいる。それでも何とか人に戻ってやり直してほしかった、救いたかったのだろう。


(風間、俺はお前を認めねぇ。美弥ちゃんにこんな顔をさせるお前は、やっぱり相応しくねぇんだよ)



閲覧ありがとうございました。

いつもありがとうございます、また次回もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ