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94.ドミノ

 扉の前に着くと、はやる気持ちを抑えるのが大変だった。

 「こんな大きな扉、どうやって開けるの?」

 「潰せばいい」


 大胆なことを言い、実行しようと杖を掲げるオルザドーク。真っ向勝負だ。と思ったら 扉は勝手に開いた。ゴーストタウンより酷いところから歓迎を受けている。


 オルザドークが散歩でもするように侵入する。中は、すぐ大広間になっていた。ロウソクの明かり以外はない。


 冷えきっていて、入る者を恐怖させるような醜い獣の像が一対、正面の階段の両脇に置かれている。しかし惑うことはない。


 寧ろ像が憎たらしいジークと重なって復讐心に油を注ぐ。チャスがこっちを向くが、わずかに目で捉える程で、何も言われなかった。


 広間の奥の階段は意外にも長く、上に行く程冷えてくる。それも気にならない。ジークがどこにいるのかだけ知りたい。


 ランニングシャツだけで平然としているオルザドークを見ていると、緊張がほぐれてくる。ここは敵の巣窟なのに。


 五分もかかって階段を上りきると、取っ手のない壁同然の扉にたどり着いた。罠の臭いがする。


 「一つ言っておく。この城そのものが魔力を持っている。イーヴルでできていると言ってもいい。もう。昔みたいに効かない攻撃はないと思え」


 「分かってます。魔界もそうでしょ?」


 「魔力を持っているもの全てにそれが言える。ただの石でさえ凶器になる。普通の人間の身体に戻ったと考えた方がいいかもな。ここから先、無茶はするな。分かったな?」


 頷くと、それならいいとオルザドークが扉を押し開ける。扉は開くはずが、違った。開けようとしたら倒れた。大きな音を立て、扉の前にあった扉にぶつかる。


 それがまた倒れ、前にあった同じ扉にぶつかり、また倒れ。ドミノだ。ほんの数十秒で、扉はぐるりと部屋を一周した。立っているドミノが見えなくなった。終わったのか?


 「何の茶番だ?」怪訝にオルザドークが言ったのをチャスが静止する。耳のいいチャスが音に気づいたのだ。


 それは次第に全員が聞き取れる程の音になる。規則正しい音が鳴り続いている。大きくなり、近づいている。


 「やばい!」


 破壊音とともに天井が崩れた。ドミノが、巨大サイズのドミノが壊れた天井のがれきといっしょに降ってくる。


 「ブロッフト!」


 オルザドークが唱えた方が速かった。がれきを更に細かく破壊した。何でこの人は面倒臭そうにしていて、余裕があるのだろうか? 


 倒れたドミノの上を歩かなければならず、歩きにくい。部屋の奥の廊下までドミノは続いていて、その先の階段にも倒れている。階段を上ると言うより山登りに近い。


 上りきると床に穴が開いている場所に着く。下に見えるのはさっきまでいた場所だ。ドミノはここで終わっている。


 「罠か」


 「ただの遊びだろうな」


 まだ遊び。少し不安になってきた。引き返せないのだ。覚悟を決めなければ。何もできずに死んでしまうなんて絶対に嫌だ。


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