表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/158

86.親友

 「あんな連中に十億も払うなんてどうかしてるわ」

 ベザンはタバコをふかす。


 「あんな連中だからだ。バレを殺しかねない」

 「何で? もしコステットを殺したって、その殺したやつをあんたが殺せば、魔王になれるんじゃないの?」


 「いいや。それはオレが流した嘘の噂だ。こう、魔王になりたいやつが多いとな」

 ベザンは腑に落ちない様子で煙を吐き出した。


 「ふーん。そういうこと。つまりあんたは、あんた以外のやつが魔王になれないように手を打ってる訳? ずるい男ね。だけど、コステットを殺さないで魔王になれるの?」



 「いつか殺すさ。時期が来たらな」



 城のバルコニーから身を乗り出したジークは空に吼える。



 「バレ。もっと苦しめ!」




 ベザンは呆れ顔で現実を告げる。

「コウモリの連絡が来ない。捕まえるにしても時間がかかりすぎよ」


 部屋の隅でタバコを吸うベザンをよそに、ジークはときどきニヤニヤする。利益にならないときに多いくせだ。


 「そうだな。でも、だいぶあいつも参ってる」

 「でも捕まってないでしょ。いい加減にしたら? そういうゲーム癖」

 ベランダの手すりに腰掛けたジークが笑い声をもらした。


 「楽しめればいいんだよ。上手く逃げてるぜ。あいつ」

 「何でそんなこと分かんの?」


 「透視能力だ。それよりベザンはゲームに参加しないのか?」

 「どうでもいいわ。あんたは早く捕まえて来なさい」興味のないベザンは厳しく言った。

 「お前が捕まえて来い」


 ベザンが眉を吊り上げたのでジークはつけ足した。

 「お前が捕まえてくれたら、他の奴らに賞金をやらなくて済むだろ?」


 タバコがジークの頬をかすめ飛んだ。


 「最初から私にやらせるつもりだったのね。どうせ賞金も用意してないんでしょ」

 ジークは口元を吊り上げる。


 「やっぱりね。いいわ。私がすぐに、こんなつまらないゲーム終わらせてあげる。コステットはどこにいるの? 視えるんでしょ?」


 光のない天井を見上げたジークは考えている。

 「そうだな。いい方法がある」


 「誰もあんたのやり方なんて聞いてない。私のやり方でやらせてもらうわ」

 「手っ取り早くてもか?」

 ベザンは顔を赤らめる。


 「分かったわよ。で、その方法は何なの!」



 「誘き出せばいい」



 簡単に言わないで、とベザンは笑い飛ばした。

 「どうやって? あいつ見た感じ弱そうだけど、頭は悪くなさそうよ」


 自信が感じられる笑み。訝しがったベザンにジークは指で示す。指先は部屋の奥。

 「確実にあいつを引きずり出せる。そいつを使え」



 小さい人影がある。城内は常に暗くて、遠いと顔が判別できない。青白い雷が少年の顔を照らした。金髪の髪が照り返し、死んだような暗さのある青い瞳があった。


 「こいつは誰よ?」




 「あいつの親友だ」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ