【漫才】教育パパになろう
二人「はいどーもー『なろうになろう』でーす!」
ボケ「いやー最近うちの息子がな、成績が悪ぅてな。もう家庭教師つけなあかん思てんねん。」
ツッコミ「お前んとこも? うちもやねん。もう小6なのにかけ算間違えよるんやで?」
ボケ「じゃあ家庭教師が来た時のためにシミュレーションしとかん? 俺家庭教師な。」
ツッコミ「まあええけど、できるんかぁ?」
ボケ「まあ見ときぃ。どうも! 家庭教師なろうから来ました東大スベルです!」
ツッコミ「ツッコミにくい名前やな……東大なら滑っても恥やないし……」
ボケ「今日から息子さんの成績アップ目指してがんばってください!」
ツッコミ「ほならお前は何すんねん! お前も頑張れや!」
ボケ「早速授業にうつりますね! 授業の場所ですが、どちらでやりましょうか?」
ツッコミ「あー、ここでお願いします。狭くて申し訳ありませんね。」
ボケ「ですよね。うなぎ小屋ですもんね。」
ツッコミ「それを言うならうさぎ小屋じゃ! いやいや誰んちがうさぎ小屋じゃい! 狭くて申し訳ありませんって言ったら、そんなことないですよって言うのが大人の嗜みちゃうんかい!」
ボケ「うさぎを飼われてるんですか?」
ツッコミ「うちみたいな狭い家のことを昔からうさぎ小屋って言うん……だから誰んちがうさぎ小屋じゃい! 必死に働いて35年ローン払ってんねんぞ!」
ボケ「こんなうさぎ小屋に35年ローン。息子は九九ができない小6。終わってますね。」
ツッコミ「うおーい! おんどれ何しに来とんじゃい! 勉強教えに来たんちゃうんかい!」
ボケ「現実を教えに来ました。」
ツッコミ「なんじゃそりゃあ! うちの息子に現実を教えてどないするっちゅうねん!」
ボケ「しっかり勉強しないとうさぎ小屋に住んで高い金を35年も払い続けることになる上にブスな奥さんとバカな子供しか持てない哀れな人生を送るってことを知れば、バカな子以外は努力するんですよ。」
ツッコミ「誰がブスな奥さんじゃい! うちの嫁は町内で5位に入っとるわい!」
ボケ「ここの町内ってババアばかりじゃないですか。それでも5位って……ぷぷ……」
ツッコミ「えーい! じゃかあしい! 勉強や! 勉強教えに来たんやろ! さっさと教えんかい!」
ボケ「仕方ない、教えましょう。さあ勉強しようね! 君が九九の言えないゴクツブ夫君だね。一緒にがんばろうね。ところでどうして九九が苦手なのかな?」
ツッコミ「うーん。少子高齢化や激動の国際社会、緊張をいや増す隣国との関係。安全保障もどこまで通用するかも分からない現代社会を鑑みるにこれから先生きのこるのに必要なのは九九だとはどうしても思えないんだ。むしろあらゆる国と対話ができる言語力に交渉力。進化を続けるITの波に乗り続けられるプログラミング力が必要だと思うんだ。」
ボケ「て、天才だー!」
ツッコミ「それにお父さんだって九九ができないのに生きてるしね。」
ボケ「父ちゃんマジか!」
ツッコミ「やからワシが家庭教師呼んだんじゃーい!」
二人「教育されるパパになろう。どうもありがとうございました。」
この作品を生み出すインスピレーションをあたえてくれたMさん、いやドMさんに感謝の意を込めて……
ニャッポリート。