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夜の黒  作者: 音羽
9/10

太陽



「は?何言ってるの?ここまで来ると、いくら日向でも許されないよ?」


「夜は、心底嫌いなやつと一緒にいられるほど大人じゃない」


「それは…」


「朝乃。夜は本気で朝乃のこと嫌いだったわけじゃないから。償うとか、しなくていいから」


「で、でも、夜の邪魔ばっかり…」


「そうよ!目を覚まして、日向!こいつが!」


「夕子。それ以上は、いくら夕子でも許さない。俺は夜を失った。朝乃まで失いたくない」


「日向…」


「わかったわよ。そのかわり、二度とその面見せないで」


夕子ちゃんは私を一睨みすると、颯爽とどこかに行ってしまった。

私はぼんやりとその姿を見ることしかできなかった。


「夕子ちゃん、大丈夫かな。夜の後を追ったりしないよね?」


「ほんと、朝乃はお人よしだよね。仮にも人殺し扱いされてたのに」


「それは…、本当のことだから」


「だから違うって。何なら、俺が殺したっていうほうがしっくりくる。間接的に振ったんだから」


「日向の件だけじゃない。横ちゃんの件も、夜のお母さんの件も…、私のせい」


「大丈夫だって。誰も朝乃のせいだなんて言わないよ。ほら、暗くなってきたし、帰ろう?」


日向が私を支えて、立ち上がった。


「だ、大丈夫、もう歩ける」


「うん」


そういいながらも、日向は私に肩を貸すようにしたままだ。

恥ずかしかったし、夜に対する罪悪感もあったけれど、精神的に助かった。


帰りの電車はちょうど部活帰りの高校生と被ってしまい、座れなかった。

立ちながら、私は日向の肩に頭をそっとのせた。



日向は夕方でもお日様の匂いがする。




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