七夜目 可愛い後輩はまさかのオトメでした。
猫又です。今回は少しだけ短いかもしれません。ご了承下さい!
6月9日午後8時40分
「………。」
「…なぎ、さ?ど…したの?」
栞菜が心配そうに覗き込んでくる。何をやってるんだ私は、付き合ってすぐに早すぎただろ。元々ノンケだったらしいし、女とは多分初めてなんだろう。
「やっぱりやめましょうか。まだ早かったわ。」
そう言って私は立ち上がって、電気をつける。
「え…どうして、私変なことしちゃいましたか!?ごめんなさい!」
先ほどまで赤く火照った顔もみるみる青くなっていき、心配というよりは、不安で満ち溢れていた。不安でかは、分からないが、言葉遣いも変わって来ている。
「説明不足だったわね。焦らなくて大丈夫よ。」
そう言って私は栞菜の手を強く握り頭を撫でてあげる。栞菜のセミロングの髪の毛は柔らかくてふわふわしていた。
「…え?」
「栞菜には早すぎたのよ。ほら。」
そう言って握っていた栞菜の手を手のひらに乗せて栞菜自身に見せる。
「あ…。」
栞菜は手を見ると、悲しそうな顔をする。その綺麗な手は微かに…いや、ガタガタと震えていた。
「私はいつまでも待つから。栞菜がシたくなるまで、待つわ。女同士ははじめてだものね。」
そう言って、また栞菜の柔らかい髪の毛を撫でる。
「その、私…女同士じゃなくて、男の人ともした事なくて…、だから、不安で…だから、もう少しだけ…待ってもらえると嬉しい…かな。」
恥ずかしそうに俯く。
「ええ、勿論ーーーーっえ?」
ん?今なんて言ったっけ?したことない?男と?
「…渚?」
「うそでしょぉぉお!?本気で言ってるの!?男ともシたことないって!?えっ、ちょっと待って…嘘でしょ?」
まさか、マジもんの処女なの!?何それ、超嬉しいんだけど!
「う、嘘じゃ無いよ…。こんな歳で恥ずかしいけど、私付き合うのも渚が初めてなんだよ?」
上目遣いで可愛く言ってくる。嘘だ…ろ?こんな可愛い子を、男が放っておくわけ…あ、分かったわ。多分男は放っておかなかったんだろう、でもアイツが阻止してたんだろう。あの忌々しいアクセサリー屋の店員が…。これなら納得だ。アイツは嫌いだけど今回は超ナイス!
「栞菜の初めてを貰えるなんて、最高だわ。全部私が手取り足取り教えてあげるわね。」
チュッ。
軽くキスをして立ち上がる。クローゼットの中から寝間着(と言っても長袖のパーカーと、緩めのパンツ)を取り出す。
「はい。着なさい。」
「あ、ありがと…。」
私も寝間着を着てベッドに入ろうとする。
ピリリリリリリッピリリリリリリッ
スマホから電話が掛かってくる。画面には“凛子”と書かれていた。栞菜の方を見るとどうぞどうぞと、ジェスチャーを送ってくる。それを確認すると私は、凛子からの電話に出る。
「もしもし。」
「んっひひ…、渚ぁ…そっち行っていー?」
…100%酔ってるな…。
「嫌よ。今友達が来てるのよ。だからダメよ。」
優しく言う。
「なんれー!やらよ〜、そっちいくからなぁぁ?」
酔ったこいつはめんどくさいなぁ。
「嫌だって言ってるのよ。いい加減にしなさい。」
強い口調で言うと、凛子は黙る。少し経ったら、
「ごめん…じゃあね。」
プツ…
電話が切れる。…なんか今日の凛子しおらしいな。
「渚?」
私としたことが、栞菜がいたことを忘れかけていた。
「あ、うーうん。なんでもないわ。」
凛子なんかあっ
この後、もっと深く考えていればと後悔することを、まだ私は知らなかった。