32夜目 会社でなにかあった様です。
書かない期間が長くて書き方がまた分からなくなったので、おかしな文章になっているかもしれません。ごめんなさい。
投稿が遅れてしまい申し訳ありません……。
今回はいつも通り、渚目線で始まります。
現在午後16時13分
「んーー……ふぁあ…。」
あぁ、そっか。栞菜送り出してからもう一度ベッドに戻って寝たんだっけ。
回らない頭が必死に記憶を辿る。
だめだ、どうやってベッド来たんだっけ。記憶が無い。
「はぁ、頭痛い……。」
ぺたぺたと裸足でフローリングを歩く。
確か玄関からリビングに戻ってきたのは覚えてる。でもそこからの記憶が無いから…
「あぁぁ゛……やっぱりこうなってるわよね…。」
リビングまで行くと、机の上には水の入ったコップが倒れて、フローリングを濡らしているし何故か椅子は一つが倒れ、机も位置を変えて斜めっている。
推測するに、記憶が無いということはきっと送り出した後に熱が出たんだろう。
いそいそと、机、椅子、コップ、水を片付けていく。
「はぁ…。」
一通り片付いた所でくたりと椅子に座る。
もう寝過ぎて頭がキンキンだし、これ以上は寝られない。何をしましょうか。
「もうこんな時間だし…栞菜帰ってくるし……幸い今は調子良いし……。」
私はふ、と笑ってキッチンへ向かった。
現在午後20時24分
「ぅ……渚ぁぁ、ただいまぁ…。」
半べそをかきながら栞菜が帰ってきた。仕事で何かあったのかしら。
「栞菜、おかえりなさい。」
「……!渚、体調どうー?」
靴をいそいそと脱いで、私の頬に触れる。
「今はいい感じ。手洗いうがいしてきなさい。栞菜、お仕事お疲れ様。」
「うん、ありがとー!」
そう言いながら、栞菜は洗面台へパタパタと走っていく。
様子を見るに朝の事はあまり気にしてなさそう?少し残念だけど、会社でそれを気にする余裕もないことがあったのかしら。
……綾乃さん関係?あの人…栞菜に何かしたのかしら。
フツフツと怒りが湧いてきた。何かしてたら許さない。
私はゆっくりと洗面台へ向かった。
「……栞菜。」
「ひぁぁっ!!ビックリした……どうしたの渚…。」
手を洗っている栞菜を後ろから抱きしめると叫び声をあげて栞菜が私の顔を覗き込む。
「…今日なにかあった?」
そう聞くと、栞菜はピクリと体を跳ねさせた。
ビンゴ。
「何も無いよー、どうして?」
栞菜はそう言うと、私の顔を見ようとするのをやめて、手に着いた泡を洗い流し始めた。
「何も無かったの?本当に?朝の事、忘れられるくらいの事、あったんじゃないの?」
首に顔をうずめて、服の裾から手を入れる。
「ぅ……んっ…朝の事なんて…恥ずかし…。」
ワイドパンツのベルトをゆっくりと後ろから外していく。
ベルトだったり、ブラウスのボタンや、ブラのホックだったり、そういう物を外している時、栞菜は深い呼吸をする。それがとても可愛くて愛おしい。
「ふふ…可愛いね、栞菜。」
「やだぁ…。」
ただ服を脱がしているだけなのに、栞菜の体が火照る。
「服を脱がしただけなのに、こんなにもドキドキしてるなんて……何を期待してるの?」
「っ……渚ぁ…。」
涙を溜めた瞳が熱を帯びる。
ほんっとに…この子のする時の顔、エロ過ぎない?
でも、我慢我慢。
「ん?なーに。部屋着に着替えましょう?汚れたら大変だわ。今日も泊まる?」
「へ?……あの、なぎ…。」
戸惑った様子で私の袖を掴む。
「ほら、着替えてきなさい?」
この一言で栞菜は焦りだした。
「なんで…こんな……途中で、酷いよ…!」
「途中?あぁ、着替えの途中ね。じゃあ最後まで手伝ってあげるわね。」
「ーーーーっ…うぅ…。」
あら、すっごい切ない顔。
「ほら、着替えに行きましょう。」
そう言って、私はくいっと栞菜の手を引いて寝室に向かった。
現在午後22時4分
「ご飯食べないと…。」
2人で寝転びながら生肌を擦り合わせる。
ふと、栞菜がそう言ったので、忘れていた空腹感が戻ってきた。そう言えば昼も食べてなかったなぁ。
「…作ってあるわ。後で食べましょう?……でも、まだ聞いてないことがあるから。それだけ聞かせて。」
「え?なに……?」
「会社で何があったの?聞かせて。」
多分、結構深刻な事。帰ってきた時の顔と、ため息がとても疲れた様子だった。
「…矢杉さんが、渚が作ったお弁当見て、それ渚が作ったやつでしょって。…ねぇ、どうしよう、私達が付き合ってるのバレてるよ……。」
不安なのか、栞菜は潤んだ目で私を見つめてくる。
もうバレてるのは想定内だ。あの人はとても勘が鋭いから。
でも問題なのは、これからあの人が私達の関係にどうやって亀裂を入れてくるのか。
全くもって予想出来ない。
「嫌な事言われた?」
「…宣戦布告しちゃった。」
「……えっ?」
え?なに?宣戦布告?どういう事?栞菜が?え?
「……渚は私のもので、私は渚のものですっ…て。」
……あの栞菜が??そんな…。
「ふっ…ふふふっ待って、予想外よ、そんなの。」
笑いがくつくつと湧き上がる。
そんな可愛い宣戦布告、でも勇気いったんでしょうね。それにしても可愛すぎるわよ。
「ご飯も誘われたんだよ!?社食室でお弁当食べたから、そう言ってお弁当しまって、ダッシュで逃げてきた!」
キリッとそう話す栞菜にまた笑いが込み上げる。
「ふふっ…あの人何か言ってた?」
「すっごい怖い顔して、『お粗末さまやわ』って……すごい睨まれたよ。」
おっと……なんて??睨む?あの人が??
「ふぅん……。」
「…渚?なんでそんなニヤニヤしてるの!?こっちはすごく怖かったんだから…。」
「いや……もしかしたら、貴方、あの人の天敵になるかもしれないわね。」
だって、睨むなんて、感情を顔に出すことをあの人は絶対しないもの。
「天敵……?」
「ふふ、いいえ。何も無いわ。私のせいでごめんなさい、嫌な思いしたわよね。今後何言われても気にしなくていいからね。私が好きなのは……栞菜だけなんやから。」
そうか、確かに今まで私の周りにこういう子はいなかったものね。あの人が、ねぇ。本当に珍しいわね。
……それにしても、好き勝手私のものに干渉されるのは気分良くないなぁ。栞菜なにかした時は、あの人であれど許すつもりは到底ない。
「むっ……渚ー、苦しいよ。」
「あら、ごめんなさい。そろそろ、ご飯食べましょうか。……今日も可愛かったわよ。好きよ。」
そう言って軽くキスをすると、栞菜はふにゃりと笑った。
「私も……。」