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ただ今10時ぴったり可愛い後輩にキスをされました。  作者: 猫又二丁目
一条 栞菜への愛と矢杉 綾乃への愛
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30夜目 私の我儘と悪戯心が踊ります。

今回30、31話が2000文字ほどしかなく、短いので連続投稿させて頂きました。

前回の感想も沢山寄せられて、ちょっともうほんとに踊れちゃいます。more&more踊りたいな…。

いつも投稿待っていただいてありがとうございます。

「渚〜?起きて〜、ちゅーするよ?」

肩をグラグラと揺さぶられ微睡みから意識が覚めてくる。


ちゅー?


「んー...ん。」

手探りで栞菜の顔を探し、柔らかい頬を触りながら唇を合わせる。

「へ?...んむっ...!!」

ふにゅってしてて気持ちいい。温かい。

「...ん、ふ、んん...。」

「なぎ...んっちょ、んーーーーっ!!」




「ごめんなさい...。」

「.....。」

結局、キスの途中で舌を噛まれ激痛で目が覚めた。

謝っても無視。栞菜はずいぶんご立腹のようだ。


「栞菜...無視は寂しいわ...。」

私の分まで朝食を作る栞菜を後ろから抱きしめる。

少しの沈黙の間、目玉焼きが焼ける音だけが聞こえている。


「...していい時としちゃダメな時をわきまえて欲しい...!...第一あ...あんな!...あんなちゅー...だめ...。」


耳真っ赤だし声震えてるし、というかもううなじまで真っ赤にになってる。


「はぁ…ちょっと最近の貴方可愛すぎるわよ...。」


いつものようにいじろうにもこちらまで顔が赤くなってしまっていじれない。


栞菜の目線の先にある目玉焼きは、そんな2人を真似るかのようにぷるぷると震えていた。



現在午前7時57分


朝食をゆっくりと食べ終わった後、栞菜は玄関でパンプスを履いていた。

近づいて行くと、ふと顔を上げ嬉しそうに笑った。


「まだ熱あるからちゃんと今日は休んでね。」


そう言って栞菜は私の頭を優しく撫でた。

気待ちよくて私はゆっくりと目を細めた。


「……もう仕事行くの?」

「うん。そろそろ出ないと。」

「ふーん。お弁当持った……?」

「うん、作ってくれてありがとう。もー、寝ててよかったのに夜中に作ってくれちゃうの、嬉しいけど心配だよぉ。」

「寝られなかったのよ…。」



少しの沈黙。

そうしているうちに栞菜がバッグを取った。


「じゃあ、行ってくるね。お弁当楽しみだよ。」

「や……だ。」

扉のドアノブに手をかけようとする栞菜に後ろから抱きつく。

「わっ……ちょっと、渚?」

「ん……一人嫌。」


自分でもワガママ言ってることは分かるが、風邪で1人なんて寂しいし、ちょっと甘えたらすぐに離して会社に行かすから、もう少しだけ。


「ダメだよ渚…そんな可愛いこと言われたら…したくなっちゃう。」


きゅーーーーーんっっ


そう、これが世の言うキュンキュンなのね。そう、胸がこうなるのね。へぇ……。



ガタッ……



「んっ……!ぁ……ふぁ。」

「ふ……んん……。」

扉に手首を押さえつけてキスをする。

我慢できなかった。無理でしょう、あんな顔されたら。何もしないなんて絶対に無理よ。


キスをし、栞菜の目に涙が滲んできた頃に頭の中に、悪戯心が芽ばえる。



そうだ、いじめてやろう。



楽しいことを思いついてしまった。


栞菜は凄く濡れやすい。こうしてキスをしたり、腰を撫でるように触ったりすると、ショーツを脱がした時に、ショーツと秘部に糸をかける程に濡れてしまう。


それに、栞菜には今まで我慢をさせてなかった。したいと言われたらすぐにしていたから、こういった我慢を長時間味わうことはなかったはずだ。


あぁ、我慢する栞菜を想像すると、ニヤニヤしてしまう。


「はぁ……なぎ…さ、好きぃ…。」

「ぅぐ……。」

可愛い……耐えろ私、耐えろ私の手。耐えた先にはもっといいものがある……はず。


「鼠径部、触られるの好きね。」

「ふーっ…ふー、無理だよぉ、ぁっ…ん…遅刻しちゃう…。」


栞菜の顔はもうスイッチが入った時の顔。

つい、あは、と高い笑い声が口からこぼれてしまった。


「そうね、遅刻しちゃうわ。行ってらっしゃい栞菜。」


軽くキスをして、頭を撫でる。


「え……?」

「うん?」

困惑してる栞菜可愛すぎる。表には出さないように心の中でにやにやした。


「…っふぅ…は…ぁ…1回…だけ…」

太ももをすり合わせ熱を帯びた瞳で私を見つめる。

興奮で息が荒いみたい。可愛い。


「…だめよ、遅刻しちゃうわよ?」

「な、んで…いじめるのぉ…?」


終いの果てには泣いてしまった。

可哀想は可愛い……ちょっと分かったわ。


「いじめてないわよ。栞菜の事を考えてるのよ?」

「考えてないもん…ひう…。」

「ほら、早く行ってきなさい。今日は私の家に帰っておいで。」


泣く栞菜を優しく撫でると、困ったように目を伏せた。

「行って…きます…。」


ここで燃料投下、出て行こうとする栞菜を引き止める。

「帰ってくるまで一人でしちゃダメよ?」

「……っ渚ぁ…わざとぉ……。」


バッと振り返った所で行ってらっしゃいと笑ってから扉を閉めた。



あーーーーーーーー無理可愛い。最後の顔やばかった……。

心の底から悲しんで泣いている顔は見たくないけれど、寂しい時とか我慢できなくて泣いちゃう時の顔は凄く…凄く可愛いし…エロい…。


「栞菜どころか私が我慢出来へんわ……。」


栞菜にお預けを食らわすと同時に私もお預けを食らうわけであって……。


虚無の目で天井を見上げた。


「寝るか……。」


私は思考を放棄した。



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