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ただ今10時ぴったり可愛い後輩にキスをされました。  作者: 猫又二丁目
佐藤家の実家ヘ帰還
15/38

15夜目 まさかの事態に戸惑いを隠せないですが、いざ戦場に参ります。

なんか...その...今回はぁ...わっ私の中二病心と言いますかなんと言いますか...私の趣味を大いに含みます.../////許して...(つωX////)


「お風呂大事!」

栞菜は真っ赤な顔をして、そう言い放った。

...嫌...だったんだろうか...まだ早いわよね...いやぁ、ブレーキちゃんと取り付けとかないとだめね。

「...えぇ。...まだ...早かったわね。ごめんなさ...」

「そうじゃないのっ!」

そう言って体を前のめりにして、私の腕の裾を掴んだ。

そして、耳元で小声で

「...お風呂に入ってから...シたいの...うぅ...。」

恥ずかしそうなその声は私の耳元ギリギリらへんからボッと聞こえてきて、私の耳に息がかかった。その息はおかしなくらいに熱がこもっていて、つい、ゾクゾクと、感じてしまう。

「...え...えぇ。」

そう言って、もう1度キスをしようと栞菜に手を伸ばした。


ピンポーンッ


「...。栞菜...。」

そう言って、もう1度頬に触れた手を首に滑らせながら口を近ずける。


ピンポーンッ


...。

「かん...」


ピンポーンッ


ピンポーンッ


「...どるぁぁっなんなのよもう!」

どうせまた凛子だろう...ぁぁあぁ空気読んで...!


ガチャ

鉄の扉をあけ、顔を覗かせる。


「...りん.....っ!?」

凛子、とどなろうとすると、そこには以外な人物が立っていた。

...なんでここに?もう関わりたくないと言ったのに。

その人はすました顔で一礼をしてから、真っ直ぐに、私を見つめた。

「...さ...つき...。」

私は呆然として、ただそこに立ちすくんで、名前を呼んだ。

「...お久しぶりです。渚様...。」

もう一度模範のような礼をしてから、柔らかくはにかんだ。

小鳥遊 五月(たかなし さつき)。私の実家の...その、いわゆる使用人というか...部下というか...。

五月は白いワイシャツを着ており黒いネクタイをきちんと付けて、黒いスーツを羽織っている。

あれだ、よくいるサラリーマンを小綺麗にしたかんじだ。

眉毛よりも少し下で切りそろえられた前髪に、太ももまである長い髪の毛を頭の高い位置にくくっている。

...本当に、会いたくなかった。


「...はぁ。もう関わりたくないって言ったはずよ...。」

そう言ってわたしは、前髪を後ろにかきあげ、大きくため息をついた。

「...申し訳ありません...。ですが、緊急事態なのです。今からこちらに来て頂きたいのですが。」

...緊急事態?

「...なに、抗戦とかそんなんだったらめっちゃいやなんだけど。」

「...そうではなくて...その...咲夜(さくや)様が倒れたのです...。」

咲夜とは、私の実の兄で、私の実家の跡取りとしていた。

「兄さんが...?なんで?」

どうして風邪もひいたことなさそうなあの人が?

...一体なんの病気なのかしら。


「...渚?」


後ろからポッと顔を出して、心配そうな顔をしている栞菜。

...話に集中し過ぎて忘れてた。

「...栞菜...ごめんなさい、もう少し話しちゃうかも...。」

「...家に入れてあげたら...?廊下に出てるのも...なんだし...。あっ...でもでも、渚が良ければだからね!」


...確かにそうね...でも...この話を栞菜に聞かれるのは...。


「...今すぐ来るならよいのですが、このまま話し込むのであれば家の中に入れてもらいたいのですが。」

...こいつ、なんかむかつくな...。

「分かったわ...。」

不服に思いながらも家の中に入れる。

「...渚...あの人...誰?」

そう言ってこっそり私に耳打ちしてくる。

「...実家の...関係者...?」

「...なんで疑問形...?」

そう言って栞菜は少し怖い顔で睨みながら疑わしそうに私を見つめる。

...ぅぁぁぁ...これ絶対なんか勘違いしてるわよね...。

「...あの。そろそろ話に戻りたいのですが。」

机の向かいに五月が座り、私と栞菜はその向かいの席に横並びで座った。

「...あぁ、ごめん。で、兄さんはどうしたの。」

「バイクで走っていたところ、横から大型車両にぶつかられたそうで、全身打撲と、肋骨を2本と手足を3本折っています。」

...うーん、思ったよりも、凄い怪我のようで。

「...え゛!?」

栞菜は横で信じられないという声を出して目を見開いている。

「...ふぅ、ま、私は行かないわよ。」

「それはなりません。」

香織(かおり)姉さんや優華(ゆうか)も行かないでしょう?」

香織姉さんは、私と2つ離れた姉で、私と同じレズビアンであり、それを父に反対され、帰国子女のめちゃくちゃクール系美女の恋人とどこかへ逃げた。

いわゆる“駆け落ち”というやつだ。

それと、優華というのは、歳が7つも離れてる。まだ高校生なのだが、思春期なのか兄を物凄く嫌っており、(父はいけるようで)実家をでて、遠くの高校に通うためという口実で大阪から青森まで引っ越した。どんだけきらいなんだよ。

...と、まぁ、優華はありえても香織姉さんは絶対に帰ってこないと思う。

「いえ、香織様と優華様どちらも帰ってきております。後は渚様だけなのですが。」

「...さ、様?」

五月の発言を聞いてギョッとする栞菜。可愛い。

「...え、今なんて。」

...栞菜に気を取られていたけど、今なんて言った?

「ですから、どちらの方も帰ってきております。」

優華はおいといて、香織姉さんも!?

「...は!?香織姉さん振られたんか!?え!?なんでやねん!どうやって見つけたんや!?」

思わず机をバンと叩いて立ち上がる。居場所も知らされてないし、どうやって見つけるんだ?自分から来たんだとしたらあの人にふられた...?

「振られてませんよ。自分から来てくれたんですよ。電話をしたんです。私が。数十回している内に、暴言を吐きながら出てくれましたよ。」

...す...数十回...よく着拒にしなかったな...。

「...もう、来てるん...?」

「ええ。咲夜様はもう足が治らないかもしれないと医師から伝えられました。会長が、自分の子共を全員集めて新しい跡取りをきめる、と。」

「...足が...?」

「...えぇ。」

そう言って、悔しそうに唇を噛んで、驚きの言葉を言った。

「会長は...最低です...咲夜様の心配をする前に...新しい跡取りなどと...。その決断力や判断力は組織にすると大きな強みとなるのは分かっているのです...。

分かっているのですが...嫌がっているあなた達姉妹にまで...跡取りをなすり付けるのは...最低です...。」

そう言って、泣きそうな顔をした。

「...五月は...跡取りになる気は無いん?」

悔しそうな五月の顔を見て、落ち着き、また席に座る。

「...私は...本当はあなたが組織から離れると言った時、ついて行きたかったのです。ですが、私は邪魔になると思い、組織に残りました。私は跡取りにはなりません。ですが、あなたが跡取りになるのであれば...私は生涯あなたに仕えます...。」

そう言って私の手を握り額を押し付けて泣いた。

「...分かった。行くわ。でも私は跡取りにはならない。結婚は出来ないし私にはこの子がいるから。」

そう言うと、五月はパッと私の手を離し、驚いた顔をした。

「...そうですか。ありがとうございます。」

1度驚いたものの余裕の笑みを浮かべた。

「...渚...。」

また栞菜は心配そうな顔をする。頭を撫でたあと安心したように愛おしそうにはにかんだ顔を見て決心した。

「...五月。この子も連れていくわ。明日までにこちらに帰って来れないのであれば明後日までにこの子を送ってちょうだい。」

「で...ですが!会長が...!」

言いたいことは分かる。父さんが気持ち悪いと思い、何かと文句をつけて別れさせるに違いないと思うが、私は栞菜にちゃんとしってもらいたいから。

「...いいの。栞菜には知ってもらいたいし、父さんがなんと言おうと私には関係ないから。それに、香織姉さんもあの人連れてきてるでしょう。」

そう言って不敵に笑うと、五月はどうしてそれを!?という顔をした。

「あの人ならそうするもの。あ、そうだ、私が帰った後にね、プレゼントですって言ってこれを父さんに渡してちょうだい。」

そう言って五月に持たせたのは大手時計メーカーの紙袋に入った3冊の本。あれだ、父さんには同性愛の良さを少しでもしってもらえればな、と。多分あの堅物には無理だと思うから娘からの愛のお手紙も入れておいた。

「...こ、これは?」

五月はその紙袋を受け取ると、首を傾げた。

「秘密。」

そう言って私は栞菜を連れて服を着替えに2階へ上がった。


次回も私の趣味が続くので、痛てぇなこいつ。とか思わずに見てくださいっ(ノ)ω(ヾ)

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