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ただ今10時ぴったり可愛い後輩にキスをされました。  作者: 猫又二丁目
一条 栞菜との日常
12/38

12夜目 可愛い後輩と腹を割って話したい。

投稿が遅れてすみませんっ!可愛い後輩シリーズを多くの読者様に呼んでもらえるとうれしいですっ!ガチレズ教師の方もよろしくお願いします!

ブックマークにしてもらっている方や読者の皆様、今後とも猫又をよろしくお願いします。

現在6月12日午後7時8分

「...ん゛っ。」

目を開けたいが、まぶたが重くて開けにくい。それでも、必死に持ち上げるように目を開ける。


ギシッ...。


「...?」

ふと見てみると、ベッドの端に栞菜が突っ伏して寝ていた。

...栞菜、一緒にいてくれたんだ...。

そういえばあまり記憶はないが、私は昼食を取ってから、会社に戻って席に座ろうとした時に視界が真っ白になって倒れた。それから...は、覚えていない。

ふわふわの栞菜の髪の毛を指で優しくとく。

「...んっ...あ...せんぱ...」

「...おはよう、栞菜。」

まだ頭は痛いし身体はだるい。でも、近くに栞菜がいると分かると物凄く安心した。

「...!せんっ.....渚...寝てないとっ。」

「あはは...ありがとう。でもだいぶ身体が軽くなったわ。そういえば、凛子は来てなかった?」

私が倒れたのは会社だ。なら、絶対に凛子が私の家に送るはず。だって表向きは、凛子と先輩ぐらいしか私の家を知らないもの。

「あ...うん、来てたよ。私と上川先輩で渚を家まで送ってから、上川先輩は課長に呼ばれて会社に行ったから私が渚のことをてたの。」

だから栞菜一人だったのか...。でも、こちらとしては都合がいいわね。

「そう、ありがとう。」

「ううん、そろそろ帰るね。」

床から立ち、ドアの方へ身体を向けた栞菜の腕を掴む。

「...っ!ど、どうしたのっ!?」

「ねぇ...少し話しましょうか。じっくり腹を割って話しましょう。」

私は今...いや、栞菜が私から目をそらした時からめちゃくちゃ怒っている。だから多分私今凄く怖い顔をしていると思う。だって栞菜私の顔を見た瞬間に顔を真っ青にしてガタガタ震えてるんだもん。

「...ひっ!...は...はい...。」

涙目になりながらやっと押し出したような消えそうな声を出す。

「ここ、座って。」

ポンポンとベッドの端の方を叩く。

「...はい。」

結構素直に座る。

「ねぇ栞菜。あなた私の事避けてない?昼食の時に栞菜がトイレから帰ってきたあたりから。なんでかしら?」

栞菜は言葉を聞いた途端ビクリと身体が跳ねた。

「...そんな事...ない...です。」

「ヘッタクソな演技はいらない。私言ったわよね腹を割って話そうって。あなた、聞こえなかったの?」

イラッときてしまい、低い声になる。

「...ごめん...なさい...。」

栞菜はずっと俯きながら震えている。あと、泣いてる...と思う。

「謝って欲しい訳じゃないわ。私はなぜ私を避けるのかを聞いているの。答えて。」

「...っ避けてないっですっ!」

ムカつくなぁ...。

「答えて。」

「...っ避けてないって言ってるじゃないですかっ!」

バッと俯いていた顔を上げる。

「...ちっ...そういうのいらんから。ええからはよ答えろや。な・ん・で・避けてたんや?」

イライラしすぎて、つい喋り方が元に戻ってしまった。

「っ...渚が鈍感だからじゃん!人の好意に気付かずにいつもいつもいつもいつもっ私ばっかりしんどくなったり辛くなってる!なんで私がこんなにしんどくならないといけないの!?渚がもっとはっきりしてくれればいいだけなのに!私はっ...私は...」

「か、栞菜...っ?」

「...私はただ渚が私だけを見て私だけを愛してくれたらそれで良かった!!ほかの人に優しくなんてして欲しくないし他の人に触ったり好意を寄せて欲しくもないっ私の前で私以外の人とベタベタしないでよっ私以外の人の名前をその優しい声で呼ばないでぇっ...!」

リミッターが外れたように普段のおしとやかな彼女とは違う本当の栞菜を見れた気がした。

「...栞菜...」

「グスッ...ズッ.....ごめ...ん...。」

...正直凄く嬉しい。めっちゃ嬉しい。私の事そんなに好きだったのか...てか独占欲めっちゃ強い...可愛い...抱きたい...ドロドロに甘やかして抱きたい。

「...分かった。栞菜の前でも栞菜の前以外でも他の人に優しくせえへんし...他の人に出来るだけ触んように、触られへんようにする。ベタベタもせえへん。名前...は...優しい声で呼ばんようにするっ。でもな、栞菜...私は栞菜のこと以外見えてへんし栞菜だけを...愛してる。ていうか...栞菜以外にこんなに愛しい人おらんわっ。」

全部偽りなく伝えると心の中がスッキリした。でも、やっぱりこんな事言うのは恥ずかしかった...なんか恥ずかしいからキスでもしとこ...。

「...んっ!...はぁ...んん...。」

「ん...ん.....はっ.....っ好きや...でっ...。」

あーーー恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしいっっ!

...ん??そういえば私の事避けてた理由って??

「なぎ...っさぁ...ぁ...っ。」

...後でいっか。

「栞菜...ずっとここにいて...?」

「...ふぁい...先輩がいいって言うまで...います。」

ゆっくり慣らしていきたかったけど、リミッター解除されちゃった...容赦なく舌をねじ入れ唾液を栞菜の口に流し込み、一度口を離して飲ませる...の繰り返しを何度も何度もしていた。

「っ...はぁ...はぁ...っげほっげほっ...ごほっ...!」

「...渚!?大丈夫!?」

「そうだったわ...私...風邪...だっ...た...。」

「え!?渚!?渚っ渚ぁぁ〜!?」

フッと視界が真っ白になり...意識が途絶えた(2回目)


◇栞菜目線

現在6月12日9時36分

今私は渚のお粥を作っています。

「...渚の関西弁...怖かったけど...可愛いかったなぁ。」

ガチャガチャ...ジャーーッ...トントントン...。

「よし...出来た。」


ピンポーン...


お客さん...?...私が...出ても...いいんだろうか...。

ピンポーン...

いや、私しか出れる人いないしっ!...出よう。

ガチャッ

「はーい。」

「よっ!渚っ...え?」

「ぅううう上山先輩!?」

どうしようっ...こんなに遅い時間までそんなに仲良くない後輩がいたら変に思われるよねっ!?どうしよう...バレちゃったかも...。

「一条まだいたのか?...。7時半までには帰るって言ってたのに...。」

どうしようっ!?やばいやばいやばいやばい!

「...どうしたの?」

背後から聞こえてきた優しい声で一気に安心し、強ばった肩の力がストンと抜けた。

「あら...凛子じゃない...ゴホッ...。」

「なっ...先輩っベッドで眠ってて下さいっ!」

「ちょ、とりあえず入るぞっ!」

ぶしゅーーーっじゅぅぅ...。

「やばっお粥っ...!」

だだだだだっ

カチッ

「...大丈夫なの?」

「...ちょっと...焦げました...。」

「別にいいわよ、食べるわ。」

遅れて駆けつけてきた上山先輩が心配そうにこちらの様子を伺っている。

「おいおい...大丈夫かよ。」

「それより、火傷とかない?怪我は?」

渚がスルッと私の手を取り、心配そうに見つめてくる。

「だ、大丈夫.....です。」

「良かった...けほっごほっ...。」

「...。」

「ちょ、ベッドに戻って下さいっ!」

「...ごめんなさいね...ゴホッ...。」

「一条、なにか手伝うぞ...。」

「えっと...じゃあ、生姜をすってもらえませんか?」

「ん、了解。」

...気まずい...。

気まずい沈黙の中、黙々とネギを均等に刻む。

「...あの」

「...すげぇっ!なんでそんなに同じ大きさに切れんだ!?うおぉぉぉ、うちのババアでも無理だぞ?きれぇだなぁ...。」

...は?え?んん???ネギの話?...全然気まずくないじゃんか...。それか、上山先輩が気を利かせてくれたのかな...?

「ふふっ...ババアって...あははっ...お腹痛い...っ。お母さん...ですよね?」

「おん。うちのババアは不器用なくせして雑だからさ、びろーんってネギが繋がってやんの。あれはねぇーわっ!ぶはははっ!」

「あははっ...あっ、生姜すり終わりましたか?じゃあ、この鍋に入れて混ぜてもらっていいですか?」

「おん。テキトーでいい?」

「はい。あ、あと出来れば卵も溶いて入れて欲しいです。」

「おっけおっけ。」

良かった...普通に話せてる...っ!

「終わった...。」

「なぁ一条。」

「はい?」

「お前7時半に帰らなくて良かったのか?」

...キターーーッ!!!どうしよう...よし!ここは営業スマイル全開でいくぞっ!

「それが、7時半からの用事がなくなったんです。それに、先輩も熱は上がるし咳が止まらないしでほっとけないし、そのまま看病してたら9時ぐらいになっちゃって、お腹空いたかなー?って思ってお粥作ってたら、上山先輩が来たって感じです!」

「...そっかーっ!なんか変な想像しちゃったよーっ!」

「ソンナワケナイジャナイデスカー!アハハハッ!」

ベロチューしてました...なんて死んでも言えない...。

「よしっ、出来たぞっ!」

「ありがとうございます!ネギをのっければ、よしっ完成ですっ!」

「おおおっ!!めっちゃ美味そう!」

お粥を鍋つかみで持ち、机の上に鍋敷きを敷く。

「先輩〜出来ましたよ〜?」

「んん...?栞菜...愛して...るわ...よ。」

「「...。」」

(オワッタ...泣)


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